選手特集(17卒) 東洋大学:服部 弾馬 ~勇馬からエースの座を引き継ぎ、東洋を栄冠へ~

2019年9月27日

4年生個別特集、続いては東洋大学の服部 弾馬について高校時代~大学4年間を振り返っていきます。先日紹介した青学の一色とは同じ高校、持ちタイムもずっと似通っていてライバル関係が続いています。同じ高校の同級生がそのまま大学トップクラスのランナーになっているのも凄い…

 

高校時代

新潟の中里中学時代、都道府県対抗駅伝に出場し、2区9位で走っています。中学時代から力はありましたね。高校は兄の勇馬を追って宮城の仙台育英に進むことに…都大路では6区を任されて9位と上々のデビューを飾りました。

 

2年時の都大路では主要区間である4区を任されましたが、まさかの区間24位に沈みました。いくら1区で勇馬が21位と出遅れたとはいえ、意外な結果でした。ちょっと2年時は弾馬が伸び悩んでいた感じですね…

 

しかし、一色同様に愛知の豊川高校へと転校すると再びのその力を高めていき、5000mでは13分59秒20と13分台に突入、都大路でも最長区間の1区を任せられると、最後まで先頭争いに絡んでの2位、トップとも1秒差の快走でチームの優勝に大きく貢献しました。

 

~大学時代

1年生

関東インカレ1部では1500mに出場し、6位入賞と上々のデビューを飾りました。しかし、駅伝シーズンでは出雲で2区6位、そして全日本ではまさかのメンバー落ち…当然、即戦力として活躍するものと思っていましたから、この苦戦ぶりにはびっくりしました。

 

しかし、その後上尾ハーフで62分54秒の好タイムをマークすると、箱根では7区で区間賞の快走、2位駒澤を突き放す走りで優勝に貢献しました。さすがは弾馬という走りを上尾ハーフ、箱根と続けて見せてくれましたね―。

 

2年生

関東インカレ1部では5000mで8位入賞を果たし、持ちタイムでは1万mで大学ベストとなる28分55秒をマークしています。その後、1500mや5000m中心だったこともありますが、弾馬のベストとしては物足りないですね。チャンスがあれば、大学中に大幅に更新して欲しいところ。

 

駅伝シーズン、出雲も1区予定、全日本でも1区を任されましたが、早い段階で遅れてしまい10位と3大駅伝でワーストの順位になってしまうことに…2年連続の上尾ハーフでは、大学ベストとなる62分31秒とマーク、箱根では7区3位と持ち直し、熊日30kmでも1時間31分31秒で5位ましたが、全体的にはもう一歩という1年間だったかなあ。

 

3年生

さらに一段レベルアップを果たしたのが3年時、関東インカレ1部こそ1500mで6位でしたが、日本インカレ5000mでは留学生たちを置き去りにする素晴らしいスパートで優勝、タイムも13分38秒と自己ベストを叩き出しました。

 

勢いそのままに出雲では3区でトップと2秒差の2位、全日本では2区区間賞の走りでチームの初優勝に貢献しました。高校といい、大学といい、3年時にグッと伸びてトップランナーへと飛躍を遂げていますね。当然箱根3区でも圧倒的な走りが期待されましたが、序盤からなかなかペースが上がらず、最大のライバルである青学に1分以上引き離されての3位と悔しい走りになってしまいました。

 

4年生

オリンピックイヤーの4年時、5000mでの出場を狙いましたが、5000mのベストはGGNでマークした13分34秒で標準にはまだまだ及ばず(日本人大学生現役トップの素晴らしいタイムですが)、好条件のレースにならなかったのが痛かったですね。日本選手権5000mでも10位に終わりました。

 

その後、3000mで8分ジャストのタイムをマークするなど変わらずのスピードは見せつけており、勇馬が卒業した今、3大駅伝でもエースとしての走りが求められます。他のチームメイトも好タイム連発でいい形できていますし、その圧倒的な走りで3大駅伝で優勝へ導いてほしいです。

 

駅伝シーズン、出雲ではチームの苦しい走りに影響されるかのように3区3位とちょっと奮いませんでしたが、全日本では1区で区間賞、箱根でも1区で区間賞を獲得しています。順位はもちろん文句無しなのですが、全日本では2位に11秒差、箱根では2位とはわずかに1秒差に留まり、弾馬を起用したのであればもっと差をつけたかったというのも正直ありますね。

 

卒業後はトーエネックへ進むということでこれはちょっと意外でしたね。ニューイヤー駅伝で優勝を狙えるようなチームへ行くかと思っていましたが、どちらかといえば下位のチームですし…ただ、練習環境を重視したとのことで、自分にあった環境で練習するのが一番でしょう。一色同様、東京オリンピックも狙える逸材ですし、実業団でさらなる飛躍を遂げてほしいです。