1万m平均持ちタイム遷移(2014/04/01→05/31) その1
2014年度も2ヶ月が経過しました。トラックシーズンのメインレースである関東インカレも終わり、各大学とも今年度の戦力が少しずつ見えてきましたね。この2ヶ月における1万mの持ちタイム遷移を考察してみたいと思います。5000mがやや軽視される傾向にある今の大学陸上界においては、1万mの平均持ちタイムというのが、各大学の戦力を最も反映しているのではないでしょうか?まずは上位8大学について見ていきます。遷移は以下のようになっています。
大学名 | 14年03年31日 | 14年04年01日 | 14年05年01日 | 14年06年01日 | ||||
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駒澤大学 | 2位 | 28:43.82 | 4位 | 29:11.22 | 1位 | 28:49.65 | 1位 | 28:49.65 |
東洋大学 | 1位 | 28:35.51 | 1位 | 28:59.72 | 2位 | 28:56.45 | 2位 | 28:56.45 |
山梨学院大学 | 8位 | 29:02.02 | 2位 | 29:01.40 | 3位 | 28:57.10 | 3位 | 28:57.10 |
明治大学 | 4位 | 28:58.79 | 3位 | 29:06.04 | 4位 | 29:03.36 | 4位 | 29:03.36 |
青山学院大学 | 7位 | 29:01.89 | 7位 | 29:16.12 | 5位 | 29:05.44 | 5位 | 29:05.44 |
東海大学 | 10位 | 29:07.87 | 5位 | 29:11.93 | 6位 | 29:10.47 | 6位 | 29:10.47 |
早稲田大学 | 3位 | 28:54.24 | 6位 | 29:13.90 | 7位 | 29:11.55 | 7位 | 29:11.55 |
帝京大学 | 5位 | 28:59.76 | 8位 | 29:17.00 | 8位 | 29:14.30 | 8位 | 29:14.30 |
トップは駒澤大学、4月1日時点では4位でしたが、そこから20秒以上もタイムを縮め、堂々のトップに躍り出ました。トップ10のうち7人が今シーズンベストを更新しており、村山の27分49秒も光ります。1万mで記録を出すという意味では、主要選手がほぼ結果を残しており、いいスタートが切れています。ここからさらに縮めるのは容易では無いですが、駅伝シーズンを考えると新たにトップ10に入ってくる選手が出て来て欲しいところです。
2位は東洋大学、1位→2位と1つ順位は落としたものの、しっかりと2位は確保しています。弾馬の28分台突入がありましたが、トップ10のうち更新したのはその弾馬だけなんですよね。昨年度は春先からどんどんベストを更新していただけに、やや気がかりです。関東インカレではハーフでトリプル入賞と強さを見せつけましたが、1万mの平均が伸びてこないようですと、箱根以外はちょっと厳しそうな気も・・・
3位は山梨学院大学、一時は阿部の28分台突入などでトップに立つこともありましたが、2位→3位と1つ順位を落としています。井上も28分23秒と好タイムを出して関東インカレでも結果を残し、大学を代表するエースへと成長を遂げました。オムワンバも完全復活とダブルエースは何も心配はなくなりましたが、期待の1年生が怪我の影響もありなかなか結果を残せず、阿部もハーフを棄権するなどちょっと足並みが揃っていない印象ですね。井上世代が4年生の今年がチームとしても戦力のピークを一旦迎えると思いますので、何とか万全の状態で駅伝シーズンへ臨んで欲しいです。
4位は明治大学、3位→4位と1つ順位を落としていますトップ3はいずれも駒澤に抜かれた栄光で1つずつ順位を落としていますね。今年度さらに成長を遂げた横手、安定感抜群の文元がともに28分40秒切りのベストで好調を維持、関東インカレでもトラックでポイントを荒稼ぎするなど、エース格が揃って結果を残しています。ただ、中堅の選手がなかなかベストを更新できなかったり、結果を残せていないのが気になりますね。出雲なら人数は揃っていますが、全日本・箱根と区間・距離が増えるに連れて厳しくなりそうです。
5位は青山学院大学、7位→5位と2ランクアップです。川崎、小椋、一色と28分台が新たに3人も誕生しましたからね!三木も29分30を切る走りでトップ10に入ってきました。ただ、28分30秒を切る選手はおらず、10番手で29分30秒を切れていないというのはちょっと優勝を狙う大学としては寂しい気がしますね。藤川もまだ故障中という話ですし、久保田も姿を見せず・・・ベストメンバーが組めれば、本当に面白い大学だと思うのですが・・・
6位は東海大学、5位→6位と1ランクダウンです。どちらかと言えば5000mに積極的に参加していたこともあり、ルーキーの川端が29分24秒で8位に食い込んできたほかはベスト更新はなりませんでした。昨年度、好タイムを連発した反動もあるかと思います。28分台の中川・石橋は未だ姿を見せず、まだまだ選手が揃わない感じですね。廣田の復活は心強いですが・・・昨年度と同じ轍を踏まないためにも、怪我だけは気をつけて欲しいです。
7位は早稲田大学、6→7位と1ランクダウンです。ハーフでは勢いが止まらない早稲田ですが、1万mはなかなか28分台も出ず、順位が上がらないですね。それでも、もはやエース格の1人となった井戸が29分11秒でチーム5番手、期待のルーキー光延も9位に入ってきています。武田、高田がともに関東インカレに出場出来なかったのがチームとしても痛かったですね。ちょっと故障者が多い印象が・・・それでも、柳、平は復活してきましたし、選手が揃えば優勝候補の一角に名を連ねるだけの戦力は揃っているはずです。28分台が2人というのはちょっと寂しいので、どんどんベストを更新していってほしいです。
8位は帝京大学、4月と順位は変わっていません。杉山が29分6秒の好タイムを出している他、高橋勝、堤、阿南がトップ10でベストを更新しています。関東インカレは5000m,1万m,ハーフともに厳しい結果に終わりましたが、それは例年通りのような気もしますし、恐らく箱根には合わせてきてくれるでしょうが、まずは全日本予選から強さを見せる走りをして欲しいですね。熊崎、柳原などエース格がやや不安定なのが気にはなりますが・・・安定感のあるエースの誕生が待たれるところです。