日本選手権10000m(2025/04/12) 結果振り返り ~芽吹が悲願の初優勝~

お久しぶりです。昨日、日本選手権1万mが行われましたので、レース結果を入賞した選手を中心に見ていきます。強い雨が降る中、ペースメーカーが予定よりも早く外れてしまうなど波乱もありましたが、そんな中でも実力者が好結果を残しました。

順位競技者名所属記録
1位鈴木 芽吹トヨタ自動車27:28.82
2位葛西 潤旭化成27:33.52
3位吉居 大和トヨタ自動車27:36.33
4位塩尻 和也富士通27:47.58
5位鈴木 勝彦SUBARU27:52.90
6位吉田 祐也GMOインターネットGrp27:56.30
7位荻久保 寛也ひらまつ病院27:56.49
8位太田 智樹トヨタ自動車27:57.96

優勝を果たしたのはトヨタの芽吹、素晴らしいレースでしたね。序盤は後ろの方につけていましたが、ずっと前回覇者である葛西をマークしてのこと、葛西に合わせてポジションを上げていき、ずっと後ろについていました。そして、ラスト1000mで満を持してのロングスパートで抜けだし、そのまま追いつかれることなく勝ち切りました。駒大在学時、2年にして1万mで3位と表彰台に上がりましたが、その後は怪我に苦しみましたからね。3大駅伝で区間賞はあってもなかなかトラックで優勝はなかったのですが、日本選手権という大舞台で成し遂げました。


2位に旭化成の葛西、連覇にはあと一歩届きませんでしたがそれでも葛西の強さを見せてくれました。優勝候補の1人である芽吹に徹底的にマークされるというのもやりにくかったでしょうし、そこまで状態は上がりきっていないという話でしたが、これだけの走りを見せられるのはやはり力があります。


3位にトヨタの大和が入り、トヨタで同期の芽吹、大和の2人が1,3位とダブル表彰台ということに。ずっと先頭付近でレースを進め、ペースメーカーが外れた後は一時期集団から抜け出す積極的な走り、終盤に追いつかれるとラストスパートにはついていくことはできませんでしたが、それでも自己ベストでの3位は素晴らしい。


中大在学時、1年にして5000mで3位に入っているんですよね。そのあとはロードで大活躍を見せるもトラックでは1年時が最も輝いていたのがもどかしかったのですが…5年ぶりに日本選手権で表彰台に上ったのは嬉しいですね。トラックでもトップクラスの走りを見せてほしい。


4位に富士通の塩尻、日本記録保持者が表彰台にはあと一歩届及ばず。ずっと先頭付近でレースを展開、やはりペースメーカーが外れた後のレースは難しかったか。3人の先頭集団からは遅れてしまいましたが、それでも4位は確保しています。どうしても日本新記録を叩き出した日本選手権の印象が強烈で期待も大きくなってしまいますが、苦戦していた一時期よりはまた安定感が出てきた気が…

5位にSUBARUの鈴木、入賞した選手の中では一番のサプライズだったかな。大学時代からトップクラスだった選手が上位をズラッと占める中、城西在学時はそこまで目立った選手ではなかったですが…実業団に進んでからは着実に力をつけて自己ベスト連発、1万でも27分台に乗せてきましたが日本選手権という大舞台でもさらにベストを更新する素晴らしい走りでした。


6位にGMOインターネットの吉田、すでにマラソンで世界陸上を決めていてマラソンで何度も好走を見せていますが、トラックでも力のあるところを見せました。今のマラソンはスピードも大事になってきますからね。世界陸上でも好走を期待したいところ。


7位にひらまつ病院の荻久保、5位の鈴木とともに城西OBが2人入賞を果たすことに。荻久保も実業団に入ってからはずっと高いレベルで結果を残しています。ひらまつ病院に移籍してからもそれは変わらずですね。トラックでもロードでも抜群の強さを誇ります。


8位にトヨタの太田、優勝候補の1人でしたし、入賞こそ果たしましたがこの結果はらしくはないですよね…ただ、丸亀ハーフで日本記録をマークしたり、エキスポ駅伝に出場したりと毎月のようにレースに出場していましたからね。なかなか今大会に合わせるのは難しかったのでは。


大学生では唯一出場した中央の本間が28分15秒で10位と上々の走り、さすが箱根3区区間賞の実力者です。大和の後ろを本間が走っているところはグッとくるものがありました。