第101回(2025年)箱根駅伝 ~シード争い展望~

2024年も終わりですね。今年は色々とあってブログもこれまでで一番止めようと思っていたのですが、駅伝シーズンに入るとまた書きたいなって思って更新しています。来年も比較的ゆったりの更新になったり、夏は数か月更新が無いかもしれませんが、暖かく見守ってくれれば…区間エントリーが発表され、箱根駅伝まで後2日に迫ってきました。今日はシード争いの展望について各大学ごとに見ていきます。


前回も10区までシード争いが繰り広げられましたが、往路でシード圏外だった大学のうちシードを獲得したのは、往路で12位だった帝京のみ。基本的に往路で11位以下の大学がシードを獲得するのは1,2校です。そのくらい、往路が大事になってきます。今大会は青学、國學院、駒澤が3強と言われ、出雲・全日本の結果からも前評判の高さからも区間配置を見ても創価・早稲田はさすがにシードを落とす可能性は低そうということで、残る15大学について見ていきます。

城西大学

出雲・全日本ともに関東勢で6番手だった城西、さらに前回の箱根でも3位に入っている実力校です。最大の注目だった5区も斎藤が担うことになりそうで、2区と5区に頼れるエースが揃っているのは強いですよね。往路の他の区間がどれだけ走れるのかというのはちょっと気がかりではあるのですが、鈴木を9区に残せるということはそれだけ往路は信頼できるということですし…さすがに2年連続の3位となると難しそうですが、連続シードは心配いらないであろう選手が揃っています。

東洋大学

前回は4位に入っているのですが、出雲・全本では今年度も苦戦が続いていることが、東洋の評価を難しくしていますね。区間エントリーは5区だけが気になるのですが…ここに緒方ということでしたら、1区石田、2区梅崎、3区も小林も含め順当な往路になるんですよね。復路も6区西村、9区吉田など前回好走した選手が揃っています。シード確実とは言えないでしょうが…それでも箱根でシードを逃す東洋というのも想像しづらく、なんだかんだ箱根に合わせてきて、20年連続のシードを確保するのでは。

法政大学

3年連続でシードを獲得している法政ですが、いつも前評判は高く無いんですよね…今回のエントリーで気になるのは補員が豪華すぎることくらいかな。6人全員当日変更も可能なので、そこまで問題では無いのですが…法政は山での強さが抜群ですし、5区高橋、6区澤中と初出場の選手であってもまとめてくれそうな期待感があります。実際、野田や武田といったエースを平地に起用出来るのであれば、それだけ安心して6区を走れる選手がいるということですし。シードを獲得したここ3年と比べても戦力は互角か上だと思っていますし、シードは獲得する可能性が高そう。

帝京大学

区間配置を見る限りは1区島田、2区山中、4区尾崎など大きな問題はなさそう、前回は唯一往路を12位とシード圏外ながら9位でシードを獲得した大学です。全日本でもシードを獲得していますし、今回もシード争いにはまず絡んでくるでしょう。往路でどこまでシード争いに喰らいつくことが出来るのか、そして山も楠岡は楽しみですが、未知数な部分が多いのが気になるんですよね。9区小林大など復路は選手層の厚さが活かせるだけに、復路はあまり心配いらないのですが…シードを争う大学の1校であり、その中では上位という印象かな。

大東文化大学

前回は10位で見事にシードを獲得、今年度も自己ベスト連発とチームは好調、1区キプロップ、2区棟方という下級生コンビの走りが楽しみ。西川、入濱らも順当に往路となれば平地が十分勝負出来そう。そんな中で気になるのは5,6区の山ですね。今は中澤、小田がエントリーされていますが、前回は揃って区間4位だった穴を埋めるのは容易では無いですからね。前回と同様に今回もボーダーを争う1校となりそうで、崩れる区間をいかに無くせるかですかね。前回はそれでもしぶとくシードを獲得しましたが。

立教大学

箱根予選トップ通過、全日本シードと最も勢いのある大学の1校、区間エントリーを見る限りも問題はなさそうで、このまま箱根返り咲き後初シードも有力かと思われるのですが…箱根予選や全日本で結果を残すのと、箱根でシードを獲得するのは全く別物ですからね。往路を担う2区馬場、3区稲塚、4区林らどれだけシード争いに喰らいついていけるか…シード争いにはもちろん絡んでくるでしょうが、ボーダーを争う1校かなあ。

専修大学

箱根予選では2位通過、区間エントリーは少し気になるところはあるものの、比較的順当と言ったところかな。新井、マイナに上山らが担うであろう往路はこれまで以上に期待感があります。特にマイナは箱根予選での快走で大幅に評価を高めましたよね。エース区間での走りが楽しみ。箱根に復帰して以降は最も戦力が充実しているのは間違いないですが、それでもまだシード争いに加わるにはエース力も選手層も物足りなさは否めずかな…

山梨学院大学

箱根予選3位通過と素晴らしい走り。往路は1区平八重、2区ムトゥクに村上、和田らの起用も予想される往路でどれだけ戦えるかですね。1,3,4区で揃って崩れることなく走れるか…この数年はずっと出来ていないことですし、今回も正直難しいのかなとは思ってしまいます。山は区間中位で走っている選手が揃っているのは強みですし、選手層も厚くなってはきていますが…前回23位と最下位からいきなりシード争いに加わるのはやはり厳しいかなあと。

日本体育大学

箱根予選での驚異的な安定感に加えて、エースも台頭してきた今年度は戦力も充実しています。区間エントリーも1区平島、2区山崎、4区田島、5区浦上と往路は違和感は無いですし、このままシードを獲得してもおかしくないとは思うのですが…箱根予選での強さに比べてどうしても箱根本戦で力が発揮できない選手が出てしまうので…復路はある程度勝負出来ると思っているので、往路でシード争いに喰らいつけるかですね。ボーダー争いに加わることが出来たとしても、シード獲得までは厳しそうな気が。

中央学院大学

1区堀田、2区吉田と順当なエントリーで山も5,6区に柴田、小松と経験者を起用出来ているのが良いですね。ただ、柴田、小松のいずれも区間下位に沈んでいることもあり、ここからどれだけ順位を上げていけるかは未知数。6区は工藤との当日変更もあるのかな。往路は他にも近田の投入が有力視されていますし、持ちタイムの良い選手や箱根予選で結果を残す選手は多くいるのは魅力ですが…箱根で結果を残している選手が極端に少ない中でシード争いに加わるというのは、やはり難しいのではと思ってしまいます。

中央大学

正直、シード確実に入れても良いかと思ったのですが…さすがに箱根予選会校かつ全日本でもシード落ちだった大学を入れるのはやりすぎかということでこちらに入っていますが、2区溜池、3区本間、4区白川という強力布陣で山も5区園木は非常に楽しみ。1区に駿恭ならば岡田も復路に回せますし、6区浦田も強力です。7区以降も少なくともシードを狙う大学と比べても力は抜けていますし…前回の箱根はともかく全日本も奮わなかったのは気になりますが、MARCH対抗を見てもシード返り咲きはまず間違いないのでは。予選会校で上位争いに絡んでくるのであれば、中央でしょう。

日本大学

1区安藤、2区キップケメイの序盤は非常に楽しみ、直近の記録会で1万で28分台のベストをマークしている選手が多く、前回と比べても総合力は上がっていそう。ただ、エース力となると前年度の方が上なのかなあ…キップケメイは前回を遥かに上回る快走も期待出来るだけに、2区終了時は相当上位にいることが予想されますが、監督もまだシード争いに絡むのは難しいのでは?という話をしていましたし、私も往路でシード圏内にいることは出来ても復路もシード圏内を守るのはさすがに厳しいかなと。

東京国際大学

1区木村がそのままかは分からないですが、2区エティーリ、3区佐藤榛、4区大林、5区楠木と楽しみな選手が揃います。特にエティーリが本来の力を発揮する姿を駅伝でも見てみたい。東国大も箱根予選は8位通過ながらひょっとするとシードを獲得する可能性のある大学の1校かなと思います。実際、箱根に出場すれば悪くともシード争いにこの5年は絡んでいるわけですし。ただ、シード争いに絡んできたとしても、勝負レースで実績のある選手は少なく、どちらかと言えばボーダーの下かなと思っています。

神奈川大学

1区大岩、2区宮本の往路は順当、箱根予選で良かった選手、持ちタイムの良い選手が揃って復路ということで、当日変更はちょっと読みづらいですね。5区三原、6区上田がそのままとなるとこの山も個人的には期待しています。箱根予選も宮本が途中棄権ながら粘り強く通過を果たしました。それでも全日本や箱根予選の結果を見る限りはシード争いは遠そうで、どうしても下位争いになってしまうのかな…

順天堂大学

箱根予選は1秒差での通過、玉目を2区に抜擢するなど、1、5,6区と主要区間を下級生に多く任せそうな区間配置となっています。もちろん、箱根予選の結果が本来の力でないことは明確、過去にも箱根予選最下位通過から箱根シードを獲得した実績があります。下位通過の大学で最もシード獲得の可能性が高いのは順大だと思っていますが、それでも全日本予選・箱根予選でともに結果を残せていないところからのシード獲得はさすがに高すぎるかなあと。。。

シード予想

前回の箱根シード校で明らかに戦力的にシード争いに加わるのは難しい大学はいないため、基本的にはシード校+箱根予選校の中で力のある立教、中央を含めた12校の争いというのが基本になるかな。本当にうまくハマればシード獲得も?というのは箱根予選で下位通過だった東京国際や順大なのかなという気もしていますが…勝負レースで結果を残せていないのも事実ですから、可能性はそこまで高くないかなと…


シードは確実だろうと予想したのが青学、駒澤、國學院、創価、早稲田の5校、その次に来るのは中央だと思っており…城西、東洋という前回の箱根で上位シードを獲得している2校が続いているかな。残る法政、帝京、大東、そして予選会校の立教ですが…この中では、やはり箱根で3年連続シードを獲得している実績は大きく法政、そして今年度の大活躍ぶりから立教の10校と予想します。


ただ、大東大や帝京がシードを落とすのかと言われると、そんな気は全然しないんですよね。むしろ、この2チームがシードを逃したらビックリと思うほどに力があります。それだけ、今回のシード争いは熾烈を極めることになりそう…過去にシード校を10校全て当たったことは一度も無く、この大学が?という予想外のシード落ち、そして予想外にシードを獲得する大学が1校は出てくるんですよね。今回は12校のシード争いになると予想していますし、全体としてもその予想が多いようですが…そんな前評判を覆す走りも見てみたいです。