選手特集(19卒) 順天堂大学:塩尻 和也(シオジリ カズヤ)

2019年9月28日

実は、昨年度は4年生の個人特集は一切行っていないんですよね。それがだいぶ心残りだったのですが…1年越しで取り上げてしまいます(汗)また5~10人くらい出来れば良いかなあと…最初は順天堂大学の塩尻 和也ついて、中学~大学までの走りを振り返っていきます。

中学・高校時代

境北中学時代はいわゆるトップクラスの選手では無かったですね。全中や都道府県対抗に出場したりということもありませんでした。群馬の伊勢崎清明高校に進みますが、そもそも高校駅伝の県予選に出場する人数さえ揃わない状況です。そんな環境の中、塩尻は力をつけていきます。


チームとしてはもちろん都大路出場はありませんが、 高校県駅伝では3年時に1区区間賞、圧倒的な区間新記録をマークしたことでも注目されました。また、都道府県対抗には2,3年時に1区で出場、いずれも区間12位という走りでした。2年時はともかく、3年時はトップクラスの選手の1人でしたから、このタイムはもう一歩という結果でしたかねえ。最も、集団を引っ張る積極性はこの頃から健在でしたが…


トラックでは、3年の国体5000mに出場し、14分5秒で6位入賞を果たしています。そして、何と言っても3000m障害ですよね~8分45秒という当時日本高校歴代2位のタイムを有しており、インターハイでは8分53秒で優勝、日本選手権にも出場し、高校生ながら7位入賞を果たしています。世代トップでは無かったかもしれませんが、その実績はやはり高校時代から抜群です。

大学1年

故障明けだった全日本予選ではいきなり1組3位と好走、その片鱗を早くも見せることに。すると、箱根予選ではルーキーながら59分38秒で全体8位、チームトップタイムで走ってしまったのにはびっくりしました。


駅伝シーズン、日本インカレでは3000m障害で8分42秒の好タイムをマークして1年ながら優勝、全日本ではエース区間の2区を任されて4位と好走、学連記録会では1万mで28分32秒というタイムを叩き出しています。


箱根ではいきなりエース区間の2区に抜擢されて68分30秒で区間5位とこちらも好走、1年目から記録会だろうが勝負レースだろうが外すことの無いのが凄まじかったですよね。都道府県対抗にも早速出場し、3区13位で走っています。

大学2年

関東インカレでは、1万mに出場して28分42秒をマークして3位と表彰台に上がる走り、3000m障害では決勝で8分37秒を叩き出し、好タイムで優勝を果たしています。ルーキーイヤーからずば抜けた走りを見せていましたが、この時期には既に大学トップクラスのランナーの1人として名を連ねることに。


日本選手権には3000m障害で出場して優勝にわずか0.06秒及ばなかったものの8分36秒で2位、その後タイムで認められ、リオオリンピック出場を果たすこととなりました。長距離選手が大学2年にしてオリンピック出場を果たすのは容易では無いですよね…


トラックシーズンで驚異的な活躍を見せました。その一方で、全日本予選では最終組を任されるも4組14位止まり、連戦が厳しかったのからしくない走りでチームも全日本出場を逃す結果となってしまいました。


日本インカレでは3000m障害に出場、8分38秒をマークして優勝、2連覇を達成しています。出雲ではエース区間の3区を任され、6→4位と2つ順位を上げたものの区間賞には1秒及ばずに区間2位という結果でした。


箱根では2年連続で2区を任されてこれまた1年前と同じ区間5位という走り、15→7位と8つ順位を上げ、チームの4位という好結果に貢献しました。都道府県対抗にも2年連続で出場、7区16位という結果でした。他の素晴らしい走りに比べると都道府県対抗だけはもう一歩という感じでしたが、1年を通しては素晴らしい走りを続けていますよね~

大学3年

いきなり5千で13分33秒を叩き出し、大学ベストとなるタイムをマーク、3年目も好スタートを切りました。関東インカレでは、5千こそラストの争いに敗れ、13分47秒の4位と表彰台は逃す結果となりましたが、1万mでは28分35秒で3位&日本人トップ、2年連続の表彰台となりました。


前年度は苦戦した全日本予選では、28分35秒をマークして組4位、チームの2年ぶりの全日本予選出場に大きく貢献しました。日本インカレでは、2年連続で1万mと3000m障害に出場、1万では28分47秒で4位、3000m障害では8分34秒で3連覇を達成しています。3000m障害での圧倒的な強さだけではなく、他の種目でも出るたびに好結果を残し続けているのが凄まじい…


出雲では、3区で区間賞を獲得、常にエース区間を任され続けたこともありますが、これが3大駅伝では初の区間賞となりました。総合順位を14→8位と6つ押し上げ、チームの4位に大きく貢献しています。全日本では2区を任されますが、1区終了時で22位という苦しすぎる位置での襷リレーに…それでも区間3位の走りで22→12位と10も順位を上げています。


八王子LDに出場すると、27分47秒と大学ベストとなるタイムをマーク、27分台ランナーとなりました。しかし、箱根では3年連続の2区を任されるもまさかの区間10位、9度の3大駅伝で区間6位以下はこの走りのみ、3大駅伝で唯一と言って良い失敗レースとなってしまい、チームも11位でシード落ちとなってしまいました。都道府県対抗では3区を任されて区間2位、これまで苦戦していた都道府県対抗ではついに好結果を残すこととなりました。

大学4年

4月には5千で13分39秒とセカンドベストとなるタイムをマーク、2年連続で5千で好走を見せています。関東インカレでは、5千mで13分52秒をマークして2位、1万mでは28分26秒で3位とダブル表彰台、どちらも日本人トップ、5千は3位に11秒差、1万は4位に28秒差と別格の走りを見せました。日本人トップというよりは、留学生と優勝を争う選手という位置づけでしたよね。


日本選手権3000m障害では、8分29秒という自己ベストをマークしての初優勝、2年前にわずかに届かなかった栄冠を達成しました。全日本予選では最終組を任されて29分15秒で3位、チームの全日本出場に貢献しました。これだけ、トラックに出場してことごとく結果を出す強さですよね。チームにとってどれほどに頼もしい存在であることか。


日本インカレでは、3000m障害に出場し、8分31秒の大会記録をマークして優勝、見事に4連覇を飾っています。日本選手権も優勝していますし、もちろん優勝しても当然という実力者ではありますが、それでも4連覇というのは凄いですよね。1年時から4年時まで1度も負けずに卒業するのですから。。。


箱根予選では、万全では無い状況の中、61分22秒という驚異的なタイムで全体2位という圧倒的な走りを見せました。全日本では4区を任されると区間賞を獲得、13→4位と9つも順位を上げています。苦しい位置で襷をもらうと力を発揮出来ない選手も多いですが…塩尻はやはり別格ですよね。


最後の箱根では4年連続でエース区間の2区を任されることに。1区19位とまたしても苦しい位置で襷を受け取ることに。9度3大駅伝に出場、1区は一度も無い塩尻ですが…総合5位以内で襷をもらったのが0回、1桁順位でもらったのもわずかに1回だけなんですよね。ここで66分45秒で区間2位日本本人歴代トップタイムを叩き出して19→9位と10も順位を上げ、チームの8位&2年ぶりのシード獲得に大きく貢献しました。


箱根では苦しむこともありましたが、最後に3大駅伝で大学ベストと呼ぶにふさわしい走りを見せてくれました。都道府県対抗にも大学では4年連続出場、高校も合わせると6年連続の出場で3区で区間賞を獲得、実業団相手にも負けない強さを見せています。


実業団は富士通に進みましたが、既に実業団でもトップクラスの実力を有しているだけに、驚異的だった大学時代をさらに上回るような活躍を見せてほしいものです~

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