第101回(2025年)箱根駅伝振り返り ~駒澤大学~

箱根振り返り

続いては駒澤大学における箱根駅伝の振り返りと来年度に向けての展望を述べていきます。箱根結果はこのようになっております。ほぼベストメンバーを組むことが出来、力を出し切った結果と言えるのではないでしょうか。


1区の帰山は区間2位、先頭とは1分32秒差ということで、区間2位で走れるのであればもっと前を追ってほしかった気もしますが、マークしていたのは青学と國學院ですし、追っていって崩れる可能性も十分あり得たので仕方ないかな。2区の篠原は区間4位も順位を2⇒5位と3つ落とすことに。決して上りが得意とは言えない選手なだけに2区でこのタイムも順位も決して悪くないですし、これは上回った選手たちが素晴らしかったです。


3区の谷中は区間6位、ルーキーながら3区に抜擢されて全日本に続いての好走、タイムも順位も持てる力を発揮してくれたのでは。谷中が3区を担えたことで、故障明けだった圭汰を復路に残せたのも大きかった。4区の桑田も区間4位と全日本の悔しさを晴らす走り、ルーキーを連続して往路に起用するというのはまず駒澤はしてこないですし、2人への期待の大きさが伺えます。


5区の山川は腕を攣ってしまったということまおって区間4位、それでも区間4位で走れるのは素晴らしいのですが、全日本で3年連続区間賞という圧倒的な走りに比べると、箱根ではもう一歩力を発揮しきれていないもどかしさがあります。結果として往路は4位もトップの青学とは3分16秒離され、現実的に優勝は難しくなることに。


6区の伊藤は区間2位、タイムも57分38秒と素晴らしい走りだったのですが、これでも51秒離されるのですから、これまた相手を褒めるしかないですね。青学の2,5,6区は全て区間新ですし相手が素晴らしすぎました。7区の圭汰は1時間0分43秒という驚異的な区間新記録をマーク、区間2位にも1分38秒もの大差をつけていますし、故障明けとは思えない圧巻の走りで青学との差も2分27秒縮めました。


8区の海晴は区間4位、優勝争いという点では差を広げられてしまいましたが初の箱根で上尾ハーフでも悪くないもののもう一歩という結果だったことを踏まえても、持てる力は発揮してくれました。9区の村上は状況的に仕方ないですが前半から突っ込む走り、結果としてラストで先頭とのタイム差を広げられることに。区間5位でまとめましたが、もっと走れるはずという期待感もあります。


10区の小山は区間2位の好走、前半は先頭とタイム差を広げられましたが、後半はその差を少し縮めて27秒差の2位、優勝には届かなかったものの、復路優勝は果たすこととなりました。

来年度に向けて

来年度は出雲・全日本は強いでしょうし、優勝候補だと思います。往路を走った帰山、谷中、桑田、山川に6,7区を走った伊藤、圭汰だけで6人揃いますし、いずれも主要区間を走る力があるのは大きいです。特に全日本は駒澤が最も得意としていますから期待は大きいのですが…箱根となると優勝争いに加われたとしても、優勝するのは容易では無いでしょう。


今回箱根を走った10人のうち篠原を除く9人が残るのは強みで全員が区間6位以内で走っているというのも大きいです。ただ、今回の箱根はかなり理想的だったとも言えるんですよね。個人的に箱根を走ると思っていた10人がそのまま出場しましたし、箱根でベストメンバーを組めるということは他大学を含めてもほとんどないことです。来年度に向けて最大の課題は選手層をどれだけ厚く出来るか、多少の故障者や不調者が出ても戦力が落ちないチームというのはやはり強いです。


駒澤が3冠を達成したときは花尾、圭汰を起用出来ずとも勝ち切りましたし、新戦力の台頭は必須です。また、優勝を狙うとなると圭汰以外にも区間賞を狙える選手、区間賞争いというのも求められてくるかなと。ハイレベルな優勝争いで勝ち切るにはもう区間5位以内で走っても先頭と離されてしまうほどですから。


今回箱根を走った選手以外では、3年生では長い距離で安定している森重には復路のメンバー争いに絡んできてほしいですし、2年生では出雲・全日本に出場した島子は長い距離でも勝負できるようになって欲しい。他にも小松、新谷、植坂、工藤ら3大駅伝出場が待たれる選手が揃っています。ルーキーは現状だと谷中、桑田が抜けていますが箱根メンバー入りの坂口、なかなか姿を見せないですが高校時代に1万で28分台をもつ菅谷は個人的に期待している選手の1人です。


圭汰、山川、伊藤、帰山らが最上級生となる来年度は勝負の年ですし、今年度は3大駅伝全てで2位ということで、3大駅伝で5連勝を達成した後は4大会連続で2位という悔しい状況が続いています。まずは3大駅伝でどれか1つ優勝は達成したいところですし、最も難易度が高いであろう箱根優勝も果たしてほしいです。