第101回(2025年)箱根駅伝振り返り ~神奈川大学~

箱根振り返り

続いては神奈川大学における箱根駅伝の振り返りと来年度に向けての展望を述べていきます。箱根結果はこのようになっております。


1区の大岩が区間最下位と出遅れてしまったことで、チームとしても2区以降苦しくなってしまいましたが…箱根予選ではチーム2番手、全日本で1区を走っているチーム上位の実力者ですし、大岩でダメなら仕方ない気もしてしまいます。


2区の宮本は区間17位、エースの宮本が走るのが妥当ですし、最下位の位置で力を発揮するのは難しいですよね。こちらも良く走ったのでは。3区の酒井が区間16位、ここまで総合最下位は変わらずも決して悪くはなく…箱根予選でチームトップの選手を起用していますし、トップ3を起用して最下位ならばもうそれはどうしようもない。。。


4区の近藤は区間18位、こちらも箱根予選ではチーム5番手、全日本でも4区9位で走っている選手ですからね。全体的にもっと走れる力はあると思うのですが、やはり1区からずっと最下位という状況は厳しい。5区の三原は区間16位も山で大きく苦戦した大学が2校あったこともあり、20→18位に浮上、今年度は箱根予選、全日本にエントリーさえされていませんでしたが、箱根には間に合ったのは良かったです。


6区のルーキー上田が区間6位で18→16位と2つ順位を上げる走りはチームにとって非常に大きかったですね。唯一の区間一桁であり、今後の山下りが安心と言えますが…箱根予選でもチーム6番手ですし、今後は6区よりも往路を走って欲しい選手かな。7区の新妻は区間18位、2年連続同区間で同順位となりました。全日本予選で最終組を走るなど期待の大きさは感じますが、なかなか3大駅伝・予選会で苦戦が続いています。


8区の西坂が区間17位、箱根予選ではチーム4番手、全日本でもエース区間の7区を担っていますが、初の箱根はほろ苦い走りに…9区の志食が区間12位で17→16位と1つ順位を上げたのは良かったですね。10区間中8区間で区間16位以下になる中、2番目に良い区間順位でした。箱根予選でもチーム3番手ですし、今後も長い距離で活躍してくれそう。


10区の滝本は区間19位も総合16位はキープ、全日本予選で1組3位と快走を見せていたのですが、その後は3大駅伝・予選会のいずれも苦戦気味かな。本来新妻、滝本にはこの学年を牽引していってほしい2人ですし。タイム差のつきやすい山が10区間中1,3番目に良い区間だったこと、区間最下位が最もタイムさのつかなかった1区のみと大幅にたむをロスする区間は無かったのが、16位で耐えた要因だったかな。

来年度に向けて

来年度に向けて神大が他大学に対して明確に有利である点、それは全大学で唯一箱根を走ったのが3年生以下ということ。10人全員が残るので、理論上は今年度と全く同じ区間配置で箱根に臨むことも可能です。4年生世代も決して弱かったわけではなく、中原、中西といった箱根予選を2度走り、全日本も出場した2人に箱根予選を走った石口、全日本予選を走った飯塚など実績も持ちタイムの良い選手も何人もいるのですが…箱根だけは誰も出場できなかったのは残念でした。


まずは箱根予選を突破することが大前提となりますが…箱根に比べると箱根予選の方が心配は少ないかな。フリーで走ったエースの宮本が途中棄権、中野が10番手になったも通過したわけですし…西坂、志食、中野、上田ら箱根予選で好走した選手はいずれも1万のタイムが30分30秒オーバー、ルーキーの上田は今後タイムを伸ばしていくでしょうが、他の3人はこのまま長い距離やロードでずっと勝負していきそうですし、ハーフで強い選手が揃っているのも強み。


その一方で箱根となると明確に求められるのがエース力です。長い距離に強い選手は復路では勝負出来るとしても、往路となるとやはりスピードも求められるわけで…箱根の往路は高速レースとなって、27分台ランナーも当たり前にいますからね。特に1~3区を区間中位で走れる選手が出てこないと、シード争いに加わるのは困難…大岩、宮本、酒井、近藤と並べた今回の往路もチームとしては実力者を並べて順当だったと思いますし、それでも4区終了時で最下位というのはやはり厳しい…


今回走った選手のさらなるレベルアップはもちろん、個人的には新妻、滝本らが往路を走れるようになってくれれば…と期待しています。スピードもあって往路を走れる選手が複数台頭してくれば、復路は長い距離に強い安定感のある選手たちに任せることが出来ますからね。そうすれば、シード争いに絡んでくることも可能になるはず…箱根出場者が全員残る強みを来年度の箱根では活かして、さらに上位を狙っていってほしいです。