区間記録を振り返る ~箱根駅伝10区~

最後は鶴見中継所から大手町までの23.1km,勝負を決する最終区間の10区について、区間記録を振り返っていきます。10区は距離が23.1kmと長くなったこともあり、なかなか起用する選手も難しいところです。10区では、勝負が決まっていることも多いため、主力は使いにくいですが、かといって23kmの区間にルーキーやスタミナの無い選手を起用するのは不安が残ります。結果として、スタミナ型の上級生が起用されることが多くなっていますね。区間歴代トップ5は以下のとおりです。

 

 

1 1時間08分59秒 松瀬元太 順天堂大 4年 2007年
2 1時間09分05秒 山田紘之 日本体育大 4年 2005年
3 1時間09分08秒 大津顕杜 東洋大 4年 2014年
4 1時間09分36秒 山本憲二 東洋大 3年 2011年
5 1時間09分40秒 高岡弘 早稲田大 3年 2005年

 

 

区間記録保持者は順大の松瀬、唯一68分台で走っています。松瀬はいわゆる今井世代で主力の1人ですが、今井を始め4年生の戦力が充実していたため、松瀬をアンカーに回す余裕が合ったんですよねー。さらに、チームも今井の区間新の快走で往路優勝を果たしても、復路でもどんどん差を広げ、9区長門の区間賞、そしてこの10区松瀬の区間新の走りで区間2位に6分以上もの大差をつける圧勝での優勝を飾りました。なかなか主力クラスが走ることが少ないこの10区なだけに、決して記録自体はずば抜けたものではありませんが、案外更新されないかもしれません。

 

 

区間歴代2位は日体大の山田が2005年にマークしています。この年の日体大は鷲見、保科といった強力な2年生に、スーパールーキーの北村が入り、戦力が充実し始めていた頃ですねえ。一度も総合6位以下には落ちない安定したレースを進めると、アンカーの山田が区間新の快走で駒澤を猛追しますが、総合順位を4位→2位に上げてのフィニッシュとなりました。今思えば、山田10区は意外だった気もしますが・・・やはり、10区はちょっともったいないかもと思えるくらいの選手でないと、10区で区間記録を出すのは難しいですかねー。

 

区間歴代3位は東洋の大津が前回の箱根で記録しています。区間記録に後9秒にまで迫る見事な走りでMVPまで獲得しましたからね!2年時の箱根8区と並んでの快走で東洋の歴代2位での総合優勝に貢献しました。8区ではなく、10区に回った時にはどうしたのかな?と思いましたが、さすがの走りでしたねー。トップ独走にも関わらず、ハイペースで最初から最後まで推していけるのは見事です。卒業後はトヨタ自動車九州へ進んでいます。高卒の選手が多いですが、大エースの今井を中心に2年連続でNYは2位、悲願の優勝を狙うチームで大津の堅実な走りは頼りになりそうです。実業団でも是非とも活躍して欲しいです。

 

 

区間歴代4位は同じく東洋の山本が2011年に記録しています。この年は3冠を目指す早稲田と3連覇を目指す東洋が激突し、8区からの3連続区間賞で東洋が早稲田を猛追しますが、わずか19秒届かずに東洋は3連覇を逃してしまいました。もう前に見えていたのに、わずかに届かなかった山本にとったは悔しい走りでしたが、このタイムで走って負けたらしょうがないという気もしてしまいます。柏原世代の一人ですが、その中で最も活躍しているのがこの山本ということになりますかねー。1万mでは日本選手権の標準を突破して出場していますし、実業団でも着実に成長している印象です。ちょっとここ最近の東洋OBは元気が無いだけに、山本にはさらなる成長・活躍を期待したいです!!

 

区間歴代5位は早稲田の高岡が2005年に記録しています。当時の区間新ではありましたが、区間賞は日体大の山田が獲得していますので、区間2位ということになります。ちょうど竹澤が入学する前年でまだ早稲田が強豪に戻ろうとする頃でしたが、シードまでわずか22秒届かずに総合11位に終わり、区間記録を出したにも関わらず謝りながらゴール姿が印象的でした。区間記録で届かなければしょうがないですよね。。。

 

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