箱根終了後に考える全日本(2025年度)の展望その1 ~全日本予選会校~

状況

続いては、11月に行われる全日本における現段階での展望を述べていきます。すでに出場権を獲得しているのはシード校(國學院、駒澤、青学、創価、早稲田、城西、立教、帝京)の8校、ここに予選会を突破した7校の合計15校が関東から出場します。ここ数年は上位15校がそのまま関東勢となっています。


今回はシード校以外で前回全日本に出場した7校に対し、現時点での区間配置の展望などを簡単に見ていきます。どこも予選を通過してくる前提となります。全日本シード校で箱根シードを逃したのは立教のみ、箱根シード校で全日本シードを逃したのは東京国際、中央、東洋の3校で箱根シードかつ全日本不出場の大学はいませんでした。

東京国際大学

前回9位の経験者はベット、中山、大村、川内と4人います。ベットは2年連続で2区を走っており、来年度も走るとすれば同区間か。さらにエース格の菅野も出場していないため、例えば3区大村、7区菅野、8区川内のような主要区間となりそう。ただ、これだと留学生以外は最上級生となってしまうため、現2年生以下から主要区間を走れる選手が出てきてほしいところ。2年の松田、久保、1年の小柴、古賀あたりに期待したいところ。東京国際は全日本を比較的得意としていますし、来年度シード返り咲きを果たしたとしても驚きは無いです。

日本体育大学

日体大が前回10位だったのは上々の結果でした。来年度も平島、山崎、田島、浦上と主要区間を任せられる選手が揃っているので、例えば2区平島、3区山崎、7区田島、8区浦上のような布陣を組めます。日体大も東京国際と同様にこのままだと主要区間は最上級生が占めることになりそうで、そこに割って入るのは容易では無さそう。現状だと5番手は二村でしょうし、3年生は力が抜けていますからね。瀬戸、天瀬、吉田らに期待したいところ。総合力では今年度の方が上でしょうし、シードとなると難しいか。

大東文化大学

前回出場者は入濱、棟方、大濱、中澤と4人残っており、このうち入濱、棟方、大濱の3人はそのまま主要区間を走ることになるでしょう。例えば2区大濱、3区入濱、7区棟方のように…もう1区間はキプロップが走ってくれると助かるのですが、留学生の走りがこれまで以上に大事になってきそう。つなぎ区間を任せられる選手は庄司、宮倉、清水、松浦などズラッと揃っていますし、大東大はどんどん新戦力が台頭していますから、心配いらなそう。主要区間でシード校と勝負出来ることとキプロップの走りがシード返り咲きに向けては鍵を握りそう。

中央大学

全日本は12位でまさかのシード落ちでしたが…箱根予選も無くベストな布陣で臨むことが出来ることを考えると、優勝争いに絡んできてもおかしくない大学ですし、シード獲得は最低限の目標かな。むしろ全日本予選の方が少し不安なくらい…2区溜池、3区駿恭、7区本間、8区白川のようにスピードのあるエースを前半起用の方が中央は良さそうな気がしますが…岡田も主要区間を担うべき選手ですし、つなぎ区間も吉中、柴田、藤田、佐藤大、並川、原田に新入生もメンバー争いに入ってきそうですし、充実の戦力を誇ります。前回合わせられなかった反省を十分に活かして全日本に臨めれば、大暴れしてくれそう。

東洋大学

前回は万全でない4年生を起用して13位…そんな中でも7区緒方、8区岸本の走りは光りました。2,3区のどちらかは松井に走って欲しいかなあ。エースになって欲しい選手ですし。箱根で良かった網本を長距離区間に起用出来れば、2区松井、3区緒方、7区岸本、8区網本のような布陣が組めますね。宮崎、迎、西村と箱根を走った選手も候補になってくるかな。主要区間を任せられる選手は多いです。他にも全日本を走った濱中、久保田、箱根を走った内堀、薄根と前年度は故障に苦しんだこともあって3大駅伝経験者はズラッと揃います。戦力としてはシードを獲得してもおかしくないのですが…この4年で3度シードを逃す苦戦ぶりを考えると、容易では無さそう。

神奈川大学

前回は14位とシード争いには全く加われず…ただ、前回経験者は7人残っているのは強みです。箱根予選でも話しましたが、箱根に出場した10人全員が3年生以下ですからね。主要区間はまさに今回走った2区酒井、3区宮本とスピードもあるエースを前半に、7区西坂、8区志食のようにスピードよりもロードやハーフに強い選手を長距離区間に起用するのが良いとは思うのですが、それで前回苦労したのが悩ましいところ。前半ならば大岩、滝本、新妻、後半ならば中野らも候補になってくるかな。8区間の出場争いは激しいのですが、シード争いに加わるにはエース力も全体の大幅なレベルアップも必須かな。

東海大学

箱根予選落ちに続いて全日本では関東勢最下位の15位、箱根予選の精神的なダメージは計り知れないものがあったでしょうし、全日本も奮わなかったのはやむなしかな。主要区間を担える選手は揃っていて、例えば2区兵藤、3区鈴木、7区花岡、8区南坂のような布陣が組めますし、最長区間の8区ならば竹割、他の主要区間に檜垣というのもありですから、戦力は充実しています。つなぎ区間も草刈、ロホマン、永本、可児ら任せられる選手はいますからね。これだけ見るとシードを獲得してもおかしくないのですが…3大駅伝での苦戦ぶりを考えると難しいと思えてしまう。

まとめ

よほどのことが無ければシードを獲得しそうなのは中央くらいで、ハマれば東京国際、大東大、東洋も狙えるか…といった印象かなあ。戦力としては大東大、東洋の方が東京国際を上回ると思うのですが、全日本での強さでは東京国際が上だと思うので…東海は箱根予選もありますし、全日本予選以外はピークを合わせられていないのは気がかり。日体大、神奈川大学は現状だと出場は出来てもシード争いは難しそうという印象です。


全日本のシードは8枠しかありませんし、前回シード校で来年度明らかに戦力が苦しいチームも無いだけに、予選会校からシードを獲得するのは大変です。そもそも、まずは誰も失敗できずコンディションも過酷になりやすい全日本予選を突破しないといけませんからね。それでも、シード落ちから来年度躍進を果たす大学が出てきてほしいですし、その活躍に期待したいです。