2015年 箱根予選&全日本結果考察 ~日本体育大学~
続いては日本体育大学について、全日本の結果を振り返りつつ、箱根への展望も書いていきます。箱根予選結果、全日本結果はこのようになっております。日体大は最初スローペースで入り、100位以内に8人を送り込んだ箱根予選を3位通過、全日本では1区の出遅れから立て直せずに12位という結果でした。自己ベストを出す選手が多く、着実に選手層が厚くなってきている一方で、絶対的エースだった山中、全日本経験者である2年の柿本、さらに期待のルーキーである三浦が退部してしまいました。三浦は退学して日清食品グループへ行くとのことで、練習先が決まって一安心です。体罰問題を起こした監督が指導するというのは、受け入れられないと思う選手がいるのも必然でしょうか。前監督の別府監督が慕われていたようですし。
全日本では区間一桁で走ったのが7区6位の小野木のみ、箱根予選でトップ3だった小松、奥野、小町をそれぞれ1区、8区、2区という主要区間に配置する無難なオーダーだったのですが、それぞれ15位、15位、16位と3人揃って撃沈してしまいました。箱根予選後の全日本に再度ピークをあわせることの難しさを改めて感じさせられますね。2,3,5,6区を任された冨安、吉田、室伏、辻野の4人は4人揃って区間11位という何とも嬉しくない順位となってしまいました。やはり、全日本で勝負するには箱根でシードを獲得することが最低条件ですね。
箱根予選では小松が10位でチームトップ、昨年度までは3大駅伝・予選会ともに未経験でしたが、今年度は全日本予選2組1位に続いての快走、1万mも29分14秒まで伸ばしてきており、エースの一角を担ってくるまでに成長しました。2番手に14位の奥野、こちらは箱根2区を任されるなど昨年度から実績は豊富、ハーフで62分台を連発するなどロードの強さが目立ちましたが、1万mも28分台に突入し、名実ともにエースに・・・箱根でもエース区間が期待されます。3番手に16位の小町、昨年度ルーキーながら出雲3区、全日本2区、箱根5区とエース区間を任され続けた期待の選手が大事なレースで結果を残しました。1万mでも28分48秒とチームトップタイムをマークしています。持ちタイムを伸ばした選手が勝負レースでも結果を残すというのは、速さだけでなく強さも身に着けているということでしょう。
4番手に66位の吉田、上位3人が20位以内で走っているのに比べると、他に50位以内がいないというのはちょっと寂しい結果ですね。集団走で無理をしなかったという状況もあるでしょうが・・・吉田はつなぎ区間で起用されることが多いですが、全て区間二桁なんですよねー。中堅どころの1人として、期待したいところなのですが。5番手に76位でルーキーの室伏、早速20kmにも対応し、その後もハーフで64分21秒、1万mも29分31秒と着実にタイムを縮めています。高校時代からロードの実績もありますし、箱根も楽しみです。6番手に79位の小野木、小野木も小松同様に3年になって一気に伸びてきた選手ですね。全日本予選で1組6位、1万mで29分18秒までタイムを縮め、全日本も7区ながら区間6位と唯一の好走を見せています。2,4年生に力のある選手が揃うチームという印象ですが、4年生が苦しむ一方、ここにきて3年生の充実ぶりが目立ちます。
7番手に83位の辻野、高校時代の実績は抜群ながら故障で1年時は姿を見せず、復活も厳しいかと思われましたが、2年で一気に台頭してきました。1万mで29分29秒までタイムを縮め、質・量ともに揃う2年生世代にまた一人頼もしい選手が加わりました。8番手に84位の冨安、全日本予選で3組8位で走り、1万mで28分台をマークするなど主力として活躍する選手であることを考えると、順位自体は物足りませんが、予選会には予選会の戦い方がありますし、箱根では主要区間で活躍して欲しいものです。9番手で102位の山本、3年世代では早くから台頭し、箱根でも9区11位で走っている選手ですから100位オーバーは残念な結果でした。
10番手に115位の重松、持ちタイム、実績のある他の2年生に比べると1万mで30分45秒でこれまでの実績は殆ど無いだけに、まずまずの走りと言えるのでは?11番手に159位の周防、本来チームを引っ張るはずの4年生が2人しか出場出来なかったのもショックですが・・・周防も力を発揮することは出来ませんでした。12番手に230位の白永、1万mこそ29分台ながら、これまでの実績に乏しい選手、苦しい走りとなりました。11,12番手の苦しさを見るとやはりベストメンバーを組めなかったこと、主力が複数退部してしまった影響を感じずにはいられない結果ともなりました。
箱根に向けては、小松、奥野、小町が往路の主要区間を任せられることになりそう。6区で快走した秋山が戻ってきて、山は小町と秋山で問題無さそう。直近で自己ベストを出している選手が多く、勝亦も調子が上向いてきたようである程度勝負は出来そうな陣容になってきました。ただ、いざ主要区間を上位で走れそうな選手となると、ちょっと厳しいように思えるんですよね―。繫ぎ区間を任せられそうな選手は心配無さそうなので、1~3区をどれだけ凌げるかがポイントになりそうかなあ。前回は総合15位に終わっていますが、戦力的にはもっと上を狙えるチームですし、まずはシード権をきっちりと確保し、さらに上位を目指して欲しいです。