第101回(2025年)箱根駅伝振り返り ~東京国際大学~
続いては東京国際大学における箱根駅伝の振り返りと来年度に向けての展望を述べていきます。箱根結果はこのようになっております。
1区の木村が区間14位も区間2位とは16秒差と好位置で繋いだのがまず大きかったです。箱根予選はチーム11番手と苦戦しましたが、3大駅伝では3大会連続の1区を全て良い位置で繋いでいます。2区のエティーリは65分31秒という区間新記録&区間賞をマーク、ヴィンセントの記録を抜きたいという話をしていたものの、箱根予選では2年連続もう一歩で大丈夫かなと思っていたのですが、宣言通りの走りを見せましたね。総合でも14→2位に浮上することに。
3区の佐藤榛は区間14位ということでこれまでの全日本や箱根予選会での強さを考えると、最初で最後の箱根はもう一歩だったかな…総合でも2⇒7位と5つ順位を下げてしまいました。4区の大林が区間10位で総合7位をキープ、大林が3年時まで3大駅伝・予選会に出場さえなかったのに、4年時に一気に主力となった全日本7区、箱根4区と好走したのはチームにとっても非常に大きかった。
しかし、5区楠木は区間18位に沈んでしまい、7→11位と4つ順位を落として往路はシード圏外に。最もタイム差のつく5区で最も下位に沈んでしまったのは苦しい…10位とは31秒差と現実的な差ですが、シード争いに絡む大学も多かったですし、正直シードは難しいと思ってしまいました。
そんな中、6区の中山が区間10位と中位でまとめ、総合10位に浮上、この後はもうずっとシード争いを繰り広げ続けることになりますが、中山も初の箱根でよく走ってくれました。7区の冨永は区間4位の快走、今回はシード争いをする大学が多く、どこも好走を続けていただけに、ここで区間上位で走れたのが良かったですね。2年目以降は故障に苦しむことが多かったですが、3年ぶりの箱根で前回に続く快走、総合でも9位に浮上しました。
8区の益田は区間14位で総合12位に下がってしまうことになりましたが、シードラインとは53秒差と現実的にシードが狙える位置ではタスキをつなぎました。それでも、9区の菅野が区間3位と会心の走りで総合11位に浮上し、シードラインとも21秒差にまで詰めました。箱根予選でチーム4番手で走っている菅野を9区まで温存出来ていたのも、結果として非常に大きかった。
10区の大村は早い段階で25秒差を追いつき、4人のシード争いに…ここまでくるともう区間順位は関係なくシードを獲得できるかどうかですが、勝負が決まる仕掛けを見せたのが大村であり、4人の集団の中でトップの走り、区間6位で総合8位、前回予選落ち、箱根予選も8位通過の東国大が見事にシードを獲得しました。
予選会は苦戦することがあっても、本選に出場すればここ数年は悪くても11位だったこともあり、シードを獲得する可能性は予選会校の中では高いと思っていましたが、それでも現実的には難しいと思っていたので…苦戦する区間がありながらも復路にも主力を残せる選手層が凄かったです。箱根予選にはチームとして上手く走れませんでしたが、大事な本戦にはしっかりと合わせてくれました。
4年生は怪我などもありましたが、東国大史上最高のスカウトだった学年でもあるんですよね。そこに4年間で台頭してきた選手が何人もいたため、今回箱根を走った選手だけでも1区木村、3区佐藤榛、4区大林、5区楠木、7区冨永、8区益田と往路を4人を含めて6人いますし、今回の箱根に出場していない箱根経験者が故障が続いたエース格の白井を含め、山岸、倉掛、吉住と4人いるので、大量10となります。
来年度の戦力ダウンとしては全大学でもトップクラスなのは確実で、ひょっとするとトップの可能性も…それだけに今回箱根シードを獲得したのはとにかく大きかった。来年度中心になるのは大エースのエティーリに加えて、箱根にエントリーされた3年生の菅野、大村、中山、川内の4人ということになってきます。川内は箱根は欠場しましたが全日本で2年連続8区を担っている選手ですし。後は1万で28分台を持つ森の復活も待たれます。
その一方で気になるのが2年生以下ですね。留学生を除くと箱根にエントリーされたのは小柴、政、古賀という1年生のみでいずれも箱根に出場は出来ていません。小柴、古賀は箱根予選にも出場していますし、政も自己ベスト連発でタイムを伸ばしていますから、来年度はメンバーに入ってきてほしい選手たちです。
2年生は箱根予選に出場した松田に個人的にはハーフでタイムを伸ばしている久保に期待しています。他にも1万でタイムを伸ばす菱田らもいますし、来年度に向けては下級生がどれだけ台頭してメンバー争いに絡んでくるか、出場する選手が出てくるかが大事になってきます。チームの中心学年が抜け、大幅な戦力ダウンは否めませんが…箱根シードは確保しているのは何よりも大きいですし、来年度もまた箱根シードを獲得できるような戦力を揃えていってほしいです。