早稲田大学 2024年度 出雲・全日本振り返り⇒箱根に向けて
続いては早稲田大学について、出雲・全日本の結果を振り返りつつ、箱根への展望も書いていきます。出雲・全日本結果はこのようになっております。出雲、全日本ともにレース展開は違うものの、結果としては5,6位ということに。この6年間、3大駅伝には14大会出場し、うち12回が5~7位となっていますからね。いい意味でも悪い意味でも安定しています。
1区のエース山口智がまさかの区間12位と出遅れる展開に。先頭付近でレースを進めたい思惑だっただけに、この出遅れは痛かったですね。伊藤大も巻き返そうとして区間10位と苦しい展開、期待のルーキー山口峻も区間11位で3区終了時でまさかの総合11位に。しかし、4区の藤本が区間7位で総合9位に浮上すると、5区の長屋が区間3位の快走で9→8位に浮上、6区の工藤は区間2位で8→6位と後半の3区間で5つも順位を上げてきました。2年生コンビの長屋、工藤の走りが特に光ったのは今後に向けても明るい材料でした。
1区の間瀬田が区間19位と順位は苦しいですが、タイムとしてはトップと12秒差なので許容範囲かな。前回は1区2位でしたが、今年度はちょっと苦戦気味か…2区の山口智は突っ込み過ぎずに冷静に前を追っていって区間5位、18→5と13も順位を上げて一気にシード圏内に入ってきました。2区ですぐに巻き返せたのは良かったですが…3区の藤本は区間15位で総合でも10位と再び後退、出雲は悪くなかったですが、さすがに主要区間の3区は負担が大きかったかな。
しかし、4区の伊藤大が区間5位で総合7位とシード圏内に再び浮上、5区のルーキー山口峻も区間3位と出雲で苦戦した山口智、伊藤大、山口峻の3人が揃って区間5位以内と立て直してきたのが良かったですね。出雲、全日本ともに悪かった人が1人もいなかったわけですから。6区の伊福は区間10位、前回は8区でふらふらになってしまいましたが、今回はまずまずだったかな。
7区の長屋はエース区間の7区で5位と再びの快走、同級生である工藤の走りも目立ちますが長屋も負けていないですね。すでにエースの1人となっています。アンカーの工藤は出雲に続く最長区間で区間3位とこちらも素晴らしい走り、2020年以来となる総合5位でシード返り咲き、予選会校での最高順位となりました。
箱根に向けてはポジティブな材料が多かったですね。エース区間の2区は山口智が2年連続で担うのが順当ですし、1区はちゃんと復活してくれれば間瀬田に3年連続で任せられるでしょうし、往路候補は伊藤大、長屋、山口峻、工藤とズラッと揃っています。5区は経験者が伊藤大、工藤と2人いて盤石、順当ならば前回走った工藤になるのかな。5区が心配いらない一方で往路の平地も計算できるのが大きい。
そんな盤石のエースたちで唯一と言って良い不安材料が石塚ですね。2年時は2区を走ってエースになると期待していましたが、3年時は3大駅伝で苦戦、4年時は出場さえ出来ていません。3年連続で担った往路を走るのが理想ですが、せめて復路でも出場できるようにコンディションを整えていってくれれば。復路は前回ともに区間5位で走った伊福、菅野コンビがいるのが大きいですね。往路を走れる主力も1人は復路に残せるはずですし、出雲・全日本を走った藤本も出場する可能性は高そう。
そうなると気になるのは6区ですね。過去4年間で2度ずつ走った北村、柳本はともに卒業してしまったので経験者はおらず…6区は良い時と悪い時の差が激しいだけに、しっかりと候補を準備していきたいところ。選手層が薄いだけに複数候補を用意するのは難しいでしょうが…他に箱根10人の争いに入ってきてほしい選手では…ハーフのタイムが良い3年の宮岡、全日本予選を走っている2年の山崎、出雲・全日本ともにエントリーされている吉倉、瀬間らが候補になってくるかな。
箱根に向けては不安より期待の方が大きいです。過去2大会は往路を5位で終えていますが、それ以上の順位で往路を走ってもおかしくないですし…後は復路かなあ。伊福、菅野が前回のような走りを見せられるのか、6区は適任者を用意出来るのか。2018年に3位に入って以来、箱根での最高順位は6位となっていますが…故障者や不調者さえいなければ今回は本当に楽しみなチームになっていますし、5位以内そしてさらに上位争いに加わってきてほしいです。