第53回(2021年)全日本大学駅伝に向けて ~前回7位:帝京大学~

続いては前回の全日本で7位、3年連続でシードを獲得した帝京大学について、全日本に向けての戦力分析及び展望を述べてきます。前回結果はこのようになっております。序盤は出遅れたものの、徐々に順位を上げていき、7,8区の主力がしっかりとまとめてくれました。以前は全日本を苦手としていましたが、すっかりシード常連校になりましたね。

~前回からの戦力増減~

前回出場校で戦力ダウンが最も少ないのは早稲田、順天堂だと思いますが、最も戦力ダウンが大きい1校として帝京の名前が挙がることになるでしょう。主力としてずっとチームを牽引してきた星、小野寺、鳥飼が抜け、さらに6区3位と好走した増田も含めて半分の4人が卒業となりました。鳥飼、星はともに主要区間の3,7区で結果を残しており、シードの立役者でしたからね。残る4人はいずれも前回は区間8位以下に留まっていることからも、影響の大きさが伺えます。


また、遠藤の状態が上がらないのも気になるところ…また箱根3区には合わせてくれるのかもしれませんが、前回も4区12位でしたし全日本で結果を残せるかというとこれまでの走りを見ている限りは難しそうかなあと。万全であれば間違いなく帝京のエースの1人なのですが…今年度も良かったのは記録会で28分台をギリギリマークしたくらいですからね。


戦力ダウンが大きい一方で戦力アップも豊富です。。前回経験者を見ても、橋本は箱根9区3位と快走してエース候補の1人にまでなりましたし、8区を走った細谷は箱根5区区間賞、今年度は13分台、28分台のベストと山以外での躍進ぶりは凄まじい。1区で出遅れた小野も28分台ランナーの仲間入りを果たし、3人の成長はそのままチームの成長に繋がります。前回は出場しませんでしたが、箱根4区9位で走っている中村も主力の1人、7区10位で走っている寺嶌とともに出場すれば結果を残してくれるであろう選手です。


新戦力では、森田が5千で13分53秒をマークして一気にチームトップの持ちタイムとなりました。全日本に起用される可能性も十分あります。ここまで名前が挙がっているのは小野を除いていずれも4年生なのが来年度以降を見据えて不安要素でもある帝京ですが、山田、北野、元永といった3年生が揃って5千、1万でタイムを縮めてきているのは好材料ですし、2年では西脇が5千で14分1秒をマークし、1年では福島が14分9秒をマークして一気に名乗りを挙げてきました。多くの選手が自己ベストを更新しているのは頼もしい限りです。

~区間配置~

前回8区を走った細谷はそのまま同区間の起用で良さそうかなあ。山だけではなく長い距離に強いですし、さらにスピードも身につけて前回以上の走りが十分期待出来ます。となると、残る3,7区に誰が起用されるかですね。本来であれば遠藤には3区を走ってほしいのですが、コンディション次第かなあ…中村の起用もあり得そう。7区は個人的には橋本が良いかなあと思っています。箱根の走りは素晴らしかったですし、今年度はエース区間を走ってほしいなあと。


1,2区の起用も悩ましいところです。小野は前回から成長をとげていますが、再びの1区はどうなのかなあと。もし、ここで出遅れてしまうと前回のようにサクッと挽回するのは難しいでしょうし、前回苦戦した区間を任せるのであれば、5,6区といった負担の少ない区間を走ってほしいなあと。距離が変更になってからの2戦は4年生に託していましたし、そうすると寺嶌あたりの起用も面白そうかな。


つなぎ区間は、3年生以下を抜擢してほしいところ。2年の西脇、1年の福島ら小野以外の下級生も1人は走ってほしいですよね。3年生はなかなか1万でタイムを伸ばせていませんが、先述の元永、北野、山田あたりから抜け出す選手が出てきてくれれば…4年生は多くても5人までの起用には抑えておきたいかなあと。もちろん、チーム内競争の結果そうなれば良いですが、現状の戦力だと6人以上起用されてもおかしくは無いほどです。

~展望~

前回は6位と7位の差は比較的離れており、8位だった順大が大幅に戦力アップしていることを考えると…シードを狙う大学のターゲットとなるのは正直帝京となりそうな気がします。3年連続でシードを獲得しているものの、過去3年と比べても戦力的には劣る印象なんですよね。つなぎ区間、エース区間のいずれももう一歩物足りない状況というか…それだけ、卒業生がチームの中心として活躍を続けていたというのもありますが…


シード争いに巻き込まれてしまうのは避けられないでしょうし、シード返り咲きを狙う國學院、東国大を筆頭に予選会校も粒ぞろいですからね。4年連続シードを守れるかどうかは正念場と言えそう。となると、7,8区にエース級を残しつつも前半でいかに離されないかが大事になってきますね。過去2大会は1区で18位と出遅れており、タイム差はそこまででは無かったですが、同じ展開は避けたいところです。


前回、3大駅伝初出場ながら6区3位と好走した増田のように、初出場でいきなり結果を残すような選手も出てきてほしいですね。エース区間がやや厳しいことを考えると、出遅れないことはもちろん、つなぎ区間でもある程度稼いでおきたいですからね。厳しい戦いになるとは思いますが、これまで前評判が高くないときも結果を残してきたのが帝京ですし、また得意の育成力でびっくりするような好走、結果を残してほしいです!!

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