2014年 全日本大学駅伝結果考察 ~3位:青山学院大学~

続いては過去最高の3位となった青山学院大学について・・・大会結果はこのようになっております。確定オーダーを見た感想としては、久保田がもう2区を走れるまでに回復しているのか?というのはありましたが、万全のオーダーのように思えました。2区以降は常に2位争いをする中でレースを進めましたし、アンカーで抜かれはしてしまいましたが、手応えを感じる結果だったでしょう。

 

 

1区は一色、優勝を狙うのに非常に重要な位置づけとなった1区において、市田孝や村山兄弟のハイペースに積極的についていき、途中で落ちても集団のペースが落ちればまた付いていくという粘り強い走りをしていましたね。これは駒澤とも大差なくタスキリレーが出来るのでは?と思いましたが、終盤に一気にペースダウンしてしまい、トップとは48秒差の6位、最低限の走りはしてくれましたが世代トップクラスとも言われる一色にしてはやや物足りなかったかなあ?

 

2区は久保田、3大駅伝は1年時の箱根以来、実に1年10ヶ月ぶりとなりました。最初突っ込んで入ってきた東洋の勇馬、早稲田の髙田らに追いつかれるものの、落ち着いてレースを進め、勇馬と秒差の3位でタスキを渡しました。区間順位も3位でしたし、復帰レースとしては上出来でしょう。久保田が見事に復活してきましたねー。ただ、優勝争いという点から見ると、駒澤にさらに15秒離されたのは痛かったですね。

 

3区は秋山、これまた高校時代に実績のある選手が故障などもあり1年時は苦戦していましたが、2年になってタイムを伸ばしてきており、3大駅伝デビューとなりました。一時は前を行く東洋の櫻岡に離されましたが、安定したペースを刻んで最終的には差が変わらず区間6位タイでした。スピードのある秋山ならばもっといけるのかなあと思っていたのですが、3大駅伝デビュー戦ですし、まずまずですかね?まだ2年生ですし、一色が抜けている世代において頼もしい選手が出てくれました。

 

4区は小椋、優勝を狙うにはここが鍵になると思っていました。駒澤の中村は学生トップクラスランナーとはいえ、今シーズンはずっと不調でしたからね。トップとは1分半弱開いており、監督は4区終了時に出来れば30秒以内、せめてに1分以内で抑えておきたいという目論見でした。序盤、東洋の高久と並走していましたが、高久がペースを上げると付いていくことが出来ず、区間8位、トップとも2分40秒差となってしまい、ここで実質優勝は無くなってしまいましたね。小椋は今シーズン1万mで28分20秒台を出していますが、前回の全日本も4区7位となかなか安定して結果を残せていませんね。そこら辺がちょっと一色や神野といったエース格と比べて物足りないかなあ。。。

 

5区は藤川、過去の実績を見る限り、トップ駒澤と比較して最も青学が有利と思える区間でした。故障に苦しんでいたとはいえ、前回の箱根9区3位の実力者ですし、スピードもありますからね。一方の駒澤は高校時代に実績の乏しいルーキー・・・優勝は厳しくなったとはいえ、一泡吹かせたいところでしょう。しかし、序盤はいいペースで前を追っていったものの、さらにハイペースで突っ込んできた明治の横手に逆転された上、駒澤にも6秒逆に引き離されてしまいました。区間3位と決して悪い走りではなく、タイムを見ても上出来かなと思えるのですが、前二人が良すぎましたねー。

 

6区は川崎、一時はチームメートからもう辞めちゃえなんて言われるほど、体重が増えてしまったそうですが、今シーズンは5000mで13分台、28分台を出して着実に結果を残すと、前日変更で入った6区でも途中からペースアップして東洋の今井、明治の山田速らを引き離し、見事に青学唯一の区間賞を獲得しました。トップの駒澤とは4秒しか差をつけられませんでしたが、東洋と50秒、明治とは1分以上の差をつけたのは大きかったですね。

 

7区は渡邉心、昨年度は故障に苦しみ、今回が3大駅伝デビュー戦となりました。5000m13分台、1万mでも29分一桁で走るなど持ちタイムも伸ばしてきている選手、こういう選手を7区に起用出来る選手層が今の青学にはあります。ただ、区間8位とちょっとほろ苦いデビュー戦となってしまいました。区間3位だった明治とは17秒差ですし、タイム自体はそんなに悪くないのですが、この差が結果的にはアンカーでの逆転にも繋がってしまったかも・・・

 

8区は神野、エース区間で安定した結果を残し続けている選手ですが、今年度も58分45秒という好タイムで区間3位で走りました。まさにエースと呼ぶに相応しい成績だと思います。しかし、2位を争うライバルだった明治の大六野が良すぎましたね。終盤追いつかれると、大六野のラストスパートについていけず、1秒差での3位と悔しい結果となりました。アンカーに神野を置いても7区まで頼もしい選手が揃っていましたし、青学に強さが備わってきたと思わせるレースでした。

 

今回の3位で出雲・全日本のシード権は獲得しましたし、前回マークした過去最高順位の6位をさらに3つ上回り、箱根そして来年度に向けて収穫の多いレースとなりました。区間二桁は1区間も無く、区間3位以内に区間賞1つを含む4区間で入るなど安定したレースが印象的でした。来年度、卒業するのは5,6区を走った藤川、川崎のみで主要区間は全員残ります。さらに、今回全日本に出場しなかった3年生以下にも5000m14分1桁、1万m29分30秒以内の選手がずらりと揃い、来年度は優勝候補の筆頭として全日本に臨んでくるのでは無いでしょうか?

 

 

箱根に向けては、前回ともに区間二桁となってしまった5,6区が鍵を握りそうですね。優勝候補筆頭である駒澤は5,6区に十分すぎるほど目処が立っていますし、そこが一番の差となりそうです。一色が5区を任されるかもなんて話が去年はありましたし、秋山も上りが非常に強いと言っていましたが前回経験者の高橋もいますし、どうするのかなあ?久保田の復活で往路は5区以外問題なく、復路も力のある選手で組めそうです。悲願の箱根初優勝に向けて、期待が持てる布陣ですね。また、今年度勝てなくても、来年度こそ全日本同様、箱根も優勝候補筆頭として臨めるのでは?今後が非常に楽しみなチームです!!

 

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