第53回(2021年)全日本大学駅伝に向けて ~前回2位:東海大学~

続いては前回の全日本で2位、4年連続で2位以内に入った東海大学について、全日本に向けての戦力分析及び展望を述べてきます。前回結果はこのようになっております。2区終了時で17位に沈んだときはさすがに厳しいかと思いましたが、3,4区であっという間に上位戦線に復帰、6区でトップに浮上し最後の最後まで優勝争いを繰り広げました。惜しくも連覇はのがしたものの、東海の強さを見せるレースでした。

~前回からの戦力増減~

前回の全日本に出場した選手では、塩澤、西田、名取という3本柱が揃って抜けることとなります。主要区間は3,7,8区になっているという話を何度もしていますが、3区2位の塩澤、7区6位の西田、8区3位の名取という主要区間を走った3人が抜けるのですから、その影響が小さいはずはありません。というよりも、抜ける人数は最多ではありませんが、前回の全日本出場校において戦力ダウンが最も大きいシード校は東海だと思っています。


主要区間を走ったというだけではなく、17位でたすきを受けて区間賞と3秒差の2位で走った塩澤を始めいずれもチームの2位に多大な貢献をしているんですよね。その穴を簡単に埋められるわけはありません。また、石原、市村を除く前回経験者もやや停滞気味なのは気になるところ。佐伯はあまりレースに出ていませんし、本間や長田も前年度より成長した姿を今年度見せられているかというと、ちょっと疑問も残る気が…


もちろん、戦力ダウンがあれば戦力アップもあります。前回4区区間賞を獲得しているエースの石原はさらなる成長を遂げ、大学トップクラスのランナーの1人に数えられるまでになりました。2区で悔しい走りとなった市村は自己ベスト連発&勝負レースでも結果を残し、石原とともにダブルエースの一角を担うまでになっています。特に市村が一気に成長を果たしたのはチームにとっても大きなプラスです。


3年生では、箱根に出場している濱地、竹村に惜しくも箱根出場とはならなかった佐藤がいずれも自己ベストを伸ばしてきていますし、2年生では松尾が良いですね。ハーフで好走を見せている他、1万も28分21秒とチーム上位のタイムをマークしています。主力となってほしい選手の1人です。5千では溝口が13分49秒をマーク、喜早も13分53秒で走っていますし、入田も着実にタイムを伸ばしてメンバー入りも期待されます。また、松崎咲も久しぶりに記録会に出場しました。まだまだこれからですが、完全復活を果たせば大きな戦力となります。

~区間配置~

主要区間の3,7,8区のうち、2区間を石原、市村が占めることになるでしょう。今のチーム状況を考えると、8区までエース級を残す余裕は無さそうかなあと。とすると、3区市村、7区石原として、8区を長い距離に強い選手、例えば本間や長田といった最上級生や松尾あたりに託す起用が現実的かなあと。理想はもう1人エース級が台頭してきて主要区間を任せられることですが。


つなぎ区間は、前回誰も走っていない3年生が複数走ってほしいですね。箱根を走った川上、竹村、濱地に5千で13分55秒をマークした佐藤、1万で28分47秒を持つ宇留田ら候補は多いです。もちろん、松崎咲が戻ってきてくれれば、それに越したことはありません。ただ、箱根を見ても中位で走ってはいるものの、爆発的な走りというのは見せられてはいないだけに、3年生の中からも抜け出す選手が出てきてほしいです。


2年生はスピードのある選手が多いだけに、全日本への起用も十分ありそう。今年度持ちタイムを伸ばしている溝口は1500mなど短い距離に強いですが、全日本までの距離ならば起用はあり得そうですし、1万で28分42秒を持つ神薗や先述の喜早、入田あたりも起用されてもおかしくないでしょう。ただ、持ちタイムは伸ばしているものの、石原以外の2年はまだ安定感に欠けるのが気になります。駅伝では速さ以上に強さが求められますからね。


1年は即戦力候補が複数入ったものの、全体的に苦戦気味ですね。徳丸、越はレースには出場しているものの、なかなか高校ベスト更新どころかベストに近いタイムでも走れていませんし、五十嵐や梶谷、水野といった持ちタイム上位の選手も目を引くような走りは見せられていません。夏合宿を経て即戦力となる選手は出てくるかもしれませんが、トラックシーズンのままでは1年生が8人の中に割って入るのは難しいでしょう。

~展望~

1度の優勝を含む4年連続2位以内を果たしている東海ですが、3本柱が抜けた穴は大きく優勝争いからは一歩後退してしまうのではないかというのが、正直な予想ですね。前回の全日本は石原や長田といった新戦力の好走があり、今年度もその再現の可能性はありますが、やはりエース区間を安心して任せられる選手が3人揃って抜ける影響は大きすぎます。


ただ、一気にシード争いにまで下がってしまうかというと、選手層が厚く大エースもいるチーム状況を考えると考えにくいです。4年連続2位以内までは、6→5→7位となっており、ここでの最高順位である5位というのが1つのターゲットになりそうかなあと。おそらく、現時点で評価の高いトップ4は駒澤、青学、早稲田、順大の4校になるかと思い、そこに続く争いかなあと。チームとしても3位以内が1つの目標となるようですし、上手くいけば3位以内も…という状況かなあと。


エース力はまだ物足りない状況ではありますが、選手は8人選ぶのがいい意味で悩ましいほどに選手は揃っています。夏合宿を経て、新戦力の台頭もあるでしょう。1年生も非常に楽しみな選手が揃っていますし、各学年で今年度結果を残している選手が増えてきています。黄金世代が抜け、3本柱が抜けたこの2年、それでもやっぱり東海は強いんだという走りを全日本で見せてほしいです!

This content cannot be displayed in widgets.