2018年度 高校生特集 ~井川 龍人(イガワ リュウト)~

続いては九州学院の井川について高校時代の走りを振り返ってみます。進学先は早稲田大学となります。2年時から勝負レースではトラック・ロードを問わず圧倒的な走りを披露、日本人高校生No.1ランナーと呼ぶに相応しい実績を残し続けてきました。

 

佐敷中学時代、全中では8分56秒で予選落ち、ジュニアオリンピックでは8分42秒で予選を通過し、決勝に進出したものの18人中16位という結果に終わっています。都道府県対抗では2年時が6区21位、3年時が6区5位ということで中学の有力選手は2区に起用されることから考えても、井川も中学でトップクラスのランナーだったとは言い難いですね。

 

しかし、九州学院に進むとすぐに頭角を現し、国体3000mでは8分27秒で予選を通過すると、決勝では8分20秒をマークして3位、この学年では2位となる見事な走りを見せています。都大路では1年ながら優勝候補の一角であったチームにおいて3区に抜擢されましたが、区間18位と苦しい走りとなってしまいました。それでも、1年生であることを考えれば十分なのですが…

 

高2のインターハイ5000mでは14分26秒の4位で予選を通過すると、決勝では14分ジャストを叩き出しての6位入賞、日本人2位という驚異的な走りを見せました。このタイムが結果的に高校ベストというのが凄いですよね。好条件の記録会ならば、どれだけタイムを出せるのかという期待も膨らみます。国体5000mでは3位と表彰台に上る走り、上にはインターハイ同様に留学生と中谷しかいませんから、その走りの凄さが分かります。

 

都大路では1区を任されると、区間2位とロードでもその強さは驚異的、都道府県対抗では2年にして1区区間賞を獲得してしまうという…高校生のトラック2大レースであるインターハイ、国体、ロードの2大レースである都大路、都道府県対抗において、後れを取ったのは留学生と奇しくも大学で先輩となる中谷だけなんですよね。2年生ながら、圧倒的な強さを見せつけることとなった1年間でした。

 

3年時、インターハイ5000mでは14分26秒の2位で予選を通過すると決勝では14分17秒で5位、日本人トップの走りで前回の6位をさらに上回っての2年連続入賞を果たしました。国体5000mでも14分4秒で2位、日本人トップの走りを見せ、2年連続表彰台に上る快挙を達成、日本人高校生には敵なしの状態が続いていました。

 

そして迎えた都大路、2年連続の1区を任されましたがここでは区間4位…決して悪くは無いですが、圧倒的な強さを誇ってきた井川からすれば、やや物足りない走りとなったしまったんですよね。さらに、都道府県対抗は欠場となってしまったことで、最後の駅伝シーズンは消化不良のまま終わってしまいました。ただ、日本クロカンではトップと7秒差の3位ときっちりと結果を残して終えられたのは良かったですね。

 

早稲田大学では既に5千の持ちタイムは5番手、昨年度ルーキーながら3大駅伝全てで好走した中谷のような走りを井川にも期待せずにはいられません。今年度の早稲田は3大駅伝全てにおいてここ10年におけるワースト順位となってしまいましたし、その立て直しを図るチームにおいて、中心的な役割を果たしてほしいものです!!