監督特集 ~東海大学 両角速~

続いては、佐久長聖の監督時代に数々の実績を残し、都大路での優勝も経験し、満を持して東海大学の監督となった両角監督について・・・高校時代には様々な実績を残していますが、大学時代の実績は物足りないというのが正直な感想ですね。スカウトはシード校と勝るとも劣らない有力選手を獲得できているのにも関わらず、未だにシード権を獲得出来ておらず、村澤、早川4年時には40年間続いた東海大学の箱根連続出場記録を途絶えさせてしまいました。。。

 

選手時代

高校時代にはインターハイに出場、東海大学でも1年時から4年連続で箱根を走っています。3区9位→3区7位→1区7位→2区9位という結果を残しています。好走もブレーキもなかったという感じなのかなあ・・・その後は日産、ダイエーで実業団選手として活躍をしました。

 

高校監督時代

当時は部員数が2人という状況から、1995年に長野県佐久長聖高校の監督を任せられます。名監督となる選手には名選手との出会いが必要かと思いますが、両角監督も佐藤清治という日本の歴代高校生を見ても最強と呼ばれる選手との出会いを果たします。チームもあっという間に都大路を突破すると、佐藤清治3年時には優勝候補の一角にも名前をあげられるようになりますが、佐藤清治が万全ではなかったこともあって7区に回ることになり、3位と優勝には届きませんでした。その後も、入賞常連校となり、上野裕一郎、佐藤悠基といったその後の陸上長距離界をリードしていく選手を育て上げていきます。特に佐藤悠基は現在も日本選手権1万mで4連覇を達成するなど、名実ともに日本No.1ランナーとして君臨しています。

 

その二人が同時に在籍していた2年間は、選手層の薄さに苦しんだこともあり、入賞こそ続けていたものの、優勝にはどうしても手が届きませんでした。ようやくその優勝に手が届きそうになるのは2007年、村澤世代が2年生の時です。2年生が主力のチームではありましたが、最後まで優勝争いを繰り広げ、秒差無し、2時間3分55秒で優勝を逃すという悔しさを味わいます。十分に優勝を狙えるチームだっただけに、この2位は悔しかったでしょうね・・・その悔しさが翌年とんでもないチームを生み出すことになります。7人の平均持ちタイムは14分一桁、最弱区間と呼ばれる5区に14分1桁の藤井をおき、7区に2年生にして13分台を持つ大迫を配置出来る選手層の厚さ、村澤という絶対的エースの存在、これで勝てなかったらいつ勝てるんだという最強の布陣でした。3区村澤という一見奇策にも見えるオーダーを組み、佐々木健太を怪我で欠きましたが、それでも3区村澤が日本人歴代最速で走ると、5区以降3連続区間賞で2位以下を寄せ付けず、2時間2分18秒は日本人だけのチームとしては歴代最速、日本人だけのチームではまず破られることは無いであろう最強チームを築き上げました。

 

大学監督時代

高校時代の輝かしい実績を引っ提げ、母校である東海大学の監督となった両角監督ですが、大学では順風満帆とはいきませんでした。前年度は全日本・箱根でシード権を獲得しており、3大駅伝出場が既に保証されている状況、さらに3年生には大学最強ランナーの一人村澤がいるという他の大学の監督から見ても恵まれたチームを率いることになったにも関わらず、出雲4位、全日本7位で後1歩でシード権を獲得することは出来ず、箱根でも村澤が万全ではなく、早川が実力を発揮出来なかったこともあり、12位でシード権を逃すという結果となってしまいました。

 

さらに悲惨だったのが翌年、村澤、早川が4年時です。全日本こそ村澤、早川をあえて出場させないというオーダーを組んだにも関わらず、最終組で中川が28分台の激走を見せたこともあり、見事に予選突破を果たしました。しかし、箱根予選ではエース村澤が出場できず、他にも怪我人を抱えたチームは箱根予選を突破することが出来ず、40年連続で続いて箱根連続出場が途切れることとなりました。さらに、全日本は区間一桁が2区間しかない大惨敗で総合12位、関東最下位という憂き目にあいます。故障者が非常に多いこともあり、両角監督の大学での評価は芳しくなく、佐久長聖が一気に没落したこともあり、あのまま佐久長聖高校の監督を続けていれば良かったのにと言われることに・・・

 

それでも、徐々にチーム状況は改善していくことになります。スカウトは箱根出場を逃したにも関わらず、現2年では土屋、石橋、廣田などそうそうたるメンバーが加入し、現1年も川端、春日など有力選手を確保しています。すると、ようやく大学駅伝での指導も板についてきたのか、2013年度の箱根予選は3位で予選突破を果たし、本戦はまたしても故障者が多発して13位とシード権こそ逃しますが、まだ若いチームなだけに今後を期待させるチームとなりました。今年度も全日本予選を3位通過、またしても故障者が複数いる状況でしたが、それでも予選を上位で突破したのは、選手層が厚くなってきた証拠でしょう。真価が問われるのはこれからといったところですね。再び東海大学を優勝争いをするチームへと導いてけるのか、両角監督の手腕が問われるところです。

 

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