選手特集(18卒) 神奈川大学:鈴木 健吾 ~最強ランナーが挑む最後の3大駅伝~
今年も4年生個別特集をしていこうと思います。いつも、ネタがなくなった時にやっている気もしますが(汗)他の記事との兼ね合いですが、また5~10人くらい紹介できればと思います。最初は、3年の箱根予選以降、圧倒的な強さを誇っている神奈川大学の鈴木健吾について高校時代~大学4年間を振り返っていきます。
~~高校時代~~
宇和島東高校時代はそこまでずば抜けた選手では無かったですよね。1年時に出場した国体3000mでは予選で16人中14位、タイムも9分オーバーという状況…トラックで活躍したのは3年のインターハイ、で1500mは予選4組では3分57秒で10位と予選落ちに終わりましたが、5000mでは3組7位ながら14分25秒をマークし、決勝進出を果たしています。
この時にマークした14分25秒64が高校ベストですから、タイム以上の力があったということでしょうか。決勝でも14分30秒で10位に入っています。一方で国体5000mでは15分オーバーで24位と苦しい走りに終わっています。
駅伝では、3年時に都大路に出場、1区21位ながらタイムは30分9秒とまずまずの走りを見せています。都道府県対抗でも3年時に初出場、1区を任されて16位とこちらもまずまず…高校時代は3年のインターハイ5000mが最も良く、駅伝でも安定して結果を残しているという感じでしょうか。
~~大学時代~~
1年生
この年は有力選手が複数神大に加わったこともあり、大川、大野、浅利らとともに期待のルーキー4人衆の1人という位置づけだったかな。ただ、4月に5千で14分14秒とベストを大きく更新、勢いそのままに関東インカレ5000mに抜擢されました。しかし、ここでは14分55秒で32位とほろ苦い走りに終わっています。
そして迎えた駅伝シーズン、箱根予選ではチーム4番手となる33位の快走、ここで一気に評価を高めることに。有力ルーキーの中でも一歩抜け出た存在となりました。全日本でも3区9位とまずまずの走りを見せたものの、箱根では6区山下りでまさかの区間19位に沈んでしまうことに。。。これが、大学でも最も苦戦した走りになってしまったなあ。
2年生
一気に飛躍を遂げたのが2年時、関東インカレ1万mで29分41秒の11位と好走すると、最終組に抜擢された全日本予選で5位の快走、この走りが素晴らしかったですね。タイムも29分9秒と自己ベストを出しています。駅伝シーズンでもその走りはさらに凄みを増し、箱根予選ではチームトップの9位、全日本でも1区8位と続けて結果を残し続けました。
満を持して迎えた箱根では当然のようにエース区間の2区を任されましたが、ここで区間14位とまたしてもその力を発揮することは出来ませんでした。1年時も2年時も箱根以外は十分過ぎる結果を残していたというのが、逆にもどかしい感じでしたね。。。箱根後、学生ハーフでは63分8秒のベストをマークしています。
3年生
5千で大学ベストとなる13分57秒をマークした後、関東インカレ1万mでは最後まで中谷、一色という大学トップクラスのランナーと競り合っての3位、見事に表彰台に立ちました。全日本予選でも2年連続の最終組で4位と好走、さらに1万mのベストを28分30秒まで縮め、その評価は高まるばかりでした。
そして迎えた駅伝シーズン、箱根予選では58分43秒の3位、日本人トップの走りを見せました。全体トップのワンブィからも28秒しか遅れていない一方、日本人2位とは55秒もの大差をつけたのが素晴らしいですね。予選会校の日本人選手ではずば抜けた存在となりました。
出雲、全日本はチームとして出場できなかったため、唯一の駅伝となった箱根、2年連続の2区を任されると、ここで最高のレースを披露、67分17秒という素晴らしいタイムで並み居る強豪を抑えて区間賞を獲得、区間2位にも33秒をつける圧巻の走りで大学トップクラスのランナーへと上り詰めていきました。
箱根後もその勢いは衰えず、都道府県対抗では総合36位と苦しい位置ながら、7区7位の好走、ユニバ選考を兼ねた学生ハーフでは61分36秒という凄まじいタイムでダントツの優勝とまさに充実の1年間を締めくくりました。
4年生
関東インカレ2部1万mではセカンドベストとなる28分40秒で4位、トップ3は留学生であり、日本人トップとなる走りを見せています。3年連続の最終組となった全日本予選も5位、3年連続5位以内の快走でチームのトップ通過に貢献と変わらぬ強さを見せつけています。ただ、ユニバハーフでは3位には入ったものの、駒澤の片西、工藤に敗れてしまったのはちょっと意外だったかな。。。
そして迎える駅伝シーズン、チームもついに3大駅伝フル出場を果たしました。鈴木健吾の走りに引っ張られるように、総合力もどんどん上がっていき、優勝争いにも絡んでくるのでは?と期待を抱かせるほどのチームとなってきました。間違いなくその中心にいる鈴木健が最後の駅伝シーズン、どんな走りを見せてくれるのか、是非とも前回の箱根のようにその強さを存分に感じさせる走りを見せてくれればと思います!!
そして迎えた駅伝シーズン、出雲は今後を見据えて合宿を行っていたということで欠場、大黒柱を欠いたチームは6位と不本意な結果に終わりました。しかし、全日本では前半型のチームが多い中、最長区間のアンカーに起用されると、チームは1区から4位以内をキープし続け、7区終了時ではトップと17秒差の2位という絶好の位置でタスキをもらうことに。
すると、あっという間に前を行く東海を捉え、そのまま引き離す圧巻の走り、57分24秒で区間2位、区間3位に1分35秒もの差ををつける走りで20年ぶりに全日本優勝のゴールテープを切りました。さすがは鈴木健という圧巻の走りでしたね。そして迎えた最後の箱根、6位でタスキをもらうと積極的な走りで前を追って2位集団を形成するも、青学の森田からは終盤離されてしまうことに。
それでも、67分26秒で区間4位、タイムも前回からは9秒遅れたのみ、トップとも11秒差ですし、2年連続の67分30秒切りは素晴らしい走りでしたよね。ただ、チームとしては5区でアクシデントもあり、まさかのシード落ちと悔しい結果に終わってしまいましたが…
箱根後は東京マラソンに出場、キロ3分ペースを刻む第二集団でレースを進めていくことに。ペースメーカーの後ろにきっちりと陣取り、30km以降は第二集団を引っ張る場面もあるなど、初マラソンとは思えない落ち着いた走りを見せてくれました。さすがに終盤は遅れてしまったものの、2時間10分21秒は初マラソンとしては十分すぎる結果ですよね。
卒業後は富士通に進むことになります。先日も先輩になる中村がMGC出場権を獲得していますし、東京マラソンでは荻野が後一歩MGC獲得とはならなかったものの、2時間9分36秒で走っていますね。選手が揃い、マラソンでも結果を出しつつある富士通において、さらなる飛躍を遂げて欲しいものです!!