第97回(2021年)箱根駅伝 ~区間別展望~

2020年も本日で最後となります。今年もたくさんの方にブログを読んでいただき、ありがとうございました。記録会や大会があまりなかったこともあり、全部で200弱の記事と例年よりも少なかったですが、これまでの記事は2400を超えました。2012年11月から始めたブログのため、9年目を迎えることに…来年もよろしくお願いします。本日は各区間ごとに区間賞争いをするであろう選手、優勝を争うであろう大学の選手を中心に当日変更も考慮して展望を述べていきます。

~1区~

明確にチームNo.1ランナーを起用してきた大学は無かったですね。前回経験者では、青学の吉田、帝京の小野寺だけかなあ。いずれも区間上位候補の二人です。期待のルーキーを起用してきた大学もあり、明治の児玉、順大の三浦らも上位に入ってくる可能性は十分、三浦は区間賞候補の1人かなあ。中央の吉居や東海の石原が当日変更で起用されれば、ますますルーキーの争いが熾烈になりそう。区間賞がルーキーの可能性も十分出てきます。


全日本で好走した選手では、1区2位だった城西の砂岡、3位だった駒澤の加藤らが再び1区となっています。こちらも今年度になって一気に力をつけてきた選手であり、上位での走りが期待出来そう。索かの福田、日体大の藤本らチーム2番手の選手を起用してきた大学もあり、1区で出遅れたくないという思いが伺えます。当日変更でエースの起用がありえるのは、法政の鎌田、東海も塩澤や國學院も藤木らを起用してくるかも…早稲田もエースの中谷か主力の井川か…


ただ、早稲田の中谷が来ないと前年度ほどハイペースにはならないかもしれませんね。積極的に集団を引っ張っていく選手がいないかなと。順大の三浦や中央の吉居がきたとしても、ラストの切れ味勝負という気がしますし…多くの選手がついてくるであろう1区でハイペースで引っ張るのはリスクが高いですから。ハイペースでなければ、優勝争い、シード争いともに意外にタイム差はつかないかも。

~2区~

優勝候補を見ると、前回と同様の2区は明治の加藤のみ。ルーキーイヤーで活躍した前年度からどれだけ伸ばせるか。東海は名取、駒澤は田澤と全日本優勝を争ったエースを順当に起用。早稲田も太田と順当すぎる起用です。ただ、田澤や太田に日体大の池田は12月に全日本1万を走っており、2区にその影響がやや気になります。青学の中村は全日本でも好走しており、順当ではあるのですが他大に比べるとここはやや凌ぐ区間になりそうかな?


留学生では、東国大がムセンビ、創価はムルワ、国士舘がヴィンセントが起用されています。東国大はヴィンセントへ当日変更となれば、留学生による区間新を狙うようなハイレベルな区間賞争いが予想されます。他に留学生がいる2大学、山梨学院は森山、拓殖は吉原と日本人エースを起用してきました。山梨学院は森山2区、オニエゴ3区ならば納得なのですが、前回区間2位タイのラジニを2区から外した拓殖は当日理由がわかるまで不安です。


他にも國學院は中西大、帝京は星、順大は野村、城西は菊地、中央は森凪也、法政は河田とエース格を起用、やはり多くの大学がNo.1エースかエースの1人に2区を託しています。また、ルーキーに2区を託す大学もあり、東洋は松山、専修は木村を起用してきました。松山は全日本はもう一歩でしたが、箱根では他大のルーキーに負けない走りを見せられるか。木村はもはや1年生エースと呼んで良い存在ですし、どこまで戦えるかも楽しみです。唯一、当日変更が確実視されるのが神奈川大、井手が入るとは思うのですが、他の19校がそのまま走ってもおかしくないエントリーなのに気になるところ。

~3区~

ここは当日変更の可能性を残している大学が多く、5強(青学、東海、駒澤、明治、早稲田)と言われる大学は全て当日変更となりそうな気が…青学は神林や佐藤ならば一気に区間賞の有力候補となりますし、東海も石原か塩澤を起用してくるのでは…駒澤は小林あたりの起用が有力視されます。明治は前回同様に手嶋なのか小袖や櫛田という選択肢もあるでしょうか。早稲田は1区井川ならば3区中谷の可能性が高そう。3位以内を狙うのであれば3区中谷の方が有効そうかな。非常にハイレベルな3区となりそう。


3区の実績では2年連続3位以内と好走している帝京の遠藤がいますが、今年度は故障や不調が続いており、箱根に合わせられるかどうか。これまでは、それまで多少苦しんでも箱根にはピタッと合わせてくれています。他の大学も当日変更が多そうですが…そのまま出場しそうな主力では、順大は伊豫田、神奈川は川口、日体大は岩室、法政は松本を起用してきました。順大や日体大はダブルエースを1,2区に起用しており、その二人が好走してくれる前提で3区は大事になりますね。


東洋は西山が3区に来ればその走りは楽しみですし、中央も経験者の三浦がくるのかなあ。山梨学院もオニエゴが起用されれば、区間賞候補の1人として名を連ねることになりそう。3区にエースを起用してくる大学はあまり無さそうなだけに、この3区では意外とタイム差がつくかもしれません。その中でも、個人的には青学が強そうかなあと思っています。

~4区~

5強でほぼ確実に起用されそうなのは早稲田の鈴木と駒澤の酒井ですね。鈴木は前回の箱根で、酒井は全日本で素晴らしい走りを見せている2年生、ともに準エース区間を担うにふさわしい区間上位候補の選手です。一方でわからないのは東海の佐伯と明治の金橋、佐伯がルーキーながら4区を任せられるほどであれば大きいですし、明治も2年連続の金橋は選択肢としては当然あります。ただ、準エースが揃う区間なだけに、ここで離されないだけの力をつけている前提ですが…青学は佐藤の起用が有力視され、神林や飯田もあり得るのかな?ここも青学は強力かなあと。


実績のある選手では、1年時に4区で好走している東洋の吉川がそんな走りを再び見せられるのかも注目です。箱根に向けて好調ということなので、期待したいですが…中央も2度走っている池田を起用してきました。國學院は木付か河東あたりに変更かなあ?創価も葛西や嶋津など主力の起用が予想されます。


1~3区に主力を全力投入すると、どうしても4区は主力以外の選手を起用せざるを得ないケースも多く、1~3区以上にタイム差が開く可能性があり、優勝争いも大きく左右することになるかも。実際、2年前は東洋の相澤が驚異的な区間新の一方で青学は区間下位に沈んで東海が総合優勝につなげた一方、前回は青学の吉田が区間新の走りでぐっと優勝を近づけましたからね。シード争いを占う上でも大事になってきます。

~5区~

山登りかつ最もタイム差の付きやすい区間である5区、区間賞候補はまず前回区間賞である東洋の宮下、2年前に区間2位で走っている東海の西田の2人になってきそうかな。2年連続区間賞は東洋の柏原以来達成出来ていませんが、果たして…西田も万全であれば当然楽しみな選手。青学は竹石がそのままが濃厚ですね。ただ、個人的には飯田の方が確実だと思うのですが。。。平地に飯田を残せる強みも考慮してでしょうか。


明治は順当ならば鈴木への当日変更が確実で前回区間5位、今回はそれ以上の走りも期待されます。一方で不透明なのが駒澤と早稲田。駒澤は円がそのまま走るとは思えず、鈴木や唐澤あたりの当日変更があるのか…5区経験者の伊東は8区、5区希望の山野は9区という布陣からも5区はルーキーに託すことになりそう。早稲田もルーキーの諸冨に託すのか経験者の吉田に託すのか…どちらにしろ不安の残る区間かな。


他には、5区未経験ながら前評判の高い選手も多く、國學院の殿地、帝京の細谷、順大の津田らは相当自信があるようですし、当日変更も予想される創価の三上、法政の清家、拓殖の石川らタイムを伸ばしている選手、3大駅伝で好走しており楽しみ。前回5区9位で走っている中央の畝ももちろん力のあるランナーです。5区に自信のある大学はここで大きなアドバンテージを得ることが出来ますよね。

~6区~

上位校が最も未知数なのが山下りとなるこの6区です。前回59分を切ったのは7人いますが、今回も出場するのは明治の前田のみ。4人は卒業、日大の宮崎、中央学院の武川はチームが出場出来ずです。当然、明治としてはここで一気に有利な状況に持ち込みたいところ。國學院の島崎、当日変更が予想される国士舘の曽根はともに一桁順位で前回走っており、さらに3大駅伝・予選会で好走とますます頼もしい存在となっています。


青学は下り候補と言われた高橋が順当、東海は川上、早稲田は北村がそのまま下るのかな?駒澤は当日変更で唐澤か白鳥といったルーキーに託すのか…どちらにしろ3大駅伝デビューとなる選手が走ることになりそうで、不安要素もあります。他にもルーキーのエントリーは多く、東洋はそのまま走るかわかりませんが九嶋、城西は野村、神奈川は宇津野がエントリーされています。宇津野以外にも拓殖は児玉と往路を走ってもおかしくない選手の6区起用も見られます。


創価は鈴木、法政は須藤と下り候補と言われ続けた選手が最初で最後の3大駅伝出場がありそうかなあ。こういった選手はなんとなく応援してしまいます。前回区間10位で走っている若林、当日変更があれば順大の清水ら区間中位で走っている経験者の走りも楽しみです。

~7区~

7区にエース級を残せるのが優勝を果たす大学でしたが、今回はそのような大学が無さそう。それだけ、戦力が拮抗しているということでしょうか。青学は全日本も走った近藤がさすがにそのままでしょう。駒澤も花尾がそのままなのか石川あたりと当日変更なのか…全日本で苦戦した選手の起用に不安は残ります。


東海は佐藤がそのままなのか本間あたりと当日変更もあるのか。早稲田も半澤の起用はちょっと考えづらく、宍倉あたりと変更かなあ。明治も小袖や櫛田、富田らの当日変更があり得るか。どこも7区で抜け出すエース級を残せる余裕が無さそうなんですよね。強いて言えば明治が小袖を残せるかくらい?前回も阿部が区間新を叩き出していますし。ここで3大駅伝のデビューや好走経験の無い選手が爆走するようなことがあれば、一気に抜け出すかもしれません。


7区は当日変更の可能性が多くて、ちょっと展開が読みづらいですね。順当であれば、東洋の蝦夷森は前回区間6位で走っており、計算できる選手です。拓殖は桐山とエース格の1人を7区に残したのは復路でいつも苦戦する状況からの脱却を目指してでしょうか。選手層の厚い順大は例えば石川や西澤を7区にも残せますし、中央も中澤が走ってもよし、千守の起用も可能で予選会校では抜けた戦力、シード争いに巻き込まれたとしても7区以降抜け出す力があります。

~8区~

ルーキーや10番手の選手が起用されることも多く、選手層が最も問われる区間とも言われます。ここで結果を残す大学が優勝争いを繰り広げると言っても過言ではないでしょう。ここに前回区間2位で走っている岩見を残せる青学は大きいですよね。相対的に最も大きな武器となるかも。東海は当日変更で濱地あたりが起用されるのかな。明治は全日本で好走した大保を8区に残せるのが選手層の厚さを物語ります。全日本の再現なるか。


早稲田は千明がエントリーされていますが、コンディションが不安…万全であれば区間賞も期待できる選手なのですが、ならば8区に起用されないだろうと…当日変更となれば一気に戦力ダウンとなってしまいます。駒澤は伊東が起用されており、徐々に結果を残せるようになってきていますが、最後の箱根でどんな走りを見せられるか大事になります。8区に伊東を残せるチームになったとも言えますし。


区間賞候補の1人としては、帝京も鳥飼を8区にまで残してきました。ここで大きな差をつけられる可能性はあります。東洋も全日本を走った腰塚を起用と楽しみ。8区は最も当日変更されることが多い区間としても知られ、当日変更が今年も多そうです。国士舘の清水悠や日体大の嶋野くらいかなあ、ほぼ確実に起用されそうなのは…ここで優勝争い、シード争いの行方が見えてくることも多いです。

~9区~

復路のエース区間と呼ばれていましたが、最近は往路重視に復路も7区が重視されていて、9区に選手を残すことは少なくなっています。それだけに、ここにエース級を残せれば大きい。青学はここに飯田や神林の起用があり得ますし、大きな武器となりそう。東海も全日本で区間賞を獲得した長田をここまで残しており、優勝へ向けての起用を感じます。


駒澤も全日本で結果を残した山野と主力の1人を起用、明治は誰が起用されてもおかしくないですが、このまま小澤が走るのか漆畑や富田らとの当日変更もあるのか、選手層の厚さを活かした起用となりそう。早稲田はここで山口あたりと当日変更の可能性が高いかな。優勝を狙うような大学は全日本で好走した選手を含め実力者を起用してきそうです。


國學院はここに河東を残すことができれば大きいですが果たして。創価は前回区間6位と好走している石津がおり、シード争いを考えても大きな武器となりそう。東洋も大澤や前田が9区まで残れば十分区間上位が狙えますね。順大は鈴木、中央は手島がそのまま起用されても良いですし、順大は原田や牧瀬、中央も三須や川崎らの起用もあり得ます。前回経験している日体大の野上は前回一歩届かず繰り上げスタートとなっただけに、期するものがあるでしょう。

~10区~

最上級生が任されることの多い10区、東海は米田、駒澤は神戸、明治は長倉と4年生を起用、神戸は好走経験がなく、米田、長倉は出場すれば最初で最後の3大駅伝となりますが、有終の美を飾ってくれれば。青学は中倉がそのまま出場もありますが、前回走っている湯原や新号あたりもあるかなあ。早稲田は室伏がこのまま起用されるのか…優勝候補としては、ここで順位変動がつく展開はさすがに無いと思いますが…区間賞はともかく、上位は優勝争いをするチームが占めることが多いです。


シード争いは10区までもつれてもおかしくありません。全日本で好走している増田を起用できる帝京はやはり強いです。國學院は木下がこのまま走るのか徳備など他の4年生の起用もあり得ます。東洋は清野がこのままなのかな?順大の吉岡、中央の加井を10区に残せる両校もやはり強いかな。創価はさすがに2年連続で嶋津を10区温存は難しいかな?区間新&区間賞の走りは衝撃的ですがその再現もみたいです。


10区まで優勝争い、シード争いをしている可能性を考えると、比較的チーム8~10番手が走ることが多い区間とはいえ誰を起用するかは悩ましいです。専修は主力の南美空翔、山梨学院は関東連合にも出場した渡邊と比較的中堅どころを起用している印象。大きなブレーキや問題などなく、最終10区まで優勝争い、シード争いが分からないハイレベルな争いを期待したいところです!!

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