第37回(2025年)出雲駅伝 レース結果 ~國學院が盤石のレース運びで連覇を達成~

やや暑いコンディションの中で行われた出雲駅伝、アクシデントはちらほらありましたが、全大学がタスキを途切れることなかったのは良かったです。レース結果(PDF)はこのようになっております。優勝という点では順当でしたが、2位以下は波乱も多かったです。上位10校のレース結果を大学ごとに見ていきます。

優勝: 國學院大學

青木は区間5位、ラストはやや離されてしまいましたがスターターの役割はしっかりと果たしました。2区の尾熊も区間6位と3大駅伝デビューながらまずまずの走り、そして圧巻だったのは3区野中、留学生や各大学の主力が揃う中で区間2位の快走、留学生のエティーリ、アイビー・リーグのブランクスらを抑えての走りはMVPと呼ぶにふさわしい走りでした。留学生集団に一人喰らいつき、突き放しましたからね…


4区の辻原は区間新の快走で先頭に浮上、辻原が3区でないのが不安要素かと思ったのですが…3区野中がいるから4区辻原にできるという理想的な布陣でした。5区の高山も区間2位の走りで後続を引き離すと、6区上原は序盤は差を詰められるものの後半は差を広げる先頭を走る理想的な走りで連覇を達成、稼ぐ区間がありつつ崩れる区間もない安定感と爆発力を見せる走りでした。

2位:早稲田大学

1区吉倉は区間10位、順位はともかく先頭と23秒差に留めたのは大きかったです。2区の山口は区間2位に26秒もの大差をつける圧倒的な走りで区間賞を獲得、9人抜きで先頭に立つことに。3区の鈴木も区間5位で日本人2番手、さすがスーパールーキーという走りを見せてくれました。4区の佐々木は区間6位、最低限まとめましたがまだまだこんなものではないはず…5区の堀野も区間7位ということで決して悪くはないですが、4,5区でそれぞれ20秒ずつ差をつけられてしまうことに。


6区の工藤は区間3位、前半差を詰めたときはひょっとすると…と思いましたが、後半はさすがに離されてしまい総合2位と優勝にはあと一歩届きませんでしたが、早稲田の強さを十分に見せる結果となりました。

3位:創価大学

1区の織橋が区間4位と好スタート、織橋の1区は安定感抜群ですね。主要区間である1区でも素晴らしい走りを見せました。2区の小池が区間4位で走ったのも大きかった。ここまでは理想的な展開でしたが、3区のムチーニは区間5位、少し暑さにやられたのかな…4区の石丸惇は区間3位の好走で6→5位に浮上すると、5区の山口も区間4位で5→4位とさらに順位を1つ、そして6区の野沢も区間5位で4→3位と4~6区で1つずつ順位を上げて3位と表彰台に上がる走りでした。6人全員が区間5位以内で走ったのは創価のみ、ほぼ完璧なレースだったと言えるのでは。

4位:アイビーリーグ選抜

最近のアイビー・リーグは有力選手の参戦も増えてきて、コンディションも整ってきましたね。1区で区間9位、21秒差で粘ると2区は区間3位で9→6位に浮上、3区も区間4位で総合4位に浮上とまずは前半区間を良い流れで進めると、4区で区間4位、5区で区間5位と全然崩れる区間が無いんですよね。6区で3位争いこそ敗れたものの区間8位、総合でも4位と前年度の5位をさらに上回る走り、特に2~5区はいずれも区間5位以内、全区間1桁順位で走り切りました。

5位:駒澤大学

1区の谷中が区間2位、先頭と2秒差の素晴らしいスタート、今年度は全然姿を見せていませんでしたがそれでも駅伝では全く外さない安定感があります。2区の帰山も区間2位で総合2位は変わらず、先頭とも3秒差とここまでは理想的な展開でしたが…3区の桑田が区間9位、2→7位とここで優勝争いから脱落してしまうことに…4区の伊藤が区間2位の好走も5区の菅谷は区間8位とほろ苦い3大駅伝デビューに…6区の山川も区間2位ということで4区間で区間2位も上位4校はいずれも崩れる区間が無かったこともあって総合5位となりました。

6位:城西大学

1区の柴田は区間7位、十分にスターターの役割は果たしてくれました。2区の小林も区間5位とこちらも上々の走りを見せると、3区のキムタイは他の留学生を寄せ付けない圧巻の走りで区間賞を獲得、区間記録にも4秒に迫る走りで先頭に立ちました。3年連続3区区間賞というのも素晴らしいですね。しかし、4区の小田は区間9位、5区の大沼は区間10位とこの2区間は苦戦して総合5位に交代、6区斎藤も区間7位ともう一歩で総合6位でのフィニッシュとなりました。前半区間が良かっただけに後半がちょっともったいなかったですね。

7位:青山学院大学

最も衝撃的だったのは青学が7位に沈んだこと、6位以下になるのは2013年の箱根で8位だった時以来13年ぶりのことであり、箱根優勝以降6位以下を取っていませんでしたが、まさかの結果となりました。1区の小河原が区間6位はタイム差を考えても決して悪くは無かったですが…2区の折田が区間10位に沈んでしまい、総合11位に後退。さらに3区の飯田も区間10位ということでチームの中心となってほしい2年生を前半区間に起用した青学でしたが、5千の持ちタイムトップ2である折田、飯田が揃って二桁順位というまさかの結果に。


4区のルーキー神邑は区間8位ですがこれは状況を考えれば仕方ないですね。それでも力を発揮するのが4年生、5区塩出が区間賞の走りを見せると、6区黒田朝日も連続区間賞で10→7位と3つ順位を上げる快走で4年生の意地を見せてくれました。

8位:帝京大学

1区の楠岡が区間3位と素晴らしい走り、前年度から台頭してきましたが今年度はもはやエースの1人ですね。2区の島田も区間7位と粘って総合4位とここまでは良い流れでしたが…3区に抜擢された小林が区間11位と苦しい走りになってしまい、総合8位にまで後退。それでも4区の原が区間5位、5区の鎗田が区間6位とそのままズルズル下がらずに粘ったのは総合順位こそ8位のままも収穫でした。6区の谷口も区間8位で総合8位、3区以外は力を発揮できたといえる結果でしたし、出雲を比較的苦手としている帝京として悪くない走りだったのでは。

9位:東洋大学

1区に起用された松井が11位で関東勢最下位と苦しいスタート、今年度のエースとして期待される選手ですが、ほろ苦い3大駅伝デビューとなりました。2区の内堀は区間9位、3区の迎は区間8位ということで主要区間であったことを考えるとまずまずかな。4区の濱中は区間10位、5区の馬場は区間9位で総合11位と関東勢最下位に後退しましたが、6区の宮崎が区間6位と6区間で最も良い順位、2人を抜いて9位に浮上したのは収穫でした。全日本がないのは久しぶりですが…箱根に繋げていってくれれば。

10位:中央大学

1区の岡田が区間賞の素晴らしいスタート、あのスパートは完璧でしたね。強かったです。しかし2区の濱口が区間11位に沈んでしまい、総合でも10位と一気に下がってしまうことに。3区の溜池、4区の駿恭とエースたちが揃って区間7位にとどまり挽回出来なかったのが痛かったです。そんな中で5区3位で走った佐藤は素晴らしかったですね。岡田とともに2年生の快走が光りました。しかし、6区の本間が区間10位で総合でも10位…優勝候補にも名前が挙がっていた中央ですが、やはり出雲は厳しい結果に…出雲にはいまいち合わせてこないですよね、勝つ可能性が最も高いのが出雲だと思うのですが…

11位:東京国際大学

1区の菅野が区間8位とまずまずのスタートをきると、2区の小柴も区間8位でまとめたのは良かったかな。3区のエティーリは区間3位ということで、箱根2区区間記録保持者であることを考えると、ちょっと物足りなかったかなあ。。。4区の中山が区間11位、5区の久保も区間11位とともに関東勢最下位となってしまうことに。しかし、それ以上に6区川内はふらふらになってしまうアクシデント、区間22位で総合11位と関東勢最下位に下がることに。それでも何とかタスキを繋げてよかったです。東京国際も東洋と同様に次は箱根ですから、ここから立て直しての連続シードを目指したいところ。