第101回(2025年)箱根駅伝振り返り ~早稲田大学~
続いては早稲田大学における箱根駅伝の振り返りと来年度に向けての展望を述べていきます。箱根結果はこのようになっております。目標としている3位まではわずか10秒届かなかったですが、今後に向けては十分に期待出来る結果となりました。

1区の間瀬田は区間4位と好スタート、前回の箱根以降は苦労しているように見えていましたが、大事な場面で最高の走りを見せてくれました。間瀬田に3年連続1区を任せられたのは大きかった。2区の山口智は区間12位、さすがに前半突っ込みましたかね…後半はやや失速してしまうことに。それでも大崩れすることなく走り切ったのはさすがです。
3区の山口峻は区間3位の快走、これが一番びっくりしました。期待のルーキーですが、まさかここまでの走りを見せるとは…タイムも素晴らしいですし、11→5位と一気に順位を上げました。今後はエース級になってくれそう。4区の長屋は区間8位、全日本7区での好走を見ると、まだまだいけそうな期待感がありますが…往路をしっかりと一桁でまとめてくれました。5区の工藤は区間2位の快走、本当に素晴らしい走りでしたね。6→3位と3つ順位を上げ、さらに区間3位にも1分19秒もの大差をつけたのも大きかった。
6区の山崎は区間5位の好走、これまで3大駅伝になかなか出場出来ずにいましたが、初の箱根で素晴らしい走りでした。工藤&山崎という2年生コンビの快走は来年度以降に向けても期待が膨らむばかり。7区の伊藤は区間11位、今年度は3大駅伝に合わせるのにちょっと苦労していましたが、伊藤の力を考えると順位・タイムともにもう一歩だったかな。8区の伊福は区間11位、当日に体調不良があったということですが、それでも3年連続の8区をしっかりと区間中位で走ってくれたのはさすがです。
9区の石塚は区間15位、今年度はなかなか状態が上がらずに出雲・全日本ともに回避し、箱根には間に合わせましたが、最後の走りは苦しい結果に…1年時からともにチームを貢献してきた伊藤・石塚の2人が最終学年に苦労したというのは、これまでずっと負担が大きかったのもあるのかな…4位の國學院よりは1秒前でタスキをつなぐことに。10区の菅野は区間5位と前回と同区間を同順位で走ることとなりましたが…3位争いでは敗れてしまい総合4位でのフィニッシュということに。それでも他の4年生が二桁順位と苦しむ中、3年連続のアンカーで好走を見せてくれました。
来年度も戦力が充実していることは間違いありません。往路を走った5人全員は3年生以下、6区を走った山崎もいますから、1~6区は来年度も同じメンバーで組むことが可能です。6人揃って今年度以上の走りを見せても何も驚きは無いです。
さらに都大路で1区区間賞の鈴木、3区区間賞の佐々木ら高校トップクラスの選手が加入することとなるのですから…往路優勝はもはや現実的な目標で総合優勝も狙えるチームになるのでは?と思えるほどです。しかし、その一方で箱根7~10区を走った伊藤、伊福、石塚、菅野が揃って抜ける影響というのは、非常に大きな戦力ダウンとも言えるんですよね。
他にも和田、草野らたたき上げの選手が箱根メンバー入りを勝ち取りましたし、スポーツ推薦が伊藤しかおらずにどうなるかと思ったこの学年は特に2年目以降は常に3人以上が箱根を走り、チームの選手層の底上げに大きく貢献しました。エース力となると来年度の方が上かもしれませんが、特に箱根では選手層がとにかく大事になってきますからね。
それでも3年生以下に楽しみな選手は揃います。出雲・全日本に出場した藤本、ハーフで62分39秒をマークし、箱根出場を最後まで争った宮岡の2人は来年度箱根出場が期待されますし、2年では箱根に出場した最強トリオに全日本にエントリーされた宮岡に武田、小平も来年度飛躍が期待される選手。ルーキーも吉倉、瀬間が箱根16人に入っていますし、持ちタイムも伸ばしていますからね。こういった選手が台頭してくれば、さらに箱根出場争いは激しくなります。
4年生が抜ける影響は非常に大きいと思っていますが、それでも来年度の早稲田は不安よりも期待の方が遥かに大きいです。3大駅伝優勝は3冠を達成した2011年度以来遠ざかっていますが…優勝争いに絡むだけではなく、実際に優勝を勝ち取るような走りを見せて欲しいです。