第101回(2025年)箱根駅伝振り返り ~東洋大学~

箱根振り返り

続いては東洋大学における箱根駅伝の振り返りと来年度に向けての展望を述べていきます。箱根結果はこのようになっております。往路当日の4枚替えに絶望し、2区終了時には今度こそシードは無理かと思いましたが…それでもシードを獲得するのが東洋の強さですね。総合順位は最高でも8位とよくてシード争いという苦しい状況でした。


1区の小林は区間11位、明らかに万全では無かったですが集団を引っ張る場面も多く、それでいて区間2位とも13秒差ですから十分にスタータの役割は果たしてくれました。2区の緒方は区間最下位、梅崎にアクシデントがあって急遽の2区ですし、これは仕方ないですよね。むしろよく68分台でまとめてくれたと思います。ここで総合19位まで下がることに。


しかし、3区のルーキー迎が区間8位と見事な走りで19→16位と3つ順位アップ、出雲にも出場している期待のルーキーですが、それでもここまで走るとは思いませんでした。この走りがまず大きかった。2年前の小林を思い出させます。さらに4区の岸本が区間3位の快走で16→9位と7つも順位アップ、あっという間にシード圏内に入ってきました。前回10区区間賞を獲得している実力者ですが、往路でも強いです。


5区の宮崎も区間9位と上々の走り、ここをルーキーが人桁順位で走ったのもチームにとって大きかった。総合順位は変わらずに往路9位、11位とは41秒とシード争いとしては予断を許さない状況に。4区以降はずっとシードラインを見ながらのレースでしたね。6区の西村は区間9位と2年連続で1桁順位の走り、今年度の駅伝シーズンはやや苦戦していましたが、それでも箱根には合わせてくれました。7区の内堀は区間12位と決して悪い走りでは無かったのですが、他のシードを争う大学が揃って好走したことで9→12位とシード圏外に下がってしまうことに。それでもまだ14秒差と大接戦の状況。


ここで8区の網本が区間2位と快走を見せたことで12→9位と再びシード圏内に戻ってきました。8区もシードを争う大学はどこも良かっただけに、この走りはあまりにも大きかった。出雲では苦戦しましたが箱根では存分に力を発揮しました。9区の吉田は途中からずっと苦しそうな表情でしたがそれでも区間7位、熾烈なシード争いを繰り広げる大学の中ではトップとなる8位でタスキをつなぐことに。一度遅れても再び追いつき、追い抜く走りは感動的でした。11位とは32秒差とまだわからない状況に…


そして10区の薄根は区間10位、といっても区間順位はもう関係無いですよね。早い段階で後続に追いつかれ、ついには4人の集団になってしまうことに。4人中3人がシードを獲得という中で決して遅れられないレース。それが最後までですから精神手プレッシャーはとてつもないですよね。そんな熾烈なシード争いを制し、総合9位でのフィニッシュで記念すべき20年連続シードを勝ち取りました。

来年度に向けて

箱根を走った4年生は1区小林、9区吉田の2人だけなのですが…他にも2区予定だった梅崎、4年時に復活を果たした石田らも抜けることになりますから、その影響は大きいです。箱根には永吉、増田もエントリーされていましたし、エース力も選手層もある学年でした。3年生は人数こそ少ないですが、緒方、岸本、西村、網本と箱根に4人が出場、チームの中心学年となっています。4人とも3大駅伝で主要区間を担える選手たちですからね。箱根では岸本、網本の快走が光りました。


2年生は箱根に出場したのは薄根のみですが…濱中は出雲・全日本に出場、久保田は全日本に出場しています。他にもハーフでは倉本が62分台のベストをマークして一気に躍進、箱根5区を希望していました。故障が多いですがスピード抜群の田中、全日本エントリーの藤本らもいて、エースの台頭は待たれるものの、選手層を厚くしてくれそうな学年です。


1年はすでに迎、宮崎、内堀と3人が早速箱根に出場、松井も5区予定だったという話ですし、故障前のトラックシーズンはだ活躍でしたからね。エース候補の1人です。他にも馬場、陣内、藤本祐、杉浦らが持ちタイムでは上位、エース力も選手層もありそうな学年です。新入生もすでに発表されており、持ちタイムでいきなりトップ10に入る選手はいませんが、飯田、生天目、小名らが持ちタイム上位、勝負レースでは岸本が実績豊富です。持ちタイム以上にロードの強い選手が複数いて、今後が楽しみ。


来年度も戦力は充実していますが、それよりも3大駅伝に合わせられるかどうかが本当に大事になってきそう。今年度は結果として3大駅伝全てでベストメンバーを組めず…主力を欠いたり故障明けの選手も多かったですからね。それでも箱根でシードを獲得したのは東洋の意地を感じましたが、3大駅伝で苦戦することが増えてきたのは心配…来年度はまた3大駅伝全てで強い東洋の姿を見せて欲しいです。