國學院大學 2024年度 出雲・全日本振り返り⇒箱根に向けて
続いては國學院大學について、出雲・全日本の結果を振り返りつつ、箱根への展望も書いていきます。出雲・全日本結果はこのようになっております。ここまでは國學院史上最高の駅伝シーズンを送っています。出雲、全日本ともに優勝を果たしたのですから、それも当然ですが…優勝を狙える戦力だとは思っていましたが、それでも圧倒的な戦力を誇る青学や全日本で驚異的な強さを見せてきた駒澤らを抑えて2冠を達成するのは容易なことではありません。

1区の青木が区間3位と好スタート、トップとは8秒差ですし十分にスターターの役割を果たしてくれたと言えるでしょう。2区の山本は区間5位で総合でも5位に後退、この時点ではやや苦しい位置に下がりましたが…3区の辻原が区間4位の走りで再び総合3位に浮上、優勝を争う青学や駒澤とも最低限の差で抑えられたことが大きかったです。
そしてなんといっても4区の野中ですよね。ここで区間賞と会心の走りを見せたことが大きく優勝を近づけました。出雲、全日本ともに最も期待以上の走りを見せてくれたのは野中でした。5区の上原も連続区間賞でついに先頭に浮上、上原をつなぎ区間の5区におけたのもチームにとって大きかった。6区の平林はアンカー勝負を制して3連続区間賞を獲得、区間2位に32秒もの大差をつける圧巻の走りで5年ぶり2度目の出雲優勝を勝ち取りました。
1区の嘉数が区間2位と最高のスタート、トップとも2秒差ですし順位もタイム差も文句なしの走りでした。2区の青木が区間7位、エース区間とはいえ少し苦しい走りで、青学とこの区間で55秒差をつけられることに。3区の辻原は区間3位の好走で総合でも6→3位に浮上、出雲に続くエース区間で好結果を残すのが頼もしすぎます。4区の高山も区間4位でまとめたものの、この区間で青学とは52秒差、総合でも1分27秒差がつくことに。
しかし、5区の野中が出雲に続いての連続区間賞、一気に46秒差を詰めると、山本は区間新記録の快走で連続区間賞、トップとの差を4秒まで縮めました。7区の平林はなかなか追いつけず少し離されるときも追いつく時もありましたが、最終的には4秒差で変わらず、アンカー勝負に。上原は区間9位でしたが優勝争いのアンカーは先頭でゴールすることがすべて。青学の塩出を途中で突き放し、駒澤の山川の猛追も凌いで見事に優勝のゴールテープを切りました。
出雲、全日本ともに優勝を果たし、初優勝を狙う箱根は3冠も合わせて目指すこととなりました。箱根に向けての戦力は充実しており、全日本を走った8人はそのままチームのトップ8とも言える存在で箱根にも問題無ければ出場するでしょう。往路は前回走っている平林、青木瑠、辻原、上原と4人がおり、この4人は全日本でも主要区間である2,3,7,8区を担っていることからもチームの中心であり、箱根でも往路を走ることが有力。
さらに全日本でともに区間賞だった山本、野中の2人も往路を走れるでしょうから、往路のメンバー争いも熾烈になりそう。実際、山本は2度3区を区間5位で走っていますし。往路の平地は何も心配いらない國學院の最大の課題は5区をどうするか、前回は上原が走って区間17位、再び任せるのは不安は否めず…優勝を争う大学はどこも5区が強力であろうことを考えると、山の適性があるだけではなく主力を起用したいですよね。
これまでに國學院が箱根5区で区間5位以内で走ったのは仁科、寺田、浦野らエース級を起用したときなんですよね。ならば5区をいけると言われている平林を起用するのもありかなと。2区は今の青木瑠ならば任せられると思うんですよね。例えば1区上原、2区青木瑠、3区山本、4区辻原、5区平林みたいな布陣…平地も不安はないですし、見てみたいですね。
復路は前回後村が区間10位で走っていますし、さらに力をつけているので2年連続で6区を担う可能性が高そうかな。5区同様に6区も優勝を争う大学は区間賞争いをしてきそうですし、この区間も大事になってきます。5区ほどは心配していないです。復路は前回走った田中愛、鎌田、吉田蔵、高山に後村も含めて全員が残っています。ただ、全員が区間10位以内で走っているものの、区間5位以内は1人もいないんですよね。
優勝争いとなると最低でも区間5位、区間賞争いする選手が複数必要になりますし、こちらもハードルの高さが分かります。全日本優勝メンバーのうち最低でも3人は復路に残せますし、先述のような往路だとすると、例えば7区嘉数、8区野中、9区高山みたいな布陣も組めるわけで強力。前回の箱根、今年の全日本メンバー以外では…4年生ならば上尾ハーフで良かった中川雄、鶴らが最初で最後の箱根出場も見たいですし、2年前に10区4位だった佐藤は戻れるのか…
2,3年生はいずれも全日本・箱根経験者が5人ずつおり、それ以外の選手が割って入るののはなかなか難しそう…後はルーキーがどれだけ入ってくるかですね。飯國、尾熊、岡村、浅野ら早速大学でタイムを伸ばしている選手たちがいますが、複数のエントリーがあっても出場するのは多くても1人くらいかな。そのくらい2年生以上の選手層が厚すぎます。
出雲、全日本と比べても箱根優勝は段違いの難易度だと思います。これまで箱根優勝経験がなく、初優勝=3冠を達成した大学もありません。過去5大会は3→9→8→4→5位で優勝争いには1度も絡めていませんし、2位になったこともないわけですから…それでも、今年度の國學院ならばやってくれるのでは?という期待感があるのも事実。歴史を変える挑戦を掲げて実際に歴史を変え続けている今年度、最後に最大の目標である箱根を制して3冠で終えられたら最高の1年となりますし、是非とも達成してほしいです。