初心者向け特集 ~箱根駅伝予選会の紹介~
駅伝にあまり詳しくない人でも、箱根駅伝だけは見たことがあるという人は多いかと思います。その箱根駅伝への出場権をかけた争いである、箱根予選会が10月に行われます。箱根本戦で10位以内に入ると、翌年度の箱根出場権(シード権)が与えられるため、箱根本戦で11位以下だった大学+箱根予選を突破できなかった大学が出場してくることになります。といっても、全ての大学が出場できるわけではありません。箱根駅伝は関東学連が主催する大会のため、関東学連に所属する大学のみ出場可能で他地域の大学は予選に出場することさえ出来ません。このことが、関東と関東以外の戦力格差を大きくする1番の要因となり、問題視もされています。
もう一つ、5000m16分30秒以内または1万mで34分以内の記録(標準記録)を持っている選手しか箱根予選会には出場することが出来ません。箱根予選会には最低10人の参加が必要のため、この条件を10人以上クリアしていないと、箱根予選会に出場することは出来ません。タイムを出す期限となる10月1日までの3週間は、日体大記録会などでチームの実力者が標準タイム付近でペースメーカーを務め、何とか10人を突破しようとする大学も見られます。
箱根予選会は立川で行われ、20kmを予選会に出場する選手が一斉に走ります。500人以上の選手が一斉に走りだすので、スタートはかなりの混雑に見舞われることになります。箱根予選会には最低で10人、最大で14人がエントリーされ、実際に走るのは12人までが上限となります。そして、上位10人の合計タイムで争われ、2014年度の場合は10大学が本戦に進むことが出来ます。2013年度は90回の記念大会ということで13大学が出場することが出来ましたので、今回は3枠減ることとなります。
タスキを繋ぐ駅伝とは違い、箱根予選会は一斉スタートですから、箱根予選会独特の戦術である集団走を行う大学も多く見られます。これは、1人でペースを作れる実力者がペースメーカーとなり、同大学の他の選手がそのペースメーカーの後に何人も付いていくことにより、全体として合計タイムを上げようというものです。自分でペースを作るよりも誰かの後を付いていって方が基本的には走りやすいため、結果としてやや力の劣る選手も好タイムを出せるということが多々あります。チームのエース格はフリーで走らせ、1秒でもタイムを稼いでもらう役割を果たしてもらう、そして中堅どころはその中でもリーダー格がペースメーカーを務め、他の選手はそれに付いていくというのがよくあるパターンですね。合計順位ではなく、合計タイムで本戦出場が決まるため、稼げる選手はどんどん稼いでもらい、10番手前後の選手も出来る限り集団に付いてロスを抑える作戦が有効になります。チーム内の戦力差が大きい場合には、フリー+集団走を2つに分けて、それぞれ力にあったペースで走らせるという大学もあります。
しかし、集団走は箱根予選では通じても、集団走になりにくい大学駅伝の本戦では通用しないという見方もあります。実際に、予選会を集団走で上位通過した大学が、本戦では出遅れて単独走となり、そのまま下位に低迷するということも良くありますからね。集団そうでは箱根では通用しないという考えの監督は、箱根予選でも全員をフリーで走らせることもあります。しかし、それで予選落ちをしてしまっては目も当てられないため、難しいところですね。。。
本戦出場の目安としては、気象条件によっても大きく異なるため一概には言えませんが、好条件であれば10人の合計タイムが10時間10分台、条件が悪くても10時間15分台では走っておきたいところですね。10時間10分というと、1人平均61分、10時間15分ならば61分30秒ということになります。エース格は60分を切ってきますが、62分台の選手が複数出てくると通過に向けて厳しくなってきますねえ・・・順位としては、如何に100位以内の選手を増やすかが重要になってきます。10人が100位以内で走ってくれれば予選落ちすることはまずあり得ません。2013年度の箱根予選会で10人が100位以内はわずかに3大学しかありませんし、その困難さが分かりますねえ。エースクラスが稼いだ貯金を10番手の選手が一気に吐き出してしまうということもよくあるため、いかに8~10番手の選手が遅れずに走れるかというのも大事になってきます。もちろん、大学を代表する選手のトップ争いも非常に見どころがあります!!
箱根予選会を見ることで、箱根もさらに楽しむことが出来るので、是非とも見て欲しいです。ただ、昨年も今年も地上波では主に関東しかTV放送しないんですよね。。。リアルタイムで放送してくれるようになったのは嬉しいですが、箱根駅伝のファンは全国にいますし、全国放送して欲しいのですが・・・
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