箱根駅伝 大学別11時間切り回数(1999~2023)
大会大学別成績に検索条件を追加して、レース結果のようにタイム順や大学順で検索できるようになりました。今回はそれを利用して大学ごとの箱根駅伝における11時間切り回数を見ていきます(カッコ内は10時間50分切り回数)対象となるのは10区が23kmになってほぼ距離が現行と一緒になった1999年以降です。
以前は11時間切りすれば優勝争いに十分加われていましたが、11時間切りでの最低順位は11位と近年はシードに届かないことさえあります。優勝争いは10時間50分切りに突入しており、延べ6校が達成、10時間50分切りで優勝出来なかった大学も2校出てきています。近いうちに10時間40分切りに突入するかも…
3冠を達成した前回が10時間47分で唯一の40分台、タイム上でも抜けています。続いて2022年の3位が10時間54分、2021の優勝となった10時間56分がトップ3と直近から順番に3年間となっています。12年箱根優勝から遠ざかっていましたし、ここ3年の好タイムが目立ちます。
さらに3冠を目指したものの東洋に屈した2014年、高速化についていけなかった2020年の8位がともに10時間57分でここまでが10時間台となっています。5回は単独3位となっており、この15年で一時代を築いた大学が2校ありますし、順当な順位かな。今年度は史上最速の更新を狙っているでしょうし、可能な戦力を有しています。
中央の場合はある意味単純でシード落ちから6位、優勝争いしても2位と一気に飛躍を遂げたこの2年間がそのまま10時間台となっています。10時間48分を叩き出した前回、そこから7分ほど空いて6位だった2022年、さらに12位だった2020年とは8分も開いていますし、このタイム差が余計に中央の躍進ぶりを表しています。同じような条件だった場合、悲願の優勝を狙うには前回のタイムをさらに上回ってこないと厳しいかも…
全大学中単独最多となる7回、10時間40分台を3回マークしているのも単独最多です。タイムも素晴らしいですが2位とのタイム差も凄まじいですからね。2022年の10時間43分42秒は箱根史上最速であり、青学自体も含め更新が容易では無いです。8区までは何とか喰らいつけたとしても、9区中村、10区中倉の連続区間記録がレベル高すぎます。2020年の10時間45分が全大学でも歴代2位であり、ワンツーは青学が独占しています。
さらに2015年の10時間49分まで50分切り、初めて50分切りを達成したのもこの大会です。箱根のタイムにおけるあらゆる指標は青学がNo.1となっている印象。2016の箱根までトップ4はいずれも優勝、2023年の3位、2019年の2位、2018年の優勝までが11時間切りとなっています。
國學院史上最高となる3位を勝ち取った2020年が10時間54秒でタイムでも最高、前回の4位が10時間55分、2022年の8位が10時間57分でここまでが11時間切りとなっています。2021年だけは全体的にタイムが伸びなかったため、近年結果を残している多くの大学は2020,2022,2023がトップ3となっており、國學院もその1校です。國學院が3位争いからさらに優勝を狙うとなると、ここから大幅にタイムを伸ばすことが必要となってきます。
2位に入った2022年の10時間54分が史上最高タイム、前回の10時間55分までが11時間切りとなっています。続く2021年は9分近くも離れていますから、直近2大会の速さが際立っていますし、高速化に対応して上位争いできるようになってきました。その一方で2000年の2位や1999年の1位も比較的上位にきており、紫紺時代の順大の強さも分かります。
6位だった前回の10時間55分が史上最速タイム、7位だった2020年が10時間57分、そして3冠を達成した2011年も10時間59分をマークしており、ここまでが10時間台となっています。ここ数年は5位以内に入れていないこともあって、最高タイムとしてはもう一歩かなあ。ハマれば一気にタイムを更新してきそうですが…また、現行の距離で初めて11時間を切ったのが早稲田ということになります。3冠の走りは偉大な記録だけではなく、タイムでも輝いています。
7位だった前回が10時間55分が史上最速、10位だった2022年が10時間58分の2大会が10時間台となっており、直近の2大会となっています。2年連続でシードを獲得していますし、順当です。6位だった2019年が3番手ですが、2番手と3番手が5分以上離れており、いかに2020年以降の高速化が凄まじいかが分かります。そして、法政もしっかりとそのスピードに対応していることが分かります。
8位だった前回の10時間55分が史上最速、7位だった2022年が10時間56分、優勝まであと一歩の2位だった2021年が10時間56分、初シードを獲得して9位だった2020年が1時間58分でここまでが10時間台、直近の2023年⇒2020年まで順番のタイムとなっており、近年の創価の強さを示しています。さらにこの4回という回数は単独4位、青学、東洋、駒澤に次ぐ回数です。嶋津、そして創価最強世代がいたこの4年間の凄さが分かります。
前回3年生以下のみの布陣で9位となった10時間58分が唯一の11時間切りとなっています。続くのは7位だった2015年でタイム差は10分ありますからね。近年はずっと苦戦が続いましたし、それだけ前回の走りが際立っていることが分かります。さらに今年度はこのタイムも順位も大幅に更新する可能性もあるわけで…最も楽しみな大学の1校です。
10時間40分台こそありませんが…東洋史上最強と言われる柏原4年時の2012年に10時間51分、次いで強かった設楽兄弟4年時の2014年に10時間52分がトップ2,どちらも優勝を果たしています。4位だった2022年の10時間54分、3位だった2019年の10時間58分、さらにともに10位だった2023年、2020年までが11時間切りとなっています。
2012年が歴代1位なのも2014年が歴代2位なのもどちらも11時間切りを果たしている大学の中で最も昔の記録ということになります。これは黄金期に比べると近年は奮わないというのも事実ではありますが…2012年と2014年のチームがあまりにも強すぎるとも言えます。特に2012年は2位の駒澤に9分差をつけていますし。この記録を更新してこないと再び優勝争いに加わってくるのは難しいですし、期待したいです。
最高順位の5位となった2020年の10時間54分が史上最速、2区伊藤、3区ヴィンセントの驚異的なタイムが光ります。同じく5位だった2022年の10時間55分、あと一歩シードに届かなかった前回の11位が10時間59分58秒でギリギリですがここまでが10時間台となっています。10時間台でシードを逃した2校のうちの1校となっています。やはり2020年、2022年の強さが際立っています。
近年で唯一シードを獲得した2020年、6位で10時間54分をマークしておりこれが唯一の11時間切りとなっています。近年の戦力を考えると、この1回しかないというのはちょっと寂しいですね。続くのが2022年の14位で6分ほど離れています。上位には黄金世代が4年時だった2015年の4位、鎧坂が10区で逆転しての3位だった2012年も入ってきており、タイム上でも良かったことが分かります。
過去最高順位タイの4位になった2020年の10時間54分が史上最速、9位だった2022年に10時間58分でこの2回が11時間切りとなっています。2020年は最後まで3位争いをしての4位と近年で最も良かったレースですし、2022年は5区細谷の連続区間賞で往路2位に入ったときです。この2大会が抜けており、続くのは2019年の5位で5分差がついています。
黄金世代が4年時の2020年、2位の10時間48分で走っておりこれが史上最速、2位史上最も良いタイムということになります。このタイムで優勝出来ないのが恐ろしい…そして悲願の初優勝を果たした2019年が10時間52分、11位だった2022年が10時間59分38秒で11時間切りでシードを獲得出来ないことも経験してしまっています。高速化にしっかりと対応している大学なのですが、このタイムでこの順位なのか…というのももやっとしてしまいます。
これまで11時間切りを達成しているのは14校、今回の箱根で15位以内だった大学で11時間切りを達成できていないのは14位だった山梨学院のみ、そして16位以下だった大学、箱根予選落ちだった大学はいずれも11時間切りはまだ達成できていないことになります。2022年の箱根で12位だった神奈川が11時間ジャストで1秒届いていないということに…今後もどんどん10時間50分切り、11時間切りを達成する大学は増えていくでしょうし、さらにハイレベルな優勝争い、シード争いを楽しみにしたいです。