第97回(2021年)箱根駅伝 9区振り返り ~区間賞:石津(創価)~

続いては9区における各選手の走りを振り返っていきます。9区結果はこのようになっております。 復路のエース区間と言われながらも、最近は7区を重視する大学が多い中、それでも9区に力のある選手をおける大学は特に優勝争いにおいて有利に働きますね。全日本で上位7校だった大学がこの9区でも区間10位以内に入ってきています。

大学ごと

2年連続で9区を任されたのは創価の石津と日体大の野上のみ。まずは石津が区間記録に迫る1時間8分14秒という好タイム、区間2位に1分6秒差、総合2位の駒澤に1分50秒もの大差をつける圧倒的な走りで区間賞を獲得、総合2位とのタイム差は3分19秒にまで広がり、ほとんどの人が創価の優勝を確信するほどのタイム差をつけて10区につなぐこととなりました。


前回も区間6位で走っている石津ですが、今回の走りは驚異的ですね。もちろん単純な比較は出来ませんが、前回圧倒的な区間賞を獲得した青学の神林とは1秒遅いだけですし、2位とのタイム差は石津の方が開いていますからね。8区まで区間賞が無くともトップを快走してきた創価ですが、9区で区間賞を獲得して優勝を大きく近づけました。


野上は前回繰り上げスタートの憂き目にあった選手、この1年間9区で借りを返したいと思って練習してきたという話でしたが、前回よりも1分32秒早い区間5位と素晴らしい走りを見せて、今回はしっかりとタスキを繋ぎました。1年間の成長を見せる走りでしたね。9区は23.1kmと復路最長区間であり、上級生が走ることが多いです。実際、今大会も20人中15人が上級生となっています。


そんな中、唯一ルーキーで出場したのが神奈川の高橋、箱根予選でも好走していた選手ですが、今回は区間最下位、19位とも1分16秒もの大差をつけられてしまうことに…初めての箱根は厳しい結果となってしまいました。2年生は4人出場しており、その中でも早稲田の小指が区間4位で最も良い順位で走りました。総合で7位に浮上し、11位とは2分6秒差に広げてシードをほぼ確実にし、さらに上位を狙える位置に浮上。小指は日本選手権5000mに出場していますが、1ヶ月でよくぞしっかりと箱根に合わせられましたね。


駒澤の山野が区間6位の走りも総合トップの創価と1分50秒差は辛すぎます。ここで終戦かなあというタイム差をつけられてしまうことに。序盤からペースも上がらなかったようですし、後半も大きく差をつけられてしまいました。区間6位は首位を追う2位としては苦しい走りだったかな。区間10位に明治の富田、一度10位に追いついたものの、後半は離されてしまって10位とは38秒差をつけられることに…前半突っ込みすぎたという話ですが、シードを争う大学の10区に有力選手が残っていたこともあり、ここでの38秒差は重く感じられました。


もう1人はしった2年生が法政の川上、往路候補とも言われていただけに9区ならば期待も大きかったのですが、総合17位と苦しい走り…タイムは着実に伸ばしていますし、今後のさらなる成長に期待。関東連合の町田(駿河台)は区間12位相当と上々の走り、町田も2年生ながら駿河台のエースの1人です。初出場を狙う来年度も楽しみな限りです。


区間2位に青学の飯田、1年時は8区、2年時は5区、そして今回は9区で全て区間2位という抜群の安定感を誇ります。3年連続異なる区間で2位というのはすごいですよね。ついに総合でも4位に浮上、3位とも1分15秒差に迫ることに。上位争いでは、東洋の小田も区間7位タイで粘りました。3年までは3大駅伝のエントリーさえ無かった選手が、4年になってどんどんタイムを伸ばし、ついに箱根出場を勝ち取りました。初出場でしっかりと結果を残すのも東洋の強さですかね。


東海の長田は区間9位の走りで総合5位に後退、全日本では6区区間賞を獲得していたことを考えると、ちょっと物足りない走りになってしまったかなあ。箱根初出場ですが、全日本の走りで期待値が上がっていただけに…帝京の橋本は区間3位と見事な走りを見せました。全日本は2年連続1桁で走っている選手ですが、初の箱根でこの走りは素晴らしい。総合6位に浮上し、シード争いからは完全に抜け出しました。


中央の手島が区間7位、中央の復路はどの区間も素晴らしかったですね。この走りでついに総合12位にまで浮上しました。箱根予選に続いて箱根でも好走、中堅どころの層が厚くなっているのを感じます。区間11位に順大の鈴木、これで3連続二桁順位で総合8位まで順位を下げてしまうことに。ただ、11位とは1分52秒差はあり、箱根シードの可能性は極めた高い状況で10区を迎えることに。


区間12位に國學院の高嶌、復路では初の二桁順位となり、1つ順位を下げましたが総合9位とシード圏内は死守、11位とは51秒差となりました。10区に木付を温存していることを考えると、確実ではありませんがある程度安心なタイム差だったかな。区間13位に城西の宮下、箱根予選で111位だったことを考えるとある程度力通りの走りと言えるかな。1年生に楽しみな選手が揃いますが、3年生も負けていられませんし、砂岡とともに来年度も活躍してくれれば。


区間14位に東国大の加藤、こちらも何とか粘りの走りを見せてくれました。シード圏内である10位を死守し、11位とは38秒差をつけて10区に託しましたからね。ここで追いつかれなかったことが10区に大きなアドバンテージを残しました。区間15位に拓殖の竹蓋、箱根予選の231位から考えると、箱根にはある程度合わせてきてくれたかな。また、来年度は往路を担えるように力をつけていってくれれば。


区間16位に専修の辻、1万のベストはチームトップながら箱根予選は未出場、最初で最後の箱根は力は発揮してくれたのではないでしょうか。区間16位は専修で2目タイで良かった区間順位ですし。区間18位に山梨学院の遠藤、箱根予選でも170位だったことを考えるとこの順位もある程度は仕方無いかなあ。繰り上げスタートを回避出来なかったのは残念ですが…区間19位に国士舘の三代、箱根予選ではチーム最下位の294位だったことを考えるとやむなしなのかなあ。区間最下位こそ回避したものの、国士舘の10区間の中ではワースト順位となってしまいました。

総評

トップと2位、2位と3位が3分前後の差と上位は大差がつくこととなりました。その一方で3位争いはまだまだ分からない状況…そしてシード争いは11位の明治が9位の國學院や10位の東国大を逆転出来るかが実質唯一の焦点となりました。國學院の木付、東国の杉崎と主力をアンカーに残していた両大学の戦略ですよね。明治も長倉と3大駅伝初出場ながら実力者を配置しており、10区の興味は実質シード争いに移っていったかな。


復路では12位→4位と上げてきた青学、19位→12位と上げた中央の2校の走りが目立ちました。個人的に復路で力を発揮しやすいのは、先頭の大学→往路で優勝争いから脱落してしまった優勝候補→往路でシード争いから脱落してしまった上位候補かなあと思っているので、まさに創価、青学、そして中央が当てはまるのかなあと。ただ、特に中央はこれだけ復路で好走を続けるとなると、もう少し往路は何とかならなかったのかなあとは思ってしまいますよね。。。現状のベストメンバーを揃えているのですから、仕方ないのでしょうが…

This content cannot be displayed in widgets.