第51回(2019)全日本大学結果考察 ~アンカー区間で逆転した東海が16年ぶり2度目の優勝~

全日本大学駅伝が本日行われました。出雲同様に最終区間まで優勝が分からないレース結果、そしてトップが毎区間入れ替わるような展開、さらに箱根予選から連戦だった大学の躍進など見どころ満載のレースとなりましたね。レース結果はこのようになっております。上位16校の走りを振り返ります。

優勝:東海大学

各大学ともに多かれ少なかれ誤算はあったように思えます。その中で誤算が最も少なかったのがこの東海大学だったのではないでしょうか?1区小松が3位と好スタート、4区区間賞の西田、6区区間賞の郡司の走りも素晴らしかったですし、7区松尾が区間8位も抜かれた後にズルズルと下がらず、むしろ一度抜き返した走りは大きかったですね。そして、なんと言ってもアンカーの名取でしょう。


いくら高校時代の実績抜群、今年度はハーフで好走連発と結果を残しているとはいえ、3大駅伝デビュー戦が、ほぼ同タイムでタスキを受け、最長区間のアンカー勝負というプレッシャーの中、57分台で区間2位の走りですからね。3区3位だった塩澤を含め、西田、名取と3年生トリオの活躍がチームを16年ぶり2度目の栄冠へと導きました。


鬼塚、館澤、關、阪口と実績豊富な4年生をズラッと欠いてこの結果…むしろ、この4人を外せるだけの選手層が東海における最大の武器なのでは。箱根でも優勝候補筆頭として臨むことになりそうです。

2位:青山学院大学

前評判はそこまで高くなかったと思うのですが、全大学中で唯一、全区間を1桁順位で走ったのが、この青学でした。1区湯原が7位、2区岸本が5位とこの1,2区は安定していますね。監督のいうとおり、箱根2区で岸本を見てみたいほどに…ただ、3区神林が9位、4区鈴木が7位と実績のある上級生が苦しみましたが…


出雲で最長区間を任された中村友が区間2位、7区の吉田圭も区間2位タイの走りでついにはトップに。アンカーの飯田は区間7位で東海にはついていけませんでしたが、最後は何とか2位を死守しました。7区吉田圭ももちろんですが、6区中村友の走りが非常に大きかったですね。7→3位と4つも順位を上げて、一気に優勝戦線にまで上げてきました。箱根に向けて希望の持てる結果となったのでは?

3位:駒澤大学

1区2位の大聖、2区5位の小林と出だしは好調だった駒澤ですが…3区で神戸が区間16位、4区の伊東も力を発揮出来ずに区間10位と続いてしまい、優勝争いから脱落してしまいました…出雲1区の山下、全日本1区の大聖とエース級を起用して区間順位こそ良いですが、結果として後ろと差を広げることが出来ず、無駄遣いになってしまう気が…一方で東洋が相澤を起用するなど他大学も重視していた3区でおそらく8番手の神戸と…戦略も、もう一歩噛み合っていなかったかなあ。


4区終了時で差を広げられたの10位だったときにはシード落ちさえあるかと思いましたが、6区加藤が区間4位でシード圏内の8位にまで押し上げると、7区のエース区間でルーキーの田澤が区間賞という圧巻の走り、出雲以上の衝撃を全日本で見せてくれました。恐るべきルーキーの走りで8→4位と4つ順位アップ。アンカーの山下も区間3位の走りで前を猛追、青学には5秒届かずも東洋を抜き、東国大の猛追を抑えて総合3位となりました。


4区終了時のことを考えれば、3位という結果は上出来すぎるほどでしたが、優勝も狙える戦力だっただけに、悔いの残る結果でもあったかなあ・・・

4位:東京国際大学

箱根予選会校からシードを獲得するのであれば、東国大が最有力候補とは思っていましたが、まさか4位にまで入ってくるとは思いませんでした。2区でエースの伊藤が13人抜きの区間賞でトップに浮上、強いのは知っていましたが、ここまで強いとは…國學院の浦野らをあっという間に抜き去ってしまう走りは圧巻でした。


その後も区間10位前後で粘り、真船が5区4位で走るなど総合7位以内をキープする走りさえできれば、アンカーにはムセンビが控えていましたからね。ここで57分14秒の区間賞で前を猛追、2人抜きの走りで初出場で初シードを4位という好順位で成し遂げました。箱根予選と連戦でこんな走りが出来るとなると…箱根では初シードを獲得しても何も驚きませんね。むしろ、どこまで上位戦線に絡んでくるのかが楽しみになるほどです。

5位:東洋大学

1区で復活を遂げた渡邉が区間6位と好スタート、全日本に間に合ってくれたのは箱根を見据えても大きいです。2区の大澤が区間12位と苦しんだだけに、3区相澤は最高のタイミングでしたね。1万m換算では27分台というような一人別格の走りで10人抜き、一気にトップへ浮上、区間2位に55秒もの差をつける驚異的な走りでした。



4区今西も区間2位とさすがの走りだったのですが…エース格の西山が区間11位に沈んでトップを明け渡すことに…西山はどうしても力を発揮できずにいますねえ。らしい走りが全く見られないのが心配です。。。6区のルーキー前田も区間9位と苦しみましたが…7区の定方が区間2位タイの走りで総合3位に浮上、トップとも25秒差にとどめ、希望を繋ぎました。


ただ、アンカーの宮下は区間8位、関東インカレハーフで活躍したとはいえ、最長区間の8区はまだ荷が重かったのかなあ。東洋も吉川が外れたり、なかなかベストメンバーで臨むことが出来ていませんね。大エースの相澤に今西、定方、復活した渡邉と4年生が元気な一方、3年生以下は全体的に苦しんでしまったのは来年度以降を見据えても箱根を見てもちょっと不安の残る結果に。

6位:早稲田大学

箱根予選で8位に沈んだときは、全日本でもシード争いに絡むことも難しいのでは?なんて思ってしまいまいましたが、しっかりと立て直してきたのがさすがは早稲田といったところかなあ。1区で期待のルーキー井川が16位と出遅れてしまったときにはどうなるかと思いましたが、2区4位の太田智がすぐに立て直し、箱根予選を回避した中谷が3区6位、千明が4区3位と好走連発で総合3位にまで浮上。その後も5区太田直が区間5位、6区のルーキー鈴木も区間6位と下級生がきっちりとその役目を果たしてくれました。


7区の新迫、8区の吉田も区間9位で粘り、総合6位で2年ぶりにシードを獲得したのは、箱根を見据えても大きいですね。箱根予選で不安の残る結果だっただけに、なおさら…箱根に向けてもより希望を持てる走りとなりました。

7位:國學院大學

1区で島崎が区間12位とやや出遅れるも2区浦野が区間2位の走りですぐに総合4位まで浮上したのは良かったですが…3区で藤木が区間12位と苦しんだのは誤算だったかなあ…その一方で4区4位の中西大、5区区間賞の青木、6区5位の中西唯と2人のルーキーを含めて好タイム連発だったのにはビックリしました。


しかし、7区の茂原がまさかの区間17位に沈んでしまったのは痛すぎました。。。ここで4→7位と3つ順位を落としてしまい、現実的な狙いはシード権ということに…出雲逆転の立役者である土方も8区5位にとどまり、総合7位となりました。出雲王者というプレッシャーもあったでしょうし、結果を残し続けるのは容易では無いですよね~


そんな中でルーキーの中西兄弟の活躍も目立ちましたし、収穫もあったレースだったのでは?箱根に向けては、往路優勝も現実的な目標のように思えます。選手層はまだ他の優勝候補に比べると薄いですが、箱根でも楽しみなチームです。

8位:帝京大学

島貫が1区を走れず、田村丈が区間18位、さらに2区の平田が区間17位と最悪のスタートとなってしまった帝京大学…しかし、それでも3区9位の小野寺、5区8位の橋本、6区8位の中村とコツコツと追い上げ、7区のエース区間で星が区間6位の走り、この走りが大きかったですね。総合9位で8位の順大とも24秒差ですからね。


アンカーの小森は区間11位もここはシードを取れるかどうかが全てですからね。順大を逆転し、さらに差をつけたときは決まったかと思いましたが、再び追いつかれたときには最後まで分からないギリギリの戦いでしたが、ラストで突き放し、最終的には8秒差の大接戦を制しました。ただ、遠藤も起用出来ませんでしたし、本来であればシード争いを繰り広げるチームでは無いのですが…箱根に向けてどこまで合わせてこれるかですね。

9位:順天堂大学

1区野口が区間4位と最高のスタート、ついに1区で好走する選手が出てきたのは大きいですね。2区の橋本も区間5位、そして3区の清水も区間5位と3連続で区間5位以内ですからね。野口も清水も3大駅伝でなかなか結果を残せなかった3年生ですが、ここで好走してくれたのは大きいです。さらに、4区の小畠が区間8位、5区で藤曲が区間2位、6区のルーキー西澤が区間3位で総合2位と6区までは完璧なレースだったのですが…


7区の澤藤がまさかまさかの区間21位に沈んでしまい、2→8位と6つ順位を落とし、あっという間にシード争いに巻き込まれてしまうことに。。。8区の鈴木は最後の最後まで粘ったのですが、あと一歩届かずに総合9位でシードを8秒差で逃したのは惜しかったですね。。。それでも、チームが掲げている総合力のアップは着実に成し遂げていますし、新戦力やこれまで苦戦していた選手が台頭してきたのは大きく、記録会の結果を駅伝でも見せられるようになりましたからね。箱根も俄然楽しみになってきました。

10位:中央学院大学

1区の城田が区間9位と上々のスタートを見せたのは良かったのですが…2区川村が15位、3区吉田が18位と2区間連続で15位以下になってしまったのが痛かったですね。。。3区終了時で総合17位まで下がってしまいました。4区高橋が区間5位、6区の有馬が区間7位、8区の石綿が区間6位で3区以降は順位を維持か上げるだけでしたからねえ。それだけに、前半が残念な結果になってしまいました。


最近の中央学院にしては、4年生が走るのが多かったですかねえ。台頭してきた長山や復活してきた有馬など、箱根に向けてはやはり4年生の走りが大事になってきますし、活躍に期待したいところですね。その一方で出雲、全日本と大きく崩れる区間があったのが痛すぎただけに…改善していきたいところですね~

11位:法政大学

1区の久納が区間13位、3大駅伝デビューということを考えるとまずまずかなあ。2区の鎌田も8位は上々ですよね。今後も主要区間を担っていって欲しい選手ですしね。ただ、3~7区はいずれも区間12位~16位ということで、いずれも総合順位は維持か下げるという状況…7区終了時では15位まで下げてしまいましたからね。やはり、佐藤、坪井というエース格を欠いたのは厳しく、復活してきた主力の岡原も区間16位と厳しかった。。。


しかし、8区を任されたエースの青木は58分38秒で区間4位とさすがの走り、苦しい状況でも常に力を発揮出来るのが凄いです。15→11位と4つ順位を上げ、10位とも8秒差まで詰めていますし、青木の存在は箱根においても引き続き切り札となりますよねえ。ただ、主力を複数欠いていることで出雲、全日本と上位争いが出来なかったこともまた事実、箱根では是非ともベストメンバーで臨んでほしいですよね。というか、佐藤も坪井も箱根で見れなかったら残念すぎる…

12位:立命館大学

3年連続でトップ15を独占していた関東ですが、やはり立命館が割って入ってきました。16位の拓殖と17位の関西学院大は5分45秒も離れており、いかに関東勢が抜けているか、そしてそこに立命館が唯一対抗しうる存在ということが分かります。1区の岡田が区間11位スタート、その後も一度2区高畑祐が区間9位で総合9位まで上げましたが…その後は区間11~13位くらいで推移することに…4区期待のルーキー山田も同じく区間11位でした。


そんな中、7区の吉岡が区間7位、エース区間で7位は凄いですね。総合でも13→10位まで上げています。ただ、アンカーの今井が区間15位で2つ順位を下げてしまったのは残念だったか…それでも、十分に存在感を示してくれましたし、関東勢以外では別格の強さという印象ですよね。

13位:城西大学

1区を任されたエースの荻久保が区間賞、たしかに1区を任された選手の中でもトップクラスの実力者ですが、箱根予選の翌週でこの走りはさすが…2区菊地は区間12位でしたが、3区の菅原が区間2位で総合2位、4区の松尾が区間5位で総合3位と素晴らしい走りを見せてくれましたね。来年度の主力となるであろう選手が2~5位と揃っています。


4区までは完璧なレースだった城西ですが、5区大里、6区西嶋が区間17位、田部が区間18位と3連続で区間17位以下と一気に崩れてしまったのが残念でした。。。なんでこのチームが箱根予選落ちしてしまうの?って途中までは思うほどでしたが、、、チームとしてはもう一歩噛み合わずという状況だったのかなあ。これで3大駅伝終了となる唯一の大学となってしまいましたが、十分に足跡を残してくれました。

14位:日本体育大学

1区の池田が区間8位と上々のスタートも2区の松尾が区間18位と一気に下がってしまうことに…その後も3区7位の中川、7区4位の山口など今回の前に本人おける3本柱はいずれも区間1桁、特に山口はエース区間で4位という素晴らしい走りを見せてくれたのですが…その一方で残る5区間は区間12位以下ということで、エースたちと経験の浅い選手たちの差が、大きくなってしまう結果となりました。


ただ日体大の場合、おそらく箱根予選に出場した大学の中で最も全日本においてメンバーを落としてきた大学なんですよねえ。箱根予選で好走した藤本、廻谷らを起用していませんし、岩室もいませんでしたからね。箱根ではまた全日本とガラッと違った結果も期待出来るチームだと思いますし、新戦力が今回の経験を活かし、ベストメンバーでの箱根を見たいです。

15位:明治大学

1区の小袖が一時はトップを走るなど区間5位と好スタートを切ったのは良かったのですが…2区の手嶋が区間16位…まあ、あそこまでの結果を箱根予選で残しているだけに、この連戦はさすがに厳しかったかなあ。2~6区はいずれも区間13~16位で6区終了時でも16位と続く主力どころもなかなか力を発揮出来ず。。。


そんな中、エース区間の7区で鈴木が区間5位で走ったのは頼もしい結果ですよねえ。まだ2年生ながらエースの風格漂う選手となっています。8区の三輪は最後ちょっとフラフラという感じで区間20位、総合14位とも2分5秒差をつけられました、苦しい全日本となってしまいましたね。箱根に向けてはエース阿部の復帰を筆頭に再び戦力を整えて臨んでほしいです。

16位:拓殖大学

1区の竹蓋は区間21位と苦しすぎるスタート…総合でも19位という位置ですからね。うーん、1区はさすがに荷が重かったか・・・しかし、2区のレメティキが区間3位で19→13位、3区赤崎が区間3位で13→6位とダブルエースがあっという間にシード圏内にまで順位を上げてきました。やはり、この二人は力が抜けていますよね。ルーキーのレメティキも早速駅伝で結果を残していますし。


一方で4区以降は区間14~19位以下といずれも見せ場を作れず…5区の吉原や7区の清水、8区の中井など持ちタイムや実績のある選手も揃って結果を残せなかったのは、ちょっと箱根に向けては不安要素かなあ。箱根の距離だと拓殖はきっちりと合わせてきてくれそうですが、選手層が前年度よりも薄くなっているのは事実なので、3年生以下のさらなる台頭に期待かなあ。

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