第101回(2025年)箱根駅伝振り返り ~日本大学~
続いては日本大学における箱根駅伝の振り返りと来年度に向けての展望を述べていきます。箱根結果はこのようになっております。1万mで28分台の自己ベスト連発でもう少し勝負出来るかと思ったのですが…まさか最下位に沈むとは思いませんでした。

1区の安藤は区間18位、前の17位と15秒離されたのも痛かったですね…前回は3区4位と最高の走りを見せていたのですが、最後の箱根はほろ苦い結果に…2区のキップケメイは区間14位と前回の10位よりもさらに順位を落としてしまうことに。箱根予選で2年連続全体トップの快走を見せていますが、箱根で振るわないのは気になりますね。前回は日本の寒さに苦労したという話もありましたが、まだ寒さは苦手なのか…
3区の冨田は区間最下位で13→19位に後退してしまうことに。箱根予選ではチーム4番手と好走を見せている実力者なのですが、それでも箱根の往路となると厳しいですね…4区の大仲は区間17位、こちらは箱根でチーム2番手の快走を見せた選手、箱根予選で良かった選手が箱根では苦戦している傾向がありますね。これは来年度以降に向けても気になるところ。
5区の鈴木は区間15位、決して悪い走りでは無かったかな。箱根予選ではチーム9番手とやや苦戦したのですが、そこから大事な5区で崩れることなくまとめてくれました。19→17位と2つ順位を上げて往路を終えることに。6区の山口月は区間19位、総合でも再び19位に下がることに。2年連続の同区間で同じ区間順位ということに…持ちタイムは着実に伸ばしているのですが、箱根予選も箱根も厳しい走りが続いています。
7区の長谷川は区間最下位で総合でも最下位に下がってしまうことに。上尾ハーフでは63分台で走っていたのですが、3大駅伝・予選会でエントリー自体初めてでしたが、苦すぎるデビューとなりました。8区の大橋も区間区間19位、前回は5区を走っており、5区と8区を入れ替えた結果となりますが、前回と同じ区間順位となりました。
9区の小路は区間19位と浮上のきっかけはつかめず…1万でぐっと持ちタイムを伸ばしてきましたが、こちらも初の箱根は厳しかった。10区の山口彰が区間15位、10区間で最も良いのがキップケメイの区間14位、後は区間15位に鈴木&山口彰だけだったことを考えても良く走ったのでは。全体としては区間19位以下が5区間となかなかレースに加われなかったですね。
4年生は色々あった世代で人数が少なかったこともあり、箱根を走った経験があるのは安藤、大橋の2人のみ、箱根予選を走っているのも岡田だけなので、エースの1人として活躍してきた安藤が抜ける影響は特に大きいですが、他大学と比べるとそこまで卒業生の穴は大きく無いかな。今回の箱根経験者が8人残るには大きいですし、箱根16人にエントリーされた選手を見ても菅原、高田、山口聡、長澤と1万で28分台のベストを持つ選手が揃っており、前回9区を走っている中澤もいます。
それだけ選手は揃っているのですが…だからこそ心配なのが今回の箱根で最下位に沈んでしまったことです。箱根予選も悪くない走りでしたし、その後の自己ベストラッシュは箱根に向けて期待が高まるものでしたが、そういった選手が箱根で力を発揮出来なかったですからね。1万でタイムを伸ばしたとなると、次はハーフに強い選手、駅伝で結果を残せる選手の育成が必要になってきます。
箱根エントリーメンバー以外では、ハーフで好タイムを持つ2年の天野は完全復活が待たれる選手の1人。全日本予選を経験している片桐もいます。3年生がチームの中心ではありますが、2年生も今年度は一気に戦力となる選手が増えてきました。ルーキーは長澤以外にも全日本予選にエントリーされた橋本、黒川、箱根予選でメンバー入りの花輪、1万でタイムを伸ばす重森、吉村らがいますし、まだ2,3年生と比べると目立っていませんが、来年度の台頭に期待。
今のままだと、箱根予選は突破出来ても本戦となるとシード争いには加われないチームという状況になってしまいそうな雰囲気が…キップケメイが箱根予選のような走りを見せてくれるのは必須として、往路をで勝負出来る日本人エースの育成が必要になってきますね。それも1人ではなく複数人必要になるわけで…3年遠ざかっていた箱根から2年連続で出場を果たしたのは素晴らしいと思いますし、来年度はさらにもう一歩先へ進めるような成果を残して欲しいです。