箱根終了後に考える全日本(2025年度)の展望その2 ~全日本シード校~

状況

続いては、全日本シード校(國學院、駒澤、青学、創価、早稲田、城西、立教、帝京) に対し、全日本における現段階での展望を述べていきます。たまに予選会校から優勝を果たすこともありますが、基本的にはシード校の中から優勝校が出ることがほとんどです。来年度の場合、中央は優勝争いに絡む可能性はありそう。シード校の入れ替えは大体2校前後が多いです。

國學院大學

前回王者として連覇を狙う國學院、8人中6人残っているのは強みですが、卒業する2人が6区区間新の山本と7区を担った平林というのが大きいです。ただ、主要区間は前回担った青木、辻原、上原の3人に加えて野中、8区ならば高山というのもありそうですし、主要区間を任せられる選手は揃っています。選手層の厚さも國學院の大きな武器なのでつなぎ区間も心配なし。前回1区を走った嘉数に箱根を走った吉田、飯國、尾熊といった1年もハーフで好タイムをマークしており、来年度も優勝候補の一角に名を連ねることになりそう。

駒澤大学

出雲、箱根はともかく全日本だと現時点で来年度の優勝候補は駒澤になりそうかな。全日本を非常に特異としているのもありますし、前回2位に入ったメンバーが7人残り、そこに圭汰が加わるだけで8人揃ってしまいます。主要区間である2,3,7,8区を担えるのが前回走った桑田、伊藤、山川に圭汰、谷中、帰山と揃っていますし、つなぎ区間に主力も起用できますからね。現状、3大駅伝に今年度出場した10人はいずれも力がありますし、極論を言えば新戦力の台頭がなくても現有戦力にアクシデントがなければ十分に優勝は狙えそう。ただ、箱根を見据えると大幅な戦力アップが必要になってきますが…

青山学院大学

前回はアンカー勝負に敗れて3位、前回メンバーも5人抜けることとなります。それでも来年度の青学も十分すぎるほどに強いはず。前回走った折田、黒田朝日、塩出に箱根に出場した宇田川、小河原、全日本経験者の荒巻に2年の鳥井、平松、1年は黒田然、佐藤愛、遠藤、佐々木、安島、飯田ら全日本を走ってもおかしくない選手がズラッと揃います。主要区間を誰が担うのかはちょっと悩ましいですが、朝日が7区、塩出が8区ならば長距離区間は埋まりますし、折田以外にも荒巻、小河原ら2,3区を走れそうな選手は多そう。強い4年生が抜けても変わらずに優勝争いに絡んでくるのが青学なんですよね。

創価大学

前回メンバーからは吉田響、吉田凌、小暮の3人が抜け、その影響は大きいですが…故障明けだったムチーニが5区だったこともあり、本来は7区ムチーニ、8区野沢で長距離区間は盤石です。2,3区は石丸惇、山口、織橋らが候補になってくるか。黒木、小池、齊藤大に石丸修、浦川ら1年もどんどんタイムを伸ばしていて全日本メンバー争いに入ってきそう。総合力はそこまで今年度とそこまで変わらなそうで、連続シードも十分狙えるでしょうが、ムチーニ、野沢に続くエースの台頭が無いと今回のように4位に入ってくるのは難しそう。

早稲田大学

前回メンバーからは伊藤大、伊福の2人が抜けてその影響は大きいですが、いずれもつなぎ区間ではあったんですよね。2区山口智、3区藤本、7区長屋、8区工藤と主要区間経験者は残り、藤本はさすがに次はつなぎ区間だと思いますが、山口峻は箱根でも快走を見せて主要区間も任せられますし、新入生の鈴木、佐々木の2人がいきなり2,3区のように主要区間を任されても驚きはありません。工藤は大学を代表する選手となってきましたし、優勝争いに名を連ねることになりそう。

城西大学

林、平林、久保出と3人が抜けることに。過去2大会は3区キムタイ、4区斎藤でうまくいっていますが、4区終了時で好位置にいてもその後がやや厳しく…どちらかは7区に残したいですよね。8区は桜井に任せるのも良さそうで、2区は前回走った柴田もいますし、鈴木も候補か。中島に小林、三宅と期待の1年生も全日本メンバー争いに入ってきそうで、来年度も十分にシードが狙える戦力を維持してくれそう。

立教大学

林、稲塚、山口、安藤と初出場で初シードを獲得したメンバーからは4人が抜けることに。馬場が絶対的エースとして君臨、順当ならば7区を担うことになるかな。あとは例えば國安が2区、吉屋が3区、山口が8区のような布陣だと主要区間は埋まりますが、全員が最上級生になってしまうんですよね。箱根を2度走っている原田はもちろん、高田、木島、木代ら2年生の台頭も求められます。前回シード校の中ではちょっと戦力的には劣るように見えるだけに、新戦力の台頭が連続シードには求められます。

帝京大学

山中、福田、小林大と3人が抜けますが、2,7,8区と主要区間を走った3人がそのままいなくなるのが痛いですね。前回の全日本経験者がそのまま主要区間を担うとすれば、2区島田、3区柴戸、7区尾崎、8区廣田みたいな布陣もありそう。楠岡や小林咲らも主要区間を走ってもおかしくないですし、藤本、原、浅川、松井ら全日本のメンバー争いも引き続き激しそう。ただ、今年度と比べると現時点でエースが抜ける穴は明確に大きいだけに、エース区間で勝負できる選手が出てこないと連続シードは大変そう。

まとめ

前回トップ3だった國學院、駒澤、青学の3校に早稲田が優勝争いに絡んできそうかな。戦力ダウンが大きい青学は全日本だとやや優勝候補の中では苦しそうな気もしますが、選手層の厚さは随一です。全日本を得意とする駒澤が少しリードしているかなとは思うのですが、決して抜けているわけではないですし。そして早稲田は正直期待しか無いです。優勝するなら来年度という気もするんですよね。3冠以来3大駅伝に勝てていない状況が続いていますが…終止符を打つのも近そう。


シード争いとなると、この4校に加えてシード校の中では創価と城西の2校はシードの可能性が高そうで、残り2枠の争いに立教や帝京が加わることになるのかなあ。立教は主力が複数抜けていますし、帝京は明確にエースが抜けているのでどちらもその穴を埋めるのは大変そうですからね。全日本シード校が来年度も強さを見せてくれるのかは要注目です。