日本選手権5000m(2023/06/01) 結果振り返り ~富士通の塩尻が優勝、駒澤の圭汰が大学生トップの4位~
本日、日本選手権5000mが行われましたので、レース結果を入賞した選手と大学生を中心に見ていきます。優勝タイムが13分19秒というのもハイレベルですが、前回も前々回も13分20秒台が優勝した遠藤だけだったのに対し、今回は入賞した8人が全員13分30秒を切ってきていますからね。ハイレベルなレースとなりました。
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 |
---|---|---|---|
1位 | 塩尻 和也(96) | 富士通 | 13:19.85 |
2位 | 遠藤 日向(98) | 住友電工 | 13:20.84 |
3位 | 清水 歓太(96) | SUBARU | 13:21.18 |
4位 | 佐藤 圭汰(04) | 駒澤大学 | 13:24.29 |
5位 | 田村 和希(95) | 住友電工 | 13:24.38 |
6位 | 塩澤 稀夕(98) | 富士通 | 13:24.44 |
7位 | 小袖 英人(98) | Honda | 13:25.93 |
8位 | 吉居 大和(02) | 中央大学 | 13:27.72 |
優勝したのは13分19秒で富士通の塩尻、これまではラスト勝負になると分が悪かったのですが…圧倒的なロングスパートで抜け出しそのまま後続を寄せ付けない走り、ラスト1周で差を縮められるものの逃げ切りました。塩尻の強さを存分に見せつけるレースとなりました。今年度に入ってから元々トップクラスの強さだったのがさらにワンランク上がった気がします。
2位に13分20秒で住友電工の遠藤、前回は圧倒的な強さで連覇を果たしていましたが、今回はロングスパートにはついていけず、ラスト1周で差を詰め2位争いを制したものの3連覇には一歩届きませんでした。それでもしっかりと2位には入っていますし、この種目の第一人者としての走りは見せてくれました。
3位に13分21秒でSUBARUの清水、最後まで前を追っていきましたが、2位には0.34秒届かず…それでも2大会連続の3位と表彰台に上がってきたのはさすがです。実業団での成長ぶりが凄まじいですよね。非常に高いレベルで安定しています。
4位に13分24秒で駒澤の圭汰、前回は17位に沈んでいますがそこから大きく成長した姿を見せてくれました。ラスト1周の時点では6,7番手あたりだったと思いますが、そこから4位争いを制したのは価値がありますね。有力大学生が揃った中でも最上位に入りました。3大駅伝でも前年度を上回る活躍が期待されます。
5位に13分24秒で住友電工の田村、住友電工がダブル入賞を果たすこととなりました。一時期は日本トップに君臨していたところから、故障に苦しみましたが…またこうやって日本選手権で入賞するまでに戻ってきたのは何よりです。また日本選手権で優勝する走りを見せて欲しいです。
6位に13分24秒で富士通の塩澤、富士通もダブル入賞を果たすことに。この種目での富士通の強さは際立っています。前回は8位入賞でしたからそこから2つ順位を上げてくることに。大学時代からトラックで強さを見せていましたが、実業団に進んでさらに力をつけています。
7位に13分25秒でHONDAの小袖、一時は先頭集団から離されましたが、そこから前を追って見事に7位入賞を果たしました。小袖も実業団に進んでからグッと強くなった選手の1人ですね。ニューイヤー駅伝での優勝にも貢献していますが、トラックでも粘りの走りを見せてくれました。
8位に13分27秒で中央の吉居大和、圭汰に続いて大学生もダブル入賞を果たしています。日本人大学生でトップの実績を誇ることを考えると、大学生の圭汰に負けたのは本人も悔しかったのでは。それでも13分20秒台でしっかりとまとめてくるのはさすがです。大学長距離界を牽引する選手として、最終学年での活躍が楽しみです。
他の大学生を見てみると…駒澤の芽吹が13分31秒で10位、先頭集団から遅れてしまった後も何とか粘りの走りを見せてくれたかなあ。それでも後輩の圭汰が4位に入っていますから、先輩としては悔しい走りだったか…前年度トラックを全く走れなかったことを考えると、日本選手権で元気な姿を見せてくれたのは何より。
順大のルーキー吉岡は13分36秒の14位、まずまずの走りと言って良いのでは。前回はU20で優勝していますが、日本選手権はレベルが違いますからね。大学に入ってからも当然のように13分30秒台で走っていますし、関東インカレから20日弱でこの走りはやはりルーキー離れした強さがあります。
中央の吉居駿恭は13分42秒の21位ということで今回はもう一歩でしたね。序盤は先頭付近で走るなど積極的な走りを見せたのですが、一度遅れるとそのままずるずると下がってしまいました。GGNが完璧すぎたというのもあったかなあ…それでもまだ大学2年ということを考えると決して悪い走りではなくまとめたと言って良いのでは。
東海の石原は13分53秒の23位ということで今回は苦しい走りとなってしまいました。苦しそうになるのもちょっと早かったですよね…駒澤や中央の選手は関東インカレを回避して日本選手権に合わせていましたし、関東インカレで力を出し切った影響もあったのかなあ。2週間後には全日本予選と連戦続きで大変ですが、故障なく合わせてくれれば。