2015年 出雲&全日本結果考察 ~東洋大学~

続いては東洋大学について、出雲、全日本の結果を振り返りつつ、箱根への展望も書いていきます。出雲・全日本結果はこのようになっております。出雲こそ1区の出遅れが響き、4位に終わりましたが、全日本では1区から完璧と言っていいレース展開、区間賞を4つ獲得する走りで優勝候補筆頭と言われた青学を抑え、見事に初優勝を果たしました。出雲、箱根で優勝経験はありますが、全日本は後一歩勝てないレースが続いていただけに、一層の喜びがあったでしょう。これで、3大駅伝全てで優勝経験のある大学となりました。

 

 

出雲では、1区高橋が中盤以降大きく遅れてしまい、さらに道を間違えて大きくタイムロスをするアクシデントがあって区間12位と大きく出遅れました。最短区間の2区に回ったエースの勇馬が区間3位も、3区弾馬が区間2位で総合5位まで浮上、4区以降も3大駅伝初出場の口町が区間賞、野村が区間3位でまとめ、アンカーの櫻岡も29分57秒の4位で総合でも4位まで順位をあげてのフィニッシュとなりました。1区以外はほぼ順当なレース展開だっただけに、悔しさの残る結果となりました。

 

 

一方の全日本は、1区に勇馬、2区に弾馬と服部兄弟で先手を狙うことに・・・すると、勇馬がタイム差は無ながら区間賞を獲得すると弾馬が青学の小椋、早稲田の平らを突き放して区間賞を獲得、後続とのタイム差を26秒にまで広げました。すると、3区口町が出雲に続く区間賞の走り、MVPにも選ばれましたが、この走りがまず大きかったですね。本来であればここで一気に差を詰めたかった青学の田村和を逆に1秒ですが離しています。これで3区間連続の区間賞となりました。最大のポイント区間と思っていた4区櫻岡、出雲でも3区久保田の快走が優勝に近づいています。あっという間に久保田に追いつかれた櫻岡ですが、決して離されることはなく、終盤にはむしろ突き放す走りで8秒差でトップを守りました。

 

 

5区高橋は青学に追いつかれてしまったものの、タイム差無しの総合2位でタスキを渡しました。区間2位と出雲からしっかりと立て直しています。6区野村も一度は青学に離されながらも、再度の逆転で10秒差をつけてトップに立つ走り、7区の堀もやはり追いつかれながらも、中盤以降に突き放して27秒差でアンカー上村にタスキを繫ぎました。東洋からはどの選手もラストでの勝負強さ、粘り強さを感じさせられました。27秒差では神野相手には厳しいと正直思っていたのですが、出雲を欠場しており万全では無かったのか、昨年度よりも1分もタイムを落とす走りとなりました。同じく出雲を欠場した上村は安定した走りで徐々に青学を突き放し、区間4位で悲願の初優勝のゴールテープを切りました。

 

 

東洋の強さが目立った全日本となりました。となると、青学1強だと思っていた箱根も俄然面白くなってきます。元々、東洋は箱根での調整力に定評がありますしね。ただ、ちょっと気になるところもあります。出雲、全日本を走った8人のうち、両方走って好走した堀、野村がハーフ未経験で長い距離が未知数であること・・・特に堀は短い距離に強い選手で大学に入ってから1万mも未経験です。勝負レースでの強さは折り紙つきの二人ですが、果たして・・・?上尾ハーフを走った選手も少なかったですからねー。

 

 

また、5区も気になるところです。留年した五郎谷や1年時から5区候補と言われる成瀬らがいますが、今年度は目立った結果を残せていませんし、前回の5区では青学に6分もやられていますからね。2年連続で同一チームの独走というのもちょっと盛り上がりに欠ける部分もありますし、青学の連覇を止めるとしたら、東洋が最も可能性が高いでしょうからねえ。全日本の勢いそのままに、箱根でもその力を十分に発揮してほしいです!

 

 

箱根駅伝の完全ガイドが明日発売されますねー。春、夏、秋とあった増刊号と比べても例年充実した内容になることが多いですし、早速明日購入予定です。明日は八王子ロングディスタンスを観戦してくるので、そのお供にも良さそうかなあと(笑)