第100回(2024年)箱根予選 戦力分析 ~東海大学~

続いては前回の箱根で15位だった東海大学について、箱根予選の戦力分析を行っていきます。箱根予選で私が重視しているエース力、選手層、予選会力、持ちタイムの4項目を中心に見ていきます。

エース力は留学生がいないチームとしては最もハイレベルと言って良いでしょう。石原は前回こそ復帰レースだった前回の箱根予選こそ失速して47位でしたが、全日本3区区間賞、箱根2区4位とさすがの走りを見せており、今回も日本人トップの有力候補です。前回出場していない花岡も関東インカレ1万mで2位、全日本予選で4組9位とハイレベルな結果を今年度残しており、箱根の走りを見ても上位に入ってくる可能性が高いです。


3番手が誰になるのかは悩ましいところですが…箱根での実績を見ると越になるかなあ。前回も4区9位で走っていますし、故障が多いのが気になるところですが出場すれば結果を残してくれる頼もしい選手。この3本柱が大きく貯金を稼いでくれる可能性が高く、石原に頼り過ぎないチームとなってきています。


選手層もだいぶ厚くなってきましたね。箱根予選に出場が有力と思われる選手を見ても…4年の喜早、3年の梶谷、水野、2年の竹割、鈴木、湯野川、1年の南坂、永本とこれだけで11人揃ってしまいます。全日本予選で好走した選手は力のあるところを示しましたし、ルーキーも即戦力として計算出来るのが大きい。特に南坂はハーフでの持ちタイムがチームトップですから。他にも箱根予選出場が期待される選手は多いです。


3大駅伝全てに出場経験のある入田も一時期の不調から徐々に復活していますし、五十嵐もトラックでの実績を積み重ね、ハーフの距離も問題無ければ出場する可能性が高い。野島健太、悠太コンビもハーフでタイムを伸ばし、健太は1万でも28分台をマークしました。下級生の頃から結果を残してきた4年生がいまだに足並みが揃っていないのは気になりますが、4年が石原しか出場しなかったとしても心配いらないほどに、3年生以下の選手が充実して箱根予選の出場争いも激しいです。

予選会力は…はっきり言って低いです。2014年度以来の出場となった前回はまさかの9位通過、一歩間違えば予選落ちしていてもおかしくなかったですからね。かつては村澤、早川が4年時に予選落ちというのもありましたし、前回の走りを見ていても予選会にちゃんと合わせられるのか?という不安があります。箱根予選をずっと走っていなかった経験不足ももちろんあるでしょうが、中間層を複数欠き、稼ぐべき選手が稼げず、8~10番手も崩れるという苦しさでした。


いくら有力選手が揃っていても、出場出来なかったりコンディションが整っていなければ意味が無いですからね。前回の大苦戦は良い教訓になったでしょうし、その反省を活かして予選会には十分すぎるほどの準備で臨んで欲しいところ。チーム状況が最悪だった前回の箱根から、今年度はエースが活躍し新戦力が台頭するという良い流れになってきましたからね。箱根予選にも継続していってくれれば。


持ちタイムは…24大学中5千で3位、1万でも3位と予選会が…というレベルではなく表彰台を争うタイムです。トラックの持ちタイムは何も心配いらないでしょう。その一方でハーフは17位と前回の箱根予選や箱根を思わせる順位に…先述の通り、63分15秒をもつルーキーの南坂がトップ、63分台がズラッと揃って10番手こそ64分18秒ですが、ハーフタイムを見ると一気に不安になります。


ただ、これはエースも主力も好条件のハーフを走っていないこと、数少ない機会だった前回の箱根予選で苦戦したことが原因なので、ハーフのタイムが東海の戦力を表していないことは明らかでしょう。花岡もハーフのタイムは持っていませんし。ただ、記録会であってもハイペースなハーフを走ったことが無いというのは、最も大事なハーフの勝負レースである箱根予選に向けて心配が無いわけではないですが…


箱根予選に向けては本来ならばトップ通過の有力候補なのですが、前回も上位通過が期待された中での9位通過ということで、通過有力と言われる大学の中では最も下振れする可能性が高いチームだと思っています。増枠がある中での予選落ちする可能性はほぼゼロに近いですが、それでも何があるか分からないのが箱根予選ですからね。前回の反省を十分に活かして箱根予選に臨み、3年ぶりのシードを獲得出来るチームを築いていって欲しいです。

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