第30回(2025年)都道府県対抗男子駅伝 展望
明日、駅伝シーズンの締めくくりともなる都道府県対抗男子駅伝が行われます。区間配置も発表されましたので、有力都道府県を中心にレースの展望を行っていきます。大学・実業団、高校生、中学生が揃う今大会、優勝を狙うには高校生の走りが最も大事になります。一般、中学生が2区間なのに対し高校生は3区間で走る距離も最も長いですからね。ナンバーの若い順に入賞や優勝争いに加わりそうな都道府県を何チームか見ていきます。
宮城県は前回32位、都大路で仙台育英が3位、東北も12位と高校生が強力、1区近江、4区若林、5区前川ということでこのメンバーを見ると順当にも思えるのですが、補欠になったのが都大路で3区2位の快走を見せた鈴木なんですよね。高校区間は強力ですが、鈴木が走れないのは痛いのでは。一般も3区がトヨタの吉居大和、7区が青学の白石と実力者が揃います。前回は大苦戦でしたが、そこから大幅に順位を上げてくることが期待されます。
福島県は前回13位、都大路で学法石川が5位と好結果、1区増子、4区栗村、5区村越という高校生区間となりました。1区増子は非常に楽しみですが気になるのが5区。栗村という都大路で1区6位だった実力者を差し置いて5区に抜擢されるほどなのか栗村の状態がもう一歩なのか…5区が命運を握ることになりそう。中学生区間も弱くは無いですし、一般も3区に駒澤の谷中、7区に早稲田の山口智と3大駅伝で結果を残す大学生2人を起用しており、今回は入賞も十分あり得そう。
埼玉は前回2位に入っているのですが、今回は良くて入賞争いかも…1区馬場、4区大江、5区岸本となっていますが、馬場は都大路でも3区12位で走っていますがまだルーキーでさすがに荷が重い気がしますし、全体的に高校生区間は苦労しそう。前回2位の立役者だった一般は3区川田、7区木榑と実力者ではありますが、やや未知数な部分も…前回3区2位の久保田が補欠になるほど他の二人が好調となれば楽しみなのですが、前回と比べても今回はかなり厳しそうかな。
千葉は前回3位、都大路でも八千代松陰が4位、西武台千葉が17位に入っています。高校No.1の鈴木は順当に最長区間の5区、1区阿部も都大路では1区8位の好走、4区松村も含めて高校生区間は強力です。一般は3区が富士通の小澤、7区がトヨタ紡織の羽生とどちらも強力でハマれば前回のように表彰台を争う走りを見せてもおかしく無さそう。チームとしてはもちろんですが、やはり鈴木が都大路に続いて区間新を出すかにも注目しています。
長野は中止を挟んで3連覇中、史上初の4連覇を目指します。都大路では佐久長聖が連覇を達成、1区濱口、4区石川、5区佐々木と高校生区間は全都道府県の中でも最強クラス、中学生区間も今回は力のある選手が揃っています。その一方で気になるのは一般、3区が順大の吉岡、7区が早稲田の伊藤となっており、ともに力のある選手ではありますが優勝候補と比べると明確に上回っているわけでは無いかな。4連覇を達成するかどうかは高校生がどれだけ稼げるか一般がどれだけ耐えられるかということになりそう。優勝しても納得の戦力です。
京都は前回4位、都大路では洛南が9位となっていますがこれはベストな布陣を組めなかった影響も大きかった。今回は1区井上朋、4区橋本、5区三宅とベストと呼べる布陣になったのは大きいです。こちらも全都道府県ではトップクラスかと。一般は3区が中央の並川、7区が大阪ガスの西ということで、並川の走りが大事になってきそう。再び入賞する力も十分です。
兵庫は前回5位、都大路では西脇工業が13位、須磨学園が16位となっています。1区新妻遼、4区衣川、5区藤岡となっており、選手は揃っていますが都大路で3区4位だった上田が補欠なのは気になるところ。一般は3区が立教の國安、7区が亜細亜の片川ということでこれも強いのですがニューイヤー1区区間賞の長嶋が外れているんですよね。ベストな布陣が組めれば表彰台に入ってくる力はあると思っていましたが、そこからは一歩後退した印象も…
岡山は前回6位、都大路では倉敷が10位となっています。1区北村、4区大倉、5区首藤と都大路で1,3,4区を走った3人がそのまま高校生区間を担っているので、これは万全の布陣と言って良いでしょう。そして最注目は一般区間は3区黒田然、7区黒田朝日と青学で活躍する兄弟で担うことになります。これは非常に楽しみ。中学生区間も今回は強いだけに前回を上回る走りも期待出来そう。
福岡は前回7位、そして都大路では大牟田が2位と大活躍でした。1区辻、4区森本、5区松田ということで、都大路で1区2位だった本田はおらず、4区区間賞の野田も補欠となってしまいました。これでも強いのが福岡の恐ろしいところなのですが、戦力ダウンは否めないかな。一般は3区が國學院の山本、7区がトヨタ九州の大城となっており、こちらもまずまずかなあ。中学生区間も力はありますし、今回も入賞争いに加わってきそう。
佐賀は前回26位、都大路では鳥栖工業が7位入賞を果たしました。1区今村、4区石川、5区岩佐と都大路で1,3,4区を担った3人がそのまま高校生区間を担う盤石の布陣。そして一般は3区にひらまつ病院の上野、7区に安川電機と強力な布陣です。中学生区間は他の上位候補と比べるとやや苦しいかもしれませんが、総合力は高く楽しみなチームです。
熊本は前回18位、都大路では九州学院が6位入賞を果たしています。1区椙山、4区一ノ瀬、5区増永と揃っていますが、都大路で3区3位だった門間が外れてしまったのは痛いかな。一般は3区に青学の鶴川、7区に旭化成の井川とそれぞれ箱根とニューイヤーを制した実力者が揃っています。中学生区間も決して弱くは無いですし、入賞争いやさらに上位に入ってきてもおかしく無さそう。
優勝候補筆頭は長野だと思うのですが、前回のように抜けてはいないと思うんですよね。その一方で続くのがどこかと言われると悩ましいところ…高校も一般も盤石の布陣と呼べるような都道府県は正直どこも無い気がしていて戦力は拮抗していそう…結果として、優勝争いや入賞争いが混戦になる可能性も。他の駅伝と比べるとお祭り的な意味合いも大きいですし、比較的気楽に見れるのも魅力かな。前回は区間新記録が多くでましたし、今回もハイレベルなレースを期待したいです。