第101回(2025年)箱根駅伝 レース結果 ~青学が2年連続8度目の栄冠~

箱根駅伝が今年も終わりました。駅伝ファンにとっては、箱根駅伝が終わってからやっと1年が始まる感じなのでは。総合公式結果(PDF)はこのようになっております。出雲・全日本で結果を残している大学が順当に上位にきた一方でそこに割って入ったのが中央大学というのも納得、またシード争いは最後まで分からない大混戦でした。國學院の寺田がコースを間違えたときのレースを思い出しました。大学ごとに復路の走りを簡単に振り返ります。 ※背景青色はシード校、赤色は予選会校

1位:青山学院大学

なんといっても6区野村が56分47秒という驚異的な区間新記録で一気に優勝を引き寄せました。7区の白石が区間9位で駒澤に一気に2分以上差を縮められたものの、8区塩出は2年連続の区間賞でトップを堅守、9区田中も区間2位の走りで後続との差を広げると、10区のルーキー小河原は区間賞の快走で総合でも大会新記録をマークしての連覇を達成、なかなか2度目の連覇を達成する大学が出てきませんでしたが、青山学院がついに成し遂げました。どの区間も強かったですが、山をどちらも区間新記録で備えたのが圧巻でしたね。

2位:駒澤大学

6区の伊藤は57分38秒と素晴らしい走りで区間2位も青学が凄すぎましたね。それでも2年ぶりの6区で快走でした。7区の圭汰は10か月ぶりのレースでしたが、1時間0分43秒という驚異的な区間新記録をマーク、一気に2分27秒も青学との差を縮めました。8区の海晴も区間4位は上尾ハーフを見ても上出来と言って良いでしょう。9区の村上も区間5位と全日本に続いて5位以内でまとめましたが、2人ともラストで前と離されたのは今後に向けての反省材料かな。10区の小山は区間2位、前半離されるも後半は巻き返して復路優勝で総合2位はよく走ったと思います。

3位:國學院大學

6区は予定通りに走れなかったこともあり、嘉数が区間16位と復路は苦しいスタート、今回も山は5,6区ともに苦しかったですね。総合7位にまで下がりましたが、7区辻原が区間2位タイの快走で6位に浮上、ただタスキを落とさなければ単独区間2位だっただけにもったいなかった…8区の佐藤は区間7位で総合4位に浮上すると、9区上原は終盤差し込みがあったようですがそれでも区間6位、3位の早稲田と1秒差の4位でつなぐことに。アンカー勝負となった10区の吉田は途中で早稲田を引き離し、そのまま過去最高タイとなる3位フィニッシュ、3冠はなりませんでしたが3強の一角として3位は死守しました。

4位:早稲田大学

6区の山崎が区間5位の快走を見せたのにはビックリしました。山で悩むことも多い早稲田でしたが、工藤&山崎という2年生コンビの走りは今後に向けても非常に大きかったですね。7区の伊藤は区間11位、決して悪い走りでは無かったですが、伊藤の力を考えるともう一歩ではあったかな。8区の伊福も区間11位で総合3位に浮上、こちらも中位では走てくれましたが前回区間5位であったことを考えると物足りない気も。


9区の石塚は区間15位も最後は粘って3位でのタスキ渡しに。なかなかコンディションが上がらなかったかなあ。10区の菅野も区間5位はよく走ってくれましたが、目標としていた3位にはわずか10秒及びませんでしたが、早稲田の存在感を存分に見せつける結果となりました。

5位:中央大学

5区の途中まで先頭を走っていた中央大学、6区の浦田が区間6位と2年連続で好走を見せると、7区の岡田は駒澤の圭汰にも一時喰らいつき区間7位、ルーキーながらしっかりとまとめました。しかし8区の佐藤大が区間最下位に沈んでしまい、3→6位に後退、区間19位とも2分38秒の大差がついていますから、何かアクシデントでもあったのかな?9区の吉中は区間8位も同タイムの総合6位でアンカーに繋ぐことに。ここで藤田が区間4位と見事な走りで城西を振り切り、前を行く創価もかわして総合5位でのフィニッシュを果たしました。箱根予選6位通過、全日本12位シード落ちから復活の走りで予選会校では最上位に。

6位:城西大学

ルーキーの小林が区間3位の快走を見せたのはビックリしました。ルーキーの歴代最高タイムをマーク。7区の三宅は区間14位、ルーキーが連続して走りましたがこちらも最低限ではまとめてくれたかな。8区の岩田は区間16位、タイムを見てもこの8区がかなり苦しく、このままではシード争いに巻き込まれる可能性も…と思った中で9区桜井が区間賞と会心の走りでシードラインを遥かに遠ざけ、7→6位に浮上することに。10区の中島は区間7位の走りで中央にこそ離されたものの創価をかわして6位でのゴールとなりました。

7位:創価大学

6区の川上が区間13位、前回は3位で走っている実力者ですが、今回はもう一歩だったかな。2年連続で快走するのは難しいです。7区の織橋は区間8位と箱根初出場ながら上々の走り、8区のルーキー石丸修も区間11位でまとめて5→4位に浮上することに。9区の吉田凌は区間13位で総合5位に後退、2年連続の9区はちょっと苦しかったかな。10区の小池は区間13位で5→7位と2つ順位を落としてしまったのは惜しかったですが、主力を複数欠いたにも関わらず、全区間通じて大きく崩れる区間は無かったのは見事でした。

8位:東京国際大学

6区中山が区間10位と区間中位でまとめたのがまず大きかった。さらに7区冨永が区間4位と会心の走り、2年以降苦労しましたが最後の箱根でベストな結果を残せたのでは。8区の益田が区間14位で9→12位に後退した時にはシードは正直厳しいかと思いましたが…9区の菅野が区間3位の快走で前との差を詰めて総合11位でつなぐと、10区大村が速い段階でシードを狙う8位集団に追い付き、さらにラスト勝負でも抜け出して区間6位、区間順位以上に価値のある走りで総合8位と箱根予選8位通過から見事に本戦でシードを獲得しました。箱根予選はここ2年苦しみましたが、本戦ではやはり強いですね。

9位:東洋大学

3年連続の6区となった西村が区間9位でしっかりとつなぐと、7区のルーキー内堀は区間12位で総合でも12位に後退してしまうことに。しかし、8区網本が区間2位と素晴らしい走りで12→9位と再びシード圏内に浮上、9区の吉田は区間7位も何度も集団から離されても喰らいつき、最後は逆転して8位でアンカーに繋ぎました。10区薄根は追い付かれても冷静に走って区間10位、ラスト勝負で東京国際にこそ負けたものの総合9位でシードを獲得、主力を欠く苦しい状況ながら見事に20年連続シード獲得を達成しました。

10位:帝京大学

往路終了時点ではやや10位と離されていたのですが…6区廣田が区間4位の快走で一気に前とのタイム差を縮めたのがとにかく大きかった。7区の福田は区間10位の走りで12→11位と順位を1つ上げると、8区の高島が区間8位で粘ったのも非常に大きかったですね。頼りになる9区の小林大は区間4位、2年連続の9区で快走を続けて11→9位とついにシード圏内に浮上することに。10区のルーキー小林咲は非常にプレッシャーのかかるシード争いに巻き込まれながらも自分から仕掛けたりと積極的な走りで区間8位、総合10位で2年連続シードを勝ち取りました。

11位:順天堂大学

6区林が区間8位と好スタートを切ったのがまずシード争いにおいて大きかったですね。さらに7区吉岡が区間2位タイと会心の走り、大学で苦労することも多かったですがついに本領発揮で11→8位とシード圏内に押し上げました。8区の荒牧も区間9位で総合8位をキープしました。3大駅伝初出場でよく走りました。さらに9区の石岡も区間8位の好走で8→10位と順位を下げたもののシード争いのままアンカーへ。10区の古川も区間9位ということで復路は全て区間1桁だったのに、シードに届かないのが恐ろしすぎる…箱根予選は1秒差で出場しましたが、箱根は7秒差でシードを逃すことになりましたが、箱根での強さは見せてくれました。

12位:日本体育大学

6区の石川は区間18位と苦しい走りで総合14位に後退と、シード争いからは一歩後退してしまいましたが…7区住原が区間5位の快走で14→10位と一気にシード圏内に戻ってくることに。さらに8区分須も区間5位で10→9位と順位を上げる走り、前回の箱根で好走した2人が2年連続で快走を見せました。9区の山口も区間10位と決して悪く無いですが、9→12位とシード圏外に下がってしまうことに。10区の二村も区間12位でしたが総合12位は変わらず…持てる力は往路も復路も発揮したと思うのですが、あと一歩シードには届きませんでした。

13位:立教大学

6区の原田が区間12位とまずまずの走りを見せたのは良かったのですが…7区の小倉が区間17位と苦しんだのが結果としては致命的になってしまいまい、8→13位と後退してしまうことに。8区の山口は区間6位と全日本に続く好走を見せました。9区の安藤も区間11位とどちらも悪く無いどころか上々の走りなのですが、総合13位は変わらず…今回は本当にシード争いに加わる大学のレベルが高すぎました。10区の永井は区間17位と苦戦しましたが、総合13位は変わらず。箱根予選トップ通過でしたが、全日本に続く箱根シードとはなりませんでした。

14位:中央学院大学

6区の小松が区間11位としっかりと中位で走ったのはまず良かったですね。7区の坂本は区間15位で総合13→14位に後退、8区の黒谷が区間10位で総合14位は変わらずもシード争いからは徐々に離されてしまうことに。シード争いに加わる大学が多いとタイム差もですが、順位の差も大きい。9区の長部は区間17位ですが、ルーキーに9区は荷が重いですよね。下級生でさえ走ったのは他に駒澤の村上しかいません。10区の近田は区間11位とこちらは万全だったら往路だったはずかな…7区以降は総合順位が14位のまま変わらずでしたが、全体としてはよく走ってくれました。

15位:法政大学

6区の湯田は区間17位で総合15位、前回区間賞の武田を平地に起用しましたが結果として6区で苦しむことに…主力も欠いていましたし、なかなかベストな布陣が組めなかったのが痛かった。そんな中でも7区の宮岡は区間6位と一矢報いる走りでした。8区の安澤は区間13位と順位はまずまずもタイムはもう一歩だったかなあ。9区の清水も区間13位で総合15位は変わらず。行天は区間18位と苦戦したものの、最終的に14位とは3分以上、16位とは4分以上離れて難しい位置で復路はずっと15位、4年ぶりにシードを逃す結果となりました。

16位:神奈川大学

ルーキーの上田が区間6位と快走を見せたのは神大にとって大きな希望となりました。7区の新妻は区間18位で16→17位に後退、8区の西坂も区間17位で順位は変わらずとこの2区間は苦しい走りとなりましたが、9区の志食が区間12位の走りで総合16位に戻すと、10区の滝本が区間19位と苦しみながらも総合16位は守ってのゴール。正直、最下位争いになってもおかしくないと思っていたので、全体としては決して悪くない結果だったのでは。

17位:専修大学

6区の丹が区間14位とまずまずの走り、下位の大学が苦戦する中でまず一斉スタートを乗り切ったのが良かったですね。7区の具志間が区間13位とこちらも上々の走りでついに20→19位と最下位を脱出することに。8区の犬塚も区間15位、9区の大和田も区間15位と区間16位以下に沈まなかったのが大きかった。結果として繰り上げスタートも回避出来ましたが、9区で19→18位に1つ順位を上げることに。10区の藁科も区間14位で5区間全てが区間13~15位と安定した走り、総合でも17位で3大会連続の最下位からついに脱出を果たしたのは大きな一歩となるはず。

18位:山梨学院大学

6区の大西が区間最下位と苦しいスタート、一斉スタートで出遅れてしまうと、ずっと単独走になってしまうことが多いのが厳しいんですよね。7区の大杉は区間16位で17→16位に順位を上げると、圧巻だったのは8区のルーキー阿部紘、総合順位は16位のまま変わらずも区間3位の快走を見せました。今後はエースとなってほしい選手です。しかし、9区の徳田が区間最下位に沈んでしまい、繰り上げスタートに。土器屋も区間最下位でゴールしたのは全大学で最後、何とか18位は守りましたが、復路は3区間で最下位に沈んでしまいました。

19位:大東文化大学

6区の小田は区間15位の走り、最低限ではまとめてくれたかな。しかし、7区の宮倉は区間19位と下位に沈んでしまうことに。8区の西川も区間18位ということで本来であればエース区間の2区を走るべき選手ですから、万全でないのは明らかでした。9区の大谷も区間18位と好走経験のある実力者も総合順位に近い区間順位になってしまうという悪循環で18→19位に下がってしまい、繰り上げスタートに。10区の庄司も区間16位で19位のままゴール、前回シード校が主力を欠いたりベストな布陣で無かったとはいえ、19位は衝撃的でした。。。

20位:日本大学

6区の山口月が区間19位と出遅れてしまうことに。先述の通り一斉スタートで出遅れると単独走になって苦しいレースになることが多く…7区の長谷川は区間最下位に沈み、総合でも最下位に後退してしまうことに。8区の大橋も区間19位で繰り上げスタートになってしまうことに…9区の小路も区間19位と4連続で区間19位以下は苦しすぎます。10区の山口彰が区間15位で走ったものの、最下位は変わらず…12月は1万で自己ベストを連発していましたが、箱根ではチームとしてなかなか力を発揮出来なかったです。

16位相当:関東学生連合

6区の横田は区間16位相当、大事な復路のスタートでまずまずの走りだったのでは。7区の栗原も区間16位相当で繋ぎました。8区の秋吉は最初の定点をトップで通過するなど積極的な走りで区間7位相当ですから、見事な走りでしたね。9区の古川にタスキを繋いだのは、東大→東大院というなかなかに豪華なものでした。古川は区間18位相当でしたが、繰り上げは回避しています。10区の福本は19位相当と復路も全体的には苦しかったのですが、8区の好走や大崩れする区間が無かったこともあり、16位相当で走れたのは良かったですね。