第35回出雲駅伝(2023年)戦力分析&区間配置予想 ~駒澤大学~
本日は駒澤大学の出雲駅伝における戦力分析と区間配置予想を行っていきます。過去5年成績、エントリー一覧はこのようになっております。前回は区間賞3つ、区間2位×3つと完ぺきな走りで出雲優勝、3冠へと繋げました。今年度、3大駅伝で最も勝つのが難しいのが出雲でしょう。得意な全日本とは比べ物にならないほど難易度が高いですし、他の優勝候補に比べても万全のエントリーとは言えず…最初にして最大の難関となりそう。
前回の出雲では6区区間賞で復活を遂げ、箱根でも6区3位、5千で13分24秒のベストを今年度マークしているエースの芽吹、前回の出雲では5区区間賞、関東インカレ5000mで7位入賞、ユニバ5000mでは銀メダルを獲得している太陽、前回の出雲では1区2位とMVP級の活躍、今年度は故障に悩まされていたものの、3大駅伝全てでのエントリーを継続させた花尾、2年時の全日本では4区4位、ぜ回の箱根では8区4位と2度の出場はいずれも優勝を経験、3大駅伝全てでの優勝を狙う赤星の4人。
今年に入ってから1万で27分43秒と日本人大学生トップタイムをマーク、ハーフでは60分11秒と学生記録を叩き出したエースの篠原、5千で13分58秒を今年度マーク、ハーフでも63分15秒のベストをマークした庭瀬の2人。
前回の出雲では2区区間賞、全日本で2区区間2位の快走、日本選手権5000mでも4位に入っている圭汰、箱根では6区区間賞の快走、5千で13分44秒を今年度マーク、関東インカレ1万mで8位入賞を果たした伊藤、箱根では5区4位の好走、5千で13分56秒のベストを今年度マーク、関東インカレハーフで2位に入った山川の3人。
高校ベストは13分56秒、都大路で3区8位、都道府県対抗では5区13位で走っている海晴が唯一のエントリー。
駒澤にとって気になりだったのが花尾、唐澤という主力2人がエントリーされるかどうか。結果として唐澤は外れましたが花尾は入ってきました。走れないのであれば唐澤同様に外れたはずで、あまり心配はいらないかな。他の主力は比較的順当なエントリー。今年度好調の白鳥、赤津は入ってくるかもと思いましたが、外れても驚きは無かったですし。1,3年は篠原だけの可能性もありましたが、庭瀬・海晴と2人が入ってきたのも良かったです。そんな駒澤大学の区間配置予想は以下のとおりです。
花尾④ー太陽④ー篠原③ー伊藤②ー山川②ー芽吹④
1区は花尾、前回のMVPは花尾と言っていいほどに大きな役割を果たしました。花尾の状態が問題無ければ、2年連続で任せたい選手です。チームの命運を握るのは今回も1区ということになるかと。他にも太陽、篠原、赤星、伊藤ら1区候補は多いだけに誰が起用されるかが非常に気になります。
2区は太陽、万全であれば圭汰が良いのでしょうが、10/4にアジア大会で5千を走って帰国が6日の予定、それで9日の出雲に出場というのはさすがにハードすぎるかなということで外しています。となると、スピード抜群で2年前に2区を走っている太陽かなと。
3区は篠原、前回はエースの田澤が起用された区間、3本柱の1人である圭汰が万全で無ければ3,6区は篠原と芽吹が担うのが最もバランスが良さそう。前回6区区間賞の芽吹がいる以上、篠原は3区が良さそう。トラックシーズンのようなコンディションに戻してくれれば。
4区は伊藤、今年度は出雲を走ってもらわないと困る実力者、1年前からは想像できないほどの実績を積み重ね、成長を遂げました。スピードもついてきましたし、安定感も抜群の頼もしい選手が4区にいると大きいです。
5区は山川、こちらも全日本以降の活躍ぶりは目を見張るものがあります。細かなアップダウンがある5区は伊藤よりも山川なのかなということで山川としました。前回は補員だったこの2人はもはやチームに欠かせない選手となりましたね。
6区は芽吹、前回復帰戦で区間賞の快走、好調の今年度は前回以上の走りが期待されます。アンカー勝負になったとしても、勝ち切れる期待感のあるエースの芽吹に任せるのが良いでしょう。全6区間でここが最も可能性が高いかなと。
唐澤が外れたこと、花尾の状態が気になること、圭汰が出場出来るか分からないこと、この3つが大きな不安要素ですが…3人が揃って出場出来ないとなると、さすがに優勝争いに絡んでいくのは厳しいのでは無いでしょうか。花尾と圭汰の両方が問題無ければ前回と同じ1,2区が組めて非常に強力なのですが…無理はしてほしくないですが、チームの命運を握る2人です。
1人しか起用出来ないのであればどこかの区間でリスクを背負う必要が出てきて、それが最もリスクとリターンの大きい1区になるかなと。1区を安全にいくのであれば1区篠原でしょうが、3区を誰に任せるのかという問題が出てきますからね。とにかく1区が誰になるのか、どんな走りを見せるのかが出雲の成績に最も大きな影響を与えそう。
今回は外して予想しましたが、赤星は2度の3大駅伝出場で安定した走りを見せていずれもチームは優勝していますし、庭瀬は今年度大きく飛躍を遂げた選手、海晴もトラックで安定した成績を残していますからね。10人全員が出場してもおかしくない選手が揃っています。
優勝候補の1校ではあるでしょうが、優勝候補筆頭とは言えないかな。元々出雲を苦手としていてスピードのある選手を揃えても優勝をこれまで逃してきた経緯もありますし、今年度のチームはスピードタイプよりもむしろロードや長い距離に強い選手の方が多い印象。全日本が得意なのはもちろん、出雲と箱根を比較しても箱根の方が優勝する可能性は高そうです。
2年連続の3冠を狙うためには絶対に負けられない出雲、そして負ける可能性が最も高いのがこの出雲ということになるでしょう。優勝を争うライバルと目される中央、青学、國學院らがホクレンや先月の記録会で好タイムを連発していますからね。3大駅伝初戦の出雲が最大の正念場となります。ここで負けてしまうと監督も心配しているモチベの低下というのは避けられないでしょうし、逆に優勝出来れば次は得意な全日本へと自信を深めることに繋がっていきます。
得意ではない出雲、ベストな布陣ではない、前年度3冠でプレッシャーや他大からもマークされる存在など不安要素はいくつもありますが、それらを全てはねのけて出雲2連覇、3大駅伝4連勝を果たして欲しいです。