第102回(2026年)箱根予選結果 ~中央学院がトップ通過、法政は17秒及ばず~

暑さ対策で例年よりも開始時刻が早かった今回の箱根予選、運営は大変でしょうが結果として途中棄権の選手も少なかったですし、例年通りの時間帯はもう暑かったので正解でしたね。レース結果(PDF)はこのようになっています。コンディションが悪くなかったこともあって比較的波乱は少なめで順当な結果だったように思えます。

1位:中央学院大学

上位通過か悪くても中位だと思っていましたが、トップ通過にはびっくりしました。エースの吉田が卒業してエース力がどうなるかというところで近田が2年連続中央学院勢の日本人トップはかっこよすぎます。市川も18位で続いてエース格のは知り、8人が100位以内と安定感抜群でした。12番手でも202位にとどまっており、誰も大崩れしていないのも良いですね。箱根本戦はまた別物ですが…それでも箱根シードに向けて希望の持てる結走りだったのでは。

2位:順天堂大学

箱根ではあと一歩シードに届かず、こういった大学は予選会で苦戦する傾向もあるのですが…順大はしっかりと強さを見せてくれました。エースの吉岡が順当にトップ、ルーキーの井上が35位で走っているのも好材料で主力になってくれそう。100位以内が全大学最多となる9人で10番手の113位、12番手の182位はいずれも全大学トップの順位です。エース格の玉目が10番手だったのはちょっと気になりましたが…今回は3年生が存在感を示しましたね。箱根予選会校の中で最もシードを取る可能性が高いとしたら、この順大だと思います。

3位:山梨学院大学

エースのキピエゴが全体トップの快走、そして2年の阿部紘が10位に入ったのが素晴らしいですね。日本人エースとして期待されます。さらに3年の和田、4年の平八重が上位に入り、各学年にエース格がいるのも頼もしい。12番手も209位と耐えて崩れることはなかったですし、稼ぐ選手が稼ぎ耐えるべき選手はしっかりと耐えてくれました。これで2年連続の箱根予選3位となります。箱根は苦戦気味なだけに、そろそろシード争いに絡んでいきたいところ。

4位:日本大学

キップケメイが全体2位、3年連続トップはならずも強さを見せつけました。中澤、山口彰と続き、8人が100位以内と安定していました。エースの冨田が11番手、前回5番手だった高田が12番手だったのは気になりますが、逆に言えばそれでも4位通過というのは総合力がありますね。前回の箱根は合わせられずに最下位に沈んでしまいましたが、日大も安定して予選通過出来るようになってきましたし、そろそろシード争いにも絡んできてほしいところ。

5位:東海大学

前回は悪夢の予選落ち、そこから1年でしっかりと中位通過を果たせたのは良かったです。花岡が11位とエースの走り、永本、兵頭も20位台で続きました。エース格の鈴木が12番手になってしまったのは心配ですが…前回悔しい途中棄権となったロホマンも87位でしっかりと役割を果たしてくれました。8人が100位以内と安定した走りでしたが、10番手は166位で11番手以降は200位台とやや苦戦…箱根に向けてはつなぎ区間も大事になってきますし、往路でも復路でも戦える選手を揃えてほしいところ。

6位:東京農業大学

前回は1秒届かずに予選落ち…そこに前田が加われば通過は有力と思う一方で前回の予選会はちょっと出来過ぎだったのでは?というのが気になっていたのですが…そんなことは無かったですね。エースの前田が万全ではないながらもチームトップ、栗本、原田、深堀と4人が30位以内というのは素晴らしいです。その一方で7番手でも151位と選手層の薄さというのも見えてしまったかなあ…ルーキーの井坂も早速2桁順位では走れていますし、往路も戦える選手がある程度揃ってきそう。東海と東農大が最短での箱根復帰を果たしました。

7位:神奈川大学

ボーダー争いの1校かと思っていましたが、しっかりと7位で通過は素晴らしいです。エースの宮本が34位、前回は棄権となりましたが今回はチームトップで走り、上田、酒井らが上位に。6人が100位以内で走ってきました。上位陣が他の通過校に比べて稼げていない中、10番手でも132位としっかりと崩れることなく走ったのが大きかったです。11番手でも146位ですし、安定感がありましたね。ただ、本戦となるとエース力が求められるだけに往路が気になるところ。

8位:大東文化大学

通過した大学で個人的に最も予想より順位が低かったのは大東文化大学でした。トップ通過か悪くても3位以内かと思ったのですが…入濱、中澤、棟方、松浦が50位以内というのはまずまずだったのですが、5番手が93位で100位以内がわずか5人でしたからね。ルーキーの鈴木、上田、増子がチーム6~8番手で走れた経験は良かったですが、9~12番手が和田、藤原、宮倉、庄司といずれも3年生が下位に沈んでしまったのが響きました。ちょっと箱根に向けて心配になる結果でしたね。前回の19位から巻き返しを狙いたいところですが…

9位:日本体育大学

何とか通過しましたが…今回のコンディションでさすがにゆったりと入りすぎたのでは。17.4km地点でも圏外だったときはさすがに焦りました。それでも通過してくるのは流石ですが…箱根予選常連となっている大学がどんどん連続出場を途切れさせてしまっている中、日体大にかかるプレッシャーは段違いでしょう。平島、田島が稼ぎ山崎も3番手と3本柱が上位を占めましたが、100位以内は4人だけ、10番手が177位で11番手は232位と得意の集団走も崩れてしまいました。次の箱根でシードを獲得出来なかった場合、次回は過去最大級に困難な戦いになるかも。日体大が箱根予選で7位以下になったことって多分歴史上無いはず、それが4年生中心のチームで9位通過ですからね…

10位:立教大学

箱根通過が現実的に狙える大学で唯一、No.1ランナーを欠いたのが立教でした。前半から積極的な走りはいつも通りですが、今回は徐々に順位を下げていく苦しい展開、それでも原田の20位を筆頭に粘りました。33位の國安、44位の小倉、55位の吉屋とゾロ目が続いていた…100位以内は6人、9番手の164位に10番手は255位と3人が崩れてしまったのは相当危なかったです。前回はトップ通過で戦力充実でも箱根シードに届かなかったことを考えると…今回の箱根はエースの馬場が戻ってきたとしても、相当に厳しい戦いになりそう。

11位:法政大学

唯一、箱根予選を経験している選手が誰もいない大学でそこが心配でしたが・・・さらにインフルの蔓延してしまったとなっては厳しいですね。それでも野田が29位、大島が32位とエースがしっかりと走り、ルーキーの太田が101位で走るなど新戦力も台頭してきたのですが…100位以内はわずかに4人、10番手は154位と通過校と比べても遜色ありませんでしたが、中間層がちょっと厳しかったかなあ。箱根出場校で最も大学のサポートを受けられていないとも言われますが…今回はインフルのせいで次回は大丈夫!とも言えない状況なんですよね。来年度に向けても心配の方が大きいです。

12位:明治大学

大志田監督に代わり、プロジェクトが発足して大学のサポートも厚くなったはずですが…前年度の課題だったエース力不足は解消できず…大湊が46位、森下が54位とトップ2が50位前後では厳しい。100位以内は5人ですし、9番手でも153位とそこまで悪くは無いのですが、稼ぐ選手がいない場合にはもっと2桁順位で走る人が必要になってくるんですよね。それが5人しかおらず、3番手で80位では厳しいです。4年生が半分の6人走ってこの結果…10位と1分58秒も離れていますし、箱根返り咲きは茨の道です。

13位:専修大学

前回は2位通過と大躍進を遂げたのですが…そこから1年で予選落ちにまで下がってしまいました。エースのダンカンが37位にとどまり、日本人トップが50位の新井、上山が63位とエース格がチーム上位ではあるのですが、チーム内順位は順当でも全体順位は前回から大きく落としてしまいました。それでいて100以内はわずかに4人、9番手ですでに194位と全体としても崩れてしまいました。専修は良いときは良いのですが、悪いときはそれが重なってしまい、崩れてしまいますよね。。。他の大学に比べるとちょっと安定感に欠ける印象です。

その他大学

14位に日本薬科大学が入ってきたのにはびっくりしました。前回の21位から7つも順位を上げてくるとは…キプルトの17位を筆頭に染谷、鳥居、江原、河原と70位以内に5人も入ってきたのは素晴らしい。


15位の駿河台は2番手の古橋が15位に対して3番手が129位の久保とここに100位以上の差があるという…エース格の東泉が162位、佐藤が173位と奮わず…前回は暑さにやられての16位ということでしたが、今回も15位というのは…だいぶ箱根が遠ざかってしまったように思えます。


2年前の箱根出場校である国士舘は19位にまで下がってしまいました。主力を欠いていたといえ、100位以内が62位の横田だけというのは…箱根ははるか遠い目標になってしまったように思えてしまいます。