第95回(2019年)箱根駅伝 1区の振り返り&気になり ~区間賞:西山(東洋)~

箱根駅伝が終わった喪失感はいつも通りではありますが…今回は例年以上にハイレベルかつ面白い箱根駅伝だったこともあって、まだちょっと興奮が冷めやらぬ状態でもあります。今日からは、各区間ごとの走りを振り返っていきます。1区結果はこのようになっております。

 

1区への選手起用は大きく分けると3パターンありますよね。エース格を起用してきて、遅れることを確実に回避しつつ、ライバル校に差をつけようとする大學、エースとはいかないまでも、主力や1区を得意としている選手を起用してくる大學、1区を凌ぐ区間と割り切って、主力を起用してこない大學。

 

1区での出遅れは致命的ですが、エースを起用してスローペースになった場合、エースの無駄遣いにもなってしまうだけに、難しい区間でもあります。今回は優勝候補と言われる大学もエース格の1人を起用してきますし、東国大のタイタスなど留学生もいましたのでハイペースになるかと思いましたが…

 

有力選手が集まりすぎると、けん制することもありますが、今回はまさにその展開でしたね。しかし、その前に始まったわずか1分足らずで大東大の新井が転倒して足を痛めてしまうことに…結果的に骨折はしていなかったということでしたが、よくぞその状態で21kmも走りきりましたよね…結果として区間21位とも4分42秒差の最下位、本当に残念なアクシデントとなってしまいました。

 

一時は東国大のタイタスが集団から抜け出したりもしましたが、結局的に早い段階で追いつかれたのも痛かったですね。結果的に無駄に力を使ってしまうことに…そんな中、集団から抜け出そうとスパートをかけたのはまたも東洋の西山、出雲・全日本はらしくない走りで心配しましたが、箱根にはしっかりと合わせてきてくれました。タイム差こそ15位とも47秒差とそれほどでもありませんでしたが、2年連続の区間賞と素晴らしい走りでした。

 

そんな西山に喰らいついたのが、中央の中山、エースを1区に起用したのは大正解でしたね。1秒差の2位で食らいつく、理想的な走りでした。本当に準部員からの選手が、ここまでのトップクラスに成長するとは…凄まじいですね。3位に優勝候補筆頭、青学の橋詰が6秒差で続き、上々の走り、まずは遅れなければ問題無い状況でしたからね。

 

早稲田のスーパールーキー中谷も区間4位と上々の走り、3大駅伝全てに出場し、区間4位以内という素晴らしい走り、来年度にはもう早稲田のエースとなっているかもしれませんね。区間5位に法政の佐藤、箱根6区のスペシャリストは平地でも強かったですね。勝負レースで結果を残し続ける佐藤、どの区間でも安心して任せられる頼りになる選手です。

 

同タイムの6位で東海の鬼塚、結果として3強はわずか8秒以内でのタスキ渡しとなりました。鬼塚も出雲は出場さえ出来なかった状態から、しっかりと箱根に合わせてきてくれたのが頼もしい限り。7位に駒澤の片西、西山のスパートについていけずに遅れてしまってからの粘りが素晴らしかったですね。しかし、まさかの2区山下がおらず、10秒ほどロスする悲劇だったのですが…

 

タイタスは8位、あれだけ仕掛けた結果、15秒差の8位ならばまずまずですかね。ただ、留学生を起用した割には、思ったよりもタイム差がつかなかったかなあ。9位に国士舘の住吉、この走りは大きかったですね。2区に留学生のヴィンセントがおり、前が見えるいい位置での襷リレーとなりました。

 

10位に國學院の藤木、この走りがチームにとって非常に大きかったですね。エース格を1区に起用しないと苦しいかと思っていたのですが、ルーキーの藤木がその大役を見事に果たしました。11位に帝京の竹下、全日本での1区快走からすれば、もう少し上位で襷リレーと行きたいところでしたが、トップと34秒差ならば最低限の走りは見せられたかなあ。

 

12位に日体大の池田、出雲・全日本と1区で苦戦し続けたことを考えると、この位置での襷リレーはまずまずですかね。13位に明治の鈴木、トップと35秒差であることやルーキーであることを考えるとこちらも上出来の走り、しっかりとスターターの役割を果たしました。

 

14位に中央学院の川村、箱根デビュー戦とはいえ、出雲1区での快走を考えると、もう一歩だったかなあ。来年度はエースとして君臨してほしい選手ですし。15位だったのが神奈川の山藤、こちらもエースを起用してこの順位は物足りないですよねえ。8度目の3大駅伝出場で過去ワースト順位となってしまいました。。。

 

16位に城西の鈴木、出雲・全日本と好走してきた鈴木ですが、箱根1区は苦しい走りに。。。今回、荻久保を起用出来なかったしわ寄せが、ここに来てしまったかなあ。17位に日大の横山、こちらも全日本の1区で好走した選手なだけに、箱根でも期待していたのですが…ここで出遅れてしまったのは、ワンブィが巻き返すだけになってしまい、厳しかったですね。

 

18位に拓殖の赤崎、こちらも拓殖の主力の1人であり、勝負レースでは安定した走りを見せ続けてきたのですが・・・今回は崩れてしまいましたね。19位に順大の澤藤、今回は野口、難波といった主力を起用出来なかったこともあり、凌ぐ区間となってしまった印象の1区でしたが…やはり厳しかったですね。結局は最後まで、塩尻に良い位置でタスキを渡すことは出来ませんでした…

 

20位に上武の齋藤、前とも1分30秒近く離れている苦しい位置での襷リレーとなってしまいました。持ちタイムを着実に伸ばしているとはいえ、ハーフの実績は無く、3大駅伝のエントリー自体が初めてでいきなりの1区抜擢はさすがに厳しかったかなあ。

 

21位に山梨学院の清水、中距離から着実に距離を伸ばしてきて、ついにはハーフを走れるまでになり、主力へと成長を遂げた清水ですが、トラックとは違う1区の駆け引きはなかなかに難しかったかなあ。エースのニャイロを欠く中、苦しいスタートとなってしまいました。22位相当で東大の近藤が走っていますね。前回はインフルで走るチャンスを逃してしまっており、4年目にしてついに掴んだ箱根の舞台、結果としてはトップと4分30秒以上離されてしまい、ほろ苦い走りになってしまいました。

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