2017年 都道府県対抗男子駅伝雑感 ~長野が最多7度目の優勝~

途中で急に天候が悪化することはあったものの、大雪に見舞われた女子とは違い、良いコンディションでのレースとなった都道府県対抗男子駅伝。総合成績(PDF)が既に公式に載っています。前評判で優勝候補筆頭と目された長野がアンカー対決を制し、3年ぶり7度目の優勝を果たしました。入賞した都道府県を中心に振り返っていきます。

※名前の後の数字は区間順位です。

 

優勝:長野 中谷(2)―石川(23)―春日(8)―本間(1)―名取(1)―眞田(20)―上野(2)

優勝候補筆頭と言われた長野ですが、個人的には不安が大きかったです。中学トップクラスの木村を2区に起用出来ず、3区も今年度の実績では關の方が上でしたし、4区本間は都大路では苦しい走りになってしまったので…実際、中学生区間はいずれも20位台と低迷しました。

 

しかし、都大路で最高の走りを見せた中谷が区間2位とさすがの走り、好スタートを切ると、3区春日が集団で粘って8位、タイム差もほとんど無く、素晴らしい走りでした。さらに、4区本間が後半ペースを上げて区間賞、都大路の悔しさを晴らす走りを見せました。

 

5区名取はさすがの強さで都大路1区に続いての区間賞、しかし、2位以下との差は思ったよりも広がらず、12秒差。そして6区終了時では2秒差で福岡を追いかけることに。7区を任された上野は福岡を逆転、その後はなかなか差を広げられずにドキドキしましたが、最後は19秒差をつけて見事に優勝を果たしました。

 

2位:福岡 岩室(20)―石田(3)―鬼塚(1)―森川(2)―竹元(3)―杉(5)―押川(4)

戦前は優勝候補に名前は挙がらなかったと思うのですが、素晴らしかったですね。1区こそ岩室が区間20位と苦しいスタートだったのですが…2区石田が3位で前を追うと、鬼塚が見事に区間賞を獲得、錚々たるメンバーが揃う中でこの走りは凄いです。

 

4区森川も区間2位の走りで総合2位にまで浮上、そして素晴らしかったのが竹元、都大路では1区38位と悔しすぎる走りでしたが、1区区間賞だった名取に終盤まで喰らいつき、区間3位の快走で望みを繫ぎました。6区杉は区間5位の走り&ラストスパートで長野を逆転、2秒差でアンカーに繫ぎました。

 

押川は追いつかれ、追い抜かれても差は広げられない粘りの走りを披露、区間4位で走って負けては相手を褒めるしか無いですね。2区以降は全て区間5位以内という抜群の安定感を見せた福岡が2位に食い込みました。

 

3位:愛知 蝦夷森(19)―服部(2)―山口(2)―関口(15)―梶川(24)―馬場(2)―神野(3)

前回覇者の愛知ですが、高校生区間が例年に比べて苦しいため、優勝候補にはちょっと名前が挙がらない状況…実際、高校生区間は1区蝦夷森が19位、4区関口が15位、5区梶原が24位と厳しい結果に終わりました。そんな中、活躍したのが中学生・一般区間、中学生は2区服部、6区馬場がともに区間2位の快走。

 

一般区間も3区山口が3位集団から抜け出し、さらに前も捉える走りで区間2位、総合でもトップに立ちました。アンカーの神野も一色、下田、塩尻との豪華すぎる3位争いを制して総合3位、区間3位と先輩の意地を見せてくれました。

 

4位:京都 清水(3)―諸冨(5)―川端(14)―渕田(17)―吉田(4)―荒堀(27)―一色(5)

密かに優勝争いに絡むかもと期待していた京都、1区清水が区間3位と最高のスタートを切りました。都大路でも思いましたが、駒澤OBの窪田に顔がよく似ている…2区諸冨も区間5位で総合トップに。3区川端も区間14位で何とか粘りました。4区渕田は区間17位ともう一歩だったかなあ。。。

 

5区吉田は区間4位で粘りましたが、長野、福岡とここで大差を付けられてしまい、現実的な目標は3位に…6区27位で後ろとの差を縮められると、ますます3位争いの真っ只中に。最後は神野との新旧青学のエース対決となりましたが、総合で6秒及ばずに4位、区間5位という結果でした。

 

5位:静岡 池田(10)―鈴木(8)―梶原(17)―眞田(26)―小野寺(5)―柳原(10)―下田(9)

持ちタイムでは抜ける高校生がいなかった静岡ですが、1区池田が10位で粘ったのがまず大きかったですね。例年強さを見せている2区、6区の中学生区間はともに8位、10位と今回も安定した走り。3区梶原も17位で粘って目指す入賞争いには喰らいつくことに。

 

4区眞田が区間26位とやや苦しい走りになってしまいましたが、5区小野寺が区間5位は素晴らしかったですね。総合でも5位に浮上しました。アンカー下田は前を追っていき、3位争いにまで追いつきました。しかし、さすがに神野、一色の壁は厚く区間9位、総合5位でのゴールとなりました。

 

6位:群馬 西山(5)―伊井(6)―戸田(21)―高橋(15)―千明(7)―北村(9)―塩尻(16)

 

都大路ではもう一歩だった西山がスローペースと見るや抜け出す積極的な走りで区間5位、やはり強いですね。こちらも中学生区間は2区6位、6区9位といずれも2桁区間という安定ぶりです。3区戸田が一時はトップに立つも、そこから後退してしまい区間21位に後退してしまったのは痛かったかなあ。

 

それでも、4区高橋が区間15位で粘り、5区千明が区間7位で総合4位に浮上しました。アンカー塩尻は青学勢との3位争いに臨むこととなりましたが、ここで区間16位ともう一歩…総合では6位に留まりました。各年代に選手が揃う群馬でしたが、一般が実績からすればもう一歩だったかなあ。

 

7位:東京 菅原(21)―安倍(26)―大隅(16)―宍倉(4)―武田(6)―石塚(7)―髙木(21)

都大路で1区4位と快走していた菅原が区間21位と出遅れる苦しいスタートに…2区安倍も区間26位という状況でしたが、3区大隅が区間16位と粘りの走り、総合順位こそ上げられませんでしたが、上々の結果だったのでは。総合20位で迎えた4区からが素晴らしかった。

 

4区宍倉が区間4位の走りで9つ順位を上げると、5区武田も区間6位の走りで4つ順位を上げて総合7位とシード圏内に。高校生が3区間とも別の高校というのも都道府県対抗ならではですね。6区石塚が区間7位と上々の走り、アンカーの髙木は区間21位、後ろで激しい入賞争いが繰り広げられていましたが、最後は逃げ切って7位を守り入賞を果たしました。

 

8位:新潟 横山(12)―丸山(21)―弾馬(12)―布川(23)―岸本(20)―長橋(15)―畔上(12)

1区横山が区間12位と上々の滑り出し、この走りが大きかったですね。2区丸山が区間21位で3区弾馬に繫ぎましたが、3位争いからは遅れてしまうまさかの走り、それでも区間12位で走るのはさすがで総合7位と入賞圏内に順位を上げました。

 

苦しいと思われていた4,5区は4区布川が区間23位、5区岸本も20位で何とか粘り総合11位、過去最高順位も狙える位置でタスキを繫ぎました。6区長橋が区間15位で総合順位をキープすると、7区畔上が前を追っていき、入賞を争う6人の集団に加わり、さらにラスト勝負も制して区間12位、総合8位で見事に過去最高順位&初入賞を果たしました。

 

 

最後に、入賞したチーム以外で魅力的な走りをした選手を区間ごとに取り上げてみます。1区区間賞は三重の塩澤、都大路では名取相手に惜しくも2位で逃した区間賞、今度は同じ佐久長聖の中谷を抑えて見事に区間賞。ともに東海大に進む二人は都道府県対抗でともに区間賞、力が抜けています。

 

持ちタイムで劣る選手では14分32秒のベストながら7位に入った大阪の小林の走りが光りました。駒澤に進学、戦力となるのも早いかも。高校無敵を誇っていた福島の遠藤はインフル明けということもあって区間13位止まりでしたが、実業団に進んでも存在感を示してくれれば。

 

2区では何といっても長崎の林田が区間新記録、それも8分20秒を叩き出すとは…3000mで中学記録保持者の力を存分に発揮しました。中学ベストは更新されても1,2秒なのですが、一気に9秒ですからね。今後が楽しみです。

 

3区では区間賞の鬼塚についで2位に入ったのが埼玉の館澤、東海のルーキーが一般区間でもさすがの強さを見せました。やはり、来年度の東海も脅威となりそう。4位に入ったのは佐賀の光延、ロードではもう一歩という印象でしたがこの走りは良いですね。早稲田の中心選手となってくれれば。

 

4区は千葉の村上が区間3位の走り、持ちタイムも良いですし、4区ではやはり力は抜けていますね。箱根では大苦戦だった明治の復活を前田ら期待のルーキーとともに支えてくれれば。5区は入賞した8チームのうち6チームが区間1桁で走っており、その重要度が伺えます。

 

そんな中、名取とともに区間賞を獲得したのが秋田の齋藤、総合24位と苦しい位置でこの走りを見せられるのが凄い、15人抜きで総合9位まで順位を上げました。遠藤同様にこちらも実業団へと進む予定、大学に進む選手に負けず成長を遂げてくれれば。

 

6区では栃木の松山が8分29秒、区間記録を2秒上回る走りで2区に続いて中学生区間で区間新記録が誕生することに。中3世代は粒揃いなだけに、高校でも順調に成長を遂げて欲しいです。

 

7区で区間賞を獲得したのは優勝争いでも、3位争いでも、入賞争いでも無く、総合31位でタスキを受け取った最多の悠太。駅伝で無類の強さを発揮する悠太はここでも11人抜きで見事に区間賞を獲得、ニューイヤーはもう一歩でしたがやはりその強さは際立ちます。

 

鹿児島の有村が5位に入ってきたのは、ちょっとびっくりでした。旭化成に進んだ後は村山兄弟、市田兄弟、大六野ら同世代の活躍に遅れをとっていましたから…旭化成のメンバー争いは熾烈を極めますが、存在感を高めていって欲しいです。


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