ニューイヤー駅伝2021 結果雑感 ~富士通が12年ぶり3度目の栄冠~

明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。ニューイヤー駅伝、戦前の3強と言われた旭化成、TOYOTA、富士通が予想通りトップ3を占める結果となりましたが、区間賞3つを含む5区間で区間3位以内の走りを見せた富士通が盤石の走りで12年ぶりの優勝を果たしました。レース結果はこのようになっており、区間ごとにレース結果を振り返っていきます。

~1区(12.3km)~

スローペースとなった1区、10km以降のスパート合戦となりましたが・・・そこでも1区が富士通の松枝、旭化成の茂木、TOYOTAの田中と3強がそのままトップ3を占めることとなりました。タイム差もそれぞれ1秒ずつとまずは1区で差がつかずという展開でしたね。2区に最も不安のあった旭化成の茂木はもう少し仕掛けても良かった気がしますが。


三菱重工の定方、HONDAの小山がそれぞれ3秒差、5秒差の4位、5位で続き強いチームはラストスパート合戦でも上位に入ってきます。サンベルクスの渡邉が区間8位、ひらまつ病院の梶原が9位と上々のスタート、住友電工の阿部は区間16位でもう一歩だったかなあ。ルーキーは他にも大阪ガスの中村友が27位、九電工の舟津が28位、久しぶりの駅伝となったSGホールディングスの關は32位といずれもほろ苦いデビュー戦となりました。

~2区(8.3km)~

外国人選手のハイレベルな争いとなった2区、出場した36チーム中31チームが外国人選手を起用しているんですよね。そんな中でも九電工のコエチが区間新&区間賞の走り、ヤクルトのワイザカが区間タイ記録、1秒差の2位で続きました。日立物流のキムニャンが3位、GMOインターネットのコリルが4位と上位を狙うチームは外国人選手も強い・・・


TOYOTAの新外国人選手であるカロキは区間8位、区間順位としてはもう一歩でしたが、積極的な走りで前を追っていき、総合4位と3強ではトップに浮上、富士通のキメリは区間13位で総合6位、旭化成のモゲニは区間19位で総合13位にまで後退といずれもインターナショナル区間は苦戦気味。総合では日立物流がトップ、ヤクルトが2位、三菱重工が3位となることに。


日本人選手トップは29位タイだった住友電工の西川、トーエネックの河村でトップとは1分31秒差ですから…外国人選手抜きで優勝争いや入賞争いに加わるのは容易では無いですよね。高校生や大学生とは異なり、実業団はもう外国人選手がいる前提のチームですし、個人的にはそれで良いかなあと思っています。

~3区(13.6km)~

スピード区間となる3区、住友電工の田村が区間タイ記録の走りで30→12位と18も順位を上げてきました。日本選手権1万でも3位に入る快走が記憶に新しいですが、その1ヶ月のニューイヤーにもしっかりと合わせてくるのはさすがです。旭化成の大六野が6秒差の2位で続き、総合でも2位に浮上しています。そんな旭化成を抑えて総合トップに立ったのはGMOインターネット、渡辺が区間5位の走りを見せ、ここまではほぼ完璧なレースを展開しました。


安川電機の古賀が区間3位の走りで16→4位へと浮上、高卒で実業団に進んだ選手ですが、年々力をつけてきています。さらに、区間4位に大阪ガスの野中が入り、34→18位へと16も順位を上げています。下位から追い上げられるのは力のある証拠ですね。富士通は坂東が区間6位とまずまずの走りで総合3位と好位置をキープ、その一方で前回区間賞&区間新だったTOYOTAの西山は区間14位で総合8位まで後退してしまうことに…前年度に比べると、コンディションは上がりきっていなかったかな。。。


2区終了時でトップだった日立物流は栃木が区間13位の走りも総合5位と好位置をキープ、2位だったヤクルトは3区荻久保が区間15位で総合7位に後退することに。3位だった三菱重工は的野が区間12位で総合6位といずれも区間二桁順位ではあったものの、大きく順位は下げることなく3区を終えています。

~4区(22.4km)~

日本を代表する選手が揃う4区、ここで区間賞を獲得したのがSGホールディングスの佐藤悠基というのはびっくりしました。もちろん、元々日本トップの選手ではありますがすでに34歳、12月の日本選手権1万にも出場していました。それが素晴らしい走りで20→6位と14も順位を上げることに。圧倒的な存在感を示し、チームの目標とするシード圏内に押し上げました。


優勝争いで素晴らしい走りを見せたのは富士通の中村、あっさりと三菱重工の井上に追いつかれたときは大丈夫かな?と思いましたが、終盤に得意のロングスパート、さらに2段階スパートで後続を突き放し、2位に18秒差をつけてトップに立ちました。区間順位も2位タイと上々、さすがはオリンピックランナーという走りを見せてくれました。ラスト離されたものの、井上も先頭手段を引っ張る積極的な走りで区間2位タイの走りで総合3位にチームも浮上しています。


旭化成の鎧坂は区間4位の走りでトップと18秒差の総合2位をキープ、ラストこそ引き離されたものの、しっかりと優勝を狙える位置をキープしました。TOYOTAの窪田は序盤突っ込んで入り先頭に近づいたものの、追いつけずに後半は失速…それでも区間6位ですから決して悪くは無いのですが、トップと52秒差と離されることとなりました。


そんなトップ選手たちに割って入って区間4位タイだったのが黒崎播磨の細谷、確かに中央学院時代から安定した走りを見せてはいましたが、エース区間でこの走りは素晴らしいの一言です。他には区間9位に入った戸上電機のルーキー金丸の走りが光りましたね。戸上電機、今後強くなるかも。。。


一方で、HONDAのスーパールーキー伊藤は前半突っ込んだものの後半失速してしまい、区間16位に沈むことに…さすがに1万で日本記録を1ヶ月前に叩き出したあとに再びハーフの距離に合わせるのは伊藤をもってしても難しいのか…3区終了時でトップだったGMOインターネットは一色が序盤トップを守っていたものの、後半追いつかれると一気に引き離されてしまい、区間14位で総合5位にまで下がることに。


福岡国際マラソンで好走した九電工の大塚は区間29位に沈むことに。しかし、12月にマラソンを走ってさらに1ヶ月足らずでニューイヤー4区を走ってさらに合わせるのは難しすぎますよね…そう考えると、JR東日本の作田直は同条件でよく区間15位で走りましたよね。

~5区(15.8km)~

2番目に距離が長く優勝争いを左右することも多い5区、ここでは福岡国際マラソンを欠場したTOYOTAの勇馬が1秒差で競り勝ち区間賞を獲得、トップと37秒差に縮めて6区以降に希望を残しました。コンディションは7割程度という話でしたが、それでも区間賞を獲得してしまうのはさすがの一言です。1秒差の2位にHONDAの青木が続き、16→5位と11も順位を上げることに。法政大学では箱根5区を始め全く崩れることのない走りを見せましたが、実業団では更に力強さを増しています。


区間3位に富士通の塩尻、前半から積極的な走りで後続を引き離し、終盤は再び差を詰められたものの、総合2位に36秒差ときっちりと差を広げました。区間賞も大事ですが、5区でトップのチームにとってより大事になってくるのは総合2位とのタイム差ですからね。十分に役目を果たしてくれました。区間4位タイに旭化成の謙太と三菱重工の山下という駒澤でともに箱根2区を複数回走った二人が入ることに。ともに決して悪い走りではなかったですが、旭化成としてはここでさらにトップと差を引き離されてしまったのは痛かったですね。特に謙太はこの5区で結果を残して旭化成の4連覇に貢献していましたし…


入賞争いは6位の日立物流から7位ヤクルト、8位JR東日本、9位SGホールディングスまでわずかに15秒差、8位のJR東日本と14位のGMOインターネットでも14秒差ですから全く分からない大混戦となっています。ニューイヤーの入賞争いは毎年熾烈になることが多いですね。7区のラストスパートで決まる展開も多いですし。。。

~6区(12.1km)~

優勝するチームは6区で区間賞を獲得することが多い重要区間、ここで区間賞を獲得したのは富士通の鈴木、総合2位との差を40秒差とわずかですが広げました。区間2位にTOYOTAの青木、区間3位に旭化成の小野でそれぞれトップと3秒差、4秒差とほとんど差はないんですよね。3強が総合3位以内に入り、区間順位も3位以内を独占、この6区は本当に総合で上位にきているチームが区間上位を占めることが多いです。それだけ実力者を6区に残せるんですよね。


区間4位にJR東日本の其田、5位に黒崎播磨の吉元が続いています。JR東日本はこの好走で総合5位に浮上し、入賞をぐっと引き寄せる走り、黒崎播磨は8位と5秒差の9位と入賞がすぐそこに見える位置にまで順位を上げてきました。HONDAが6位、日立物流が7位、SGホールディングスが8位もこの間はわずかに3秒、10位のGMOインターネットが8位と6秒差、11位のヤクルトが7秒差と6区終了時でも全く入賞争いは分からない展開に。

~7区(15.5km)~

最終区間に浦野を残せる富士通の選手層ですね。6区に続いてここでも区間賞を獲得、4区以降は一度もトップを譲らず、徐々に総合2位との差を広げていく盤石の走りで12年ぶり3度目の優勝を果たしました。出場した選手が全員20代、さらに選手層の厚さも全チーム中トップクラスですし、今後も優勝争いに加わる戦力を維持していきそうです。


総合2位に入ったのはTOYOTA、大石は区間4位の走りも総合2位争いは制しました。ただ、トップとは1分3秒差をつけられており、4連覇中の旭化成を破ったもののまたしても優勝には一歩届かず。。。富士通に比べると、ちょっと全員が万全の状態で挑めなかった印象があります。ただ、選手層はこちらも圧倒的なだけに、また来年に期待かなあ。


総合3位には5連覇を狙った旭化成、市田孝が区間9位とちょっとらしい走りを見せられませんでしたね。エース区間でも区間賞を獲得してきた選手なのですが。今回は日本選手権を制した相澤を故障で欠いたのが痛すぎましたかね、区間配置にも大きく影響したでしょうし…また、外国人選手の区間も不安要素でしたが、区間19位はさすがに優勝を狙うチームとしては痛すぎました。また、来年度万全で臨んでくれれば。


4位争いを制したのは日立物流の服部、日立物流に移籍してきた選手ですが、区間2位の素晴らしい走りで初めての入賞を4位という好位置で果たしました。1区から最後まで安定した走りでしたね。区間15位以下に沈んだ区間も無かったですし、まだ若いチームで今後も楽しみです。


5位にはHONDAの土方が区間3位の走りで入りました。埼玉栄の先輩である服部には一歩及びませんでしたが、同じ國學院の先輩である江島は上回る走りを披露、HONDAも総合5位と決して悪くは無いのですが…スーパールーキーの伊藤が本来の力を発揮し、今回外れたエースの悠太が万全の状態であれば優勝争いに絡んでもおかしくないですね。伊藤、青木、土方とルーキーが3人走ったHONDAの今後がますます楽しみです。


6位には三菱重工の江島が区間8位の走りで入っています。ラストこそ離されてしまいましたが、三菱重工も高いレベルで安定しています。長崎県出身の選手が大半を占める中でこれだけの強さを維持しているのが素晴らしい。ただ、優勝を争うチャンスとなると、選手層を見ても3強と比べると厳しそうかなあ。


7位にはJR東日本の寺田が区間17位ながら入りました。総合5位から2つ順位を下げてしまいましたが、連続入賞は死守しました。一時期は低迷していましたが、またコンスタントに入賞できるくらいの力をつけてきたのかなあ。大きく崩れる区間が無かったのも良かったです。


最後の入賞となる8位にはラスト勝負を制したヤクルトの高宮が入りました。区間順位は24位と下位ですが、もう3人の8位争いですから区間順位は関係無いですね。ラストスパートについていき、逆にラストで突き放すお手本のような走りで入賞を勝ち取りました。


9位にはGMOインターネットの吉田が区間25位で入りましたが、入賞には3秒届かず…ちょっとラストスパートをかけるのが早すぎたのかな…ただ、12月の福岡国際マラソンで素晴らしい走りで優勝したばかりですから、さすがに仕方ないですかね。むしろ、重要な4,5区でともに苦戦してしまったのが痛かった。。。


10位にはSGホールディングスの鈴木が区間30位で入ることに…ラストで抜け出す機会を伺っていましたが、逆に青学の同級生だった吉田のスパートについていけなかったのは、本人も悔しい走りだったでしょう。日本人選手6人中5人が東海OBで唯一の青学OBでしたが…入賞には10秒届かずの悔しい走りとなってしまいました。

12/19(土)に「箱根駅伝公式ガイドブック2021」が発売されました。この時期は箱根駅伝関連の本が大量に出版されて、どれを買えばよいのか悩んでしまいますよね(汗)12/10以降に発売の本は箱根エントリー16人に特化し、より詳細な情報が載っているのが魅力的かな♪



箱根駅伝公式ガイドブック2021 2021年 01 月号 [雑誌]