第35回出雲駅伝(2023年)戦力分析&区間配置予想 ~青山学院大学~

昨日、出雲のチームエントリーが締め切られました。公式のエントリー発表はいつも遅いのですが、大学独自で発表している大学がいくつかあります。まずは青山学院大学の出雲駅伝における戦力分析と区間配置予想を行っていきます。過去5年成績、エントリー一覧はこのようになっております。2018年の出雲で優勝して以降、大崩れはしないもののなかなか優勝争いに絡めない状況が続いています。

4年生

5千で13分46秒のベストを持ち、関東インカレ1500mでは2年連続で2位以内で走っているスピード抜群の山内、同じく5千で13分46秒のベスト、関東インカレ3000m障害で今年優勝を果たしている小原、2年前の出雲では3区3位の好走、関東インカレ1万でも6位入賞を果たしているエースの一世、5千で13分51秒、1万で28分45秒のベストを持ち、前回の全日本以来のエントリーを果たした倉本の4人。

3年生

関東インカレ5000mで2年連続の3位、チーム最速となる13分35秒のベストを持つ鶴川、2年前の出雲で4区6位、1年時の箱根では5区3位で優勝に貢献した若林、5千で13分48秒、1万で29分39秒をいずれも高校時代にマーク、2年連続の出雲エントリーとなった野村、1年の箱根で3区2位の快走で優勝に貢献、前回の箱根でも4区2位と箱根での実績は全選手中トップクラスを誇る太田という高校ベスト13分台の4人。

2年生

関東インカレ3000m障害で2年連続3位以内、今年度5千で13分52秒のベストをマークしている黒田が唯一のエントリー。

1年生

高校ベストで14分7秒を持ち、都大路では最長区間の1区で14位、都道府県対抗でも最長区間の5区で15位と安定した走りを見せている鳥井が唯一のエントリー。

岸本、一世、太田、若林と主力が大量に外れた前回に比べると、かなり順当なエントリーのように思えます。前回の出雲に出場した志貴、田中は外れてしまいましたが、今年度の走りを見る限りは仕方ない状況。高校ベストが13分台の選手が同一学年で4人加入したのは、全大学全学年で青学の3年世代が唯一ですが、その4人が揃ってエントリーされたのも楽しみです。ルーキーはまだメンバー入りは難しいと思っていましたが、鳥井が唯一喰い込んできたのも素晴らしい。そんな青山学院大学の区間配置予想は以下のとおりです。

区間配置予想

鶴川③ー黒田②ー佐藤④ー野村③ー小原④ー太田③

1区は鶴川、前回も故障が無ければ1区を走っていたはず。本人も1区にはかなり強い意欲を見せていましたし、トラックの勝負レースでは結果を残し続けていますし、故障で3大駅伝出場経験こそありませんが、高校時代からロードでも抜群の強さを誇ります。


2区は黒田、青山学院は2区をかなり重視しており、つなぎ区間で最重視はもちろん、1,3,6区の主要区間よりも重視することさえありますからね。箱根5区候補と言われ、今年度ハイレベルで安定した結果を残している黒田としました。


3区は一世、これまでの駅伝での実績からも今年度のトラックでの活躍からも主要区間での起用が有力。2年前も3区で好走していますし、駅伝で圧倒的な結果を残している一世が3区にいてくれればチームとしても安心です。


4区は野村、なかなか姿を見せなかった1,2年生から一転、今年度は関東インカレにも出場するなどトラックシーズンでも活躍を見せました。実績的にも6人に入ってきてもおかしくないですし、箱根6区候補とも言われていて、ここで3大駅伝を走っておくのも大事かなあということで、つなぎ区間の4区としました。


5区は小原、持ちタイムはチーム上位ながらもなかなか3大駅伝に出場する機会を得られませんでしたが…今年度は3000m障害で優勝するなど活躍を見せていますし、出雲の距離が最も合っていそう。3大駅伝初出場とういことで、負担の少ない5区あたりかなと。


6区は太田、3大駅伝は箱根2度しか走っていませんが、その2回の走りが圧倒的ですからね。駅伝での実績を考えれば一世とともに主要区間を走って欲しい選手ですし、3区が一世ならば最長区間の6区は太田が良さそう。優勝候補のエースにも負けない強さがありますし。

展望

若林は夏に故障でやや出遅れていたという話なので、今回は一旦外して予想しました。コンディションに問題無ければ主要区間を走ってもおかしくない実力者です。今回主要区間として予想した鶴川、一世、太田とともに若林の4人が起用出来れば、1人は2区に起用出来るのが大きいですね。さらに箱根2区も走れるというほど監督の評価が高い黒田も含めた5人は万全ならば出場しそう。


選手は揃っていますが、後は出雲にどれだけ調整して臨んでくるかというところか。主力が卒業して同じような状況だった4年前は出雲5位→箱根優勝という結果でした。今回の出雲は3大駅伝未経験者が6区間中最低でも3区間は占めることになるでしょうし、全日本や箱根を見据えて経験を積ませることを重視してくる可能性もありますからね。


もう1つ気になるのはこれまでの青学の強さを支え、今年度の最大の課題と目される選手層の薄さです。出雲においてはそこまで影響は無いかもしれませんが、実績のある選手や持ちタイムの良い選手を、多少状態に不安があってもエントリーせざるを得ないという状況も考えられますからね。エントリーされた主力たちの状態が気になるところ。


その一方で出雲で優勝を果たしてもおかしくない力のある選手がズラッと揃っているのもまた事実。今回のような区間配置だった場合、1区鶴川が抜け出してそのまま後続を寄せ付けずに優勝しても、6区太田で逆転しての優勝もあり得るほどに隙の無い区間配置も組めるんですよね。優勝候補筆頭では無いでしょうが、4年前に監督が評価していたのと同様に1~5位はどれもありそうな大学かな。どうしても近藤・岸本世代が抜けた穴が大きいと言われる今年度の青学ですが、これまでと同様に主力が抜けてもやはり青学は強いんだという走りを出雲から見せて欲しいです。

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