区間記録を振り返る ~箱根駅伝9区~

続いては、戸塚中継所から鶴見中継所までの23.2km,復路のエース区間と言われる9区について区間記録を振り返っていきます。往路に戦力を注ぎ込んでくる大学が多いですが、優勝争いやシード権争いを見据えると、復路も9区くらいは力のある選手を置いておきたいというチーム事情があるかと思います。前回の東洋こそ、4本柱を全て往路に注ぎ込みましたが、駒澤は窪田を、日体大は矢野を9区に残しています。ただ、今の傾向が続くようであれば9区の重要度は減っていくかもしれませんねえ。優勝争いも9区までもつれることは少なくなっていますし・・・シード争いをする大学は、往路での出遅れを防ぐためにも、9区に有力選手を残しておく余裕は無いので。。。区間歴代トップ5は以下のとおりです。

 

 

1位 1時間08分01秒 篠藤淳 中央学院大 4年 2008年
2位 1時間08分29秒 矢野圭吾 日本体育大 4年 2014年
3位 1時間08分38秒 塩川雄也 駒澤大 4年 2005年
4位 1時間08分56秒 窪田忍 駒澤大 4年 2014年
5位 1時間09分00秒 西田隆維 駒澤大 4年 2000年

 

 

区間記録保持者は中央学院大の篠藤が4年時に記録しています。当時の区間記録を37秒も更新する会心の走りで、チーム順位も6位→3位と順位を上げてそのまま3位でフィニッシュ、中央学院大の歴代最高順位に大きく貢献しました。篠藤と言えば、学生時代から3000m障害でずば抜けた存在であり、大学時代に日本選手権で優勝までしていますからねえ。しかし、駅伝ではこの最後の箱根まで区間3位以内に入ったことはなく、この箱根9区での実績がずば抜けていますね!!優勝争いの陰であまりTVに映らなかったのが残念でしたが・・・その後も3000m障害を中心に活躍を続け、2014年度は日本選手権を再度制覇しています!!

 

区間歴代2位は日体大の矢野が前回の箱根で記録しています。2ヶ月前の全日本では7区まで3位だったにも関わらず、8区矢野のブレーキでシード落ちをしていただけに、この箱根にかける思いは大きかったでしょうが、駒澤の窪田を上回り、さらに歴代2位のタイムまで出すとは思いませんでしたねー。この走りが2分以上前を走っていた3位早稲田との差を一気に縮め、結果としてチームも3位に入り、全日本出場権を獲得することになるわけですから、これ以上ないかたちで借りを返す走りとなりました!!箱根のスター選手が集まる日清食品グループに進みましたが、矢野なら十分にNY駅伝に出るチャンスはあるでしょうし、駅伝でも個人でも活躍していって欲しいです。

 

 

区間歴代3位は駒澤の塩川が4年時にマークしています。塩川はちょうど駒澤4連覇の黄金期を支えた選手であり、1年~4年までいずれも箱根に出場し、いずれも優勝するという快挙を達成しています。この当時の区間記録は、8区まで熾烈な優勝争いを繰り広げていた勝負の決着をつける快走でした。同学年でともに4年連続箱根を走った田中とともに、駒澤の黄金期を象徴する選手の1人でした。優勝争いが9区までもつれていると、この9区に力のある選手をおけるチームというのがやはり強いですよねー。

 

区間歴代4位は駒澤の窪田が前回の箱根で記録しています。往路を終えた時点では十分に優勝も狙えるかと思っていましたが、結局は東洋に3区間で区間賞を取られ、窪田にタスキが渡った時点では絶望的な差に・・・結局、前を行く東洋との差を30秒弱しか縮めることが出来ず、区間賞も矢野に奪われるという悔しい結果になってしまいました。出雲で1度、全日本では3度優勝を経験し、そのいずれも窪田が優勝のゴールテープを切っていますが、結局箱根の優勝にだけは手が届きませんでしたね。。。卒業後はTOYOTAに進み、日本選手権でも入賞するなど結果を残していますが、本人もマラソンで勝負したいと言っていますし、初マラソンは悔しい思いをしているだけに、マラソンで好走する姿を見せて欲しいです!!

 

区間歴代5位は駒澤の西田が4年時に記録しています。区間歴代トップ5はいずれも4年生の時に記録されたものですねー。やはり、スタミナのある上級生が起用される区間ということでしょう。また、3~7位がいずれも駒澤となっており(6位は島村、7位は堺)、駒澤がいかに9区を重視しているかが分かります。西田がこの区間記録を出した年が、駒澤が初めて箱根で優勝を果たした年ということになりますねー。藤田の1年後輩にあたり、ま優勝候補となっていく駒澤を支えた選手の1人でした。

 

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