第56回(2024年)全日本大学駅伝 戦力分析&区間配置予想 ~青山学院大学~
続いては、前回の全日本でラスト勝負を制しての2位、出雲では優勝候補筆頭だったものの、つなぎ区間で苦戦して3位だった青山学院大学の全日本大学駅伝における戦力分析と区間配置予想を行っていきます。エントリー一覧、過去5年の成績はこのようになっております。青学が3大駅伝で最も苦手としているのが全日本ですが…それでも強大な戦力を有しており、今回も優勝候補であることは間違いないですね。


出雲で1区区間賞の鶴川、2区6位の野村、5区5位の若林、6区3位の太田と出雲に出場した4人は全日本でもエントリー、出雲記録会で良い走りを見せていた白石も引き続き入っています。さらに、前回の箱根で8区3位で走っている田中も戻ってきました。全学年最多となる6人がエントリーしています。
出雲で3区3位の黒田朝日、4区5位の宇田川、出雲にエントリーされた塩出の3人に今年度5千で13分51秒のベストをマークしている皆渡の4人がエントリー。前回の全日本で6区3位だった荒巻は出雲に続いて外れてしまいました。
出雲にエントリーされた平松は引き続きメンバー入りしていますが、鳥井が外れてしまったのは残念…一方で13分57秒のベストを持つ熊井がエントリーされ、2人がメンバー入り。
出雲では誰もエントリーされませんでしたが、5千で13分28秒のベストを持ち、都大路1区区間賞を獲得している折田、今年度5千で13分48秒をマークしている安島、今年度13分57秒のベストを持ち、兄の朝日同様3000m障害で活躍を見せている黒田然、5000mで13分58秒のベストを持ち、都大路優勝メンバーでもある遠藤と一気に4人がエントリー。
エントリーされるだろう思って外れたのは鳥井くらい、荒巻が出雲に続いて外れてしまったのは残念ですが、エース格・中堅どころ含め他は順当なエントリーとなったかな。最強世代と期待されるルーキーが出雲でエントリー0人だったのはビックリしましたが、全日本では4人入ってきましたね。誰が3大駅伝出場を果たすのかも楽しみ。4年生を中心に優勝を狙える戦力を有しています。そんな青山学院大学の区間配置予想は以下のとおりです。
折田①ー鶴川④ー黒田③ー若林④
白石④ー宇田川③ー太田④ー塩出③
1区は折田、都大路1区で区間賞を獲得しているという実績だけでもう期待せずにはいられませんが、さらにラストスパートの切れ味も圧巻ですからね。青学がルーキーを1区に抜擢したのは過去に一色くらいですが…それでも折田ならばあり得るのでは。
2区は鶴川、出雲では1区区間賞とついに本領発揮の走りでした。再びの1区は最短区間であることを考えてももったいないだけに、エースが集う2区で勝負してほしいですね。今の鶴川ならば期待十分。
3区は黒田、個人的には長距離区間を走って欲しいのですが、青学は黒田を7,8区まで残すことはあまりしなそうなので…ならば前半の主要区間かと。前回走った2区は鶴川と予想したので、同じく重要度の高い3区としています。
4区は若林、この区間は6年連続で4年生が走っている区間となります。アップダウンに強い選手が起用されることもありますし、それもあって出雲も走っている若林としました。
5区は白石、2年前の全日本は2区16位とほろ苦すぎる3大駅伝デビュー、それ以外は3大駅伝を走れていませんが、出雲記録会でもよい走りを見せていましたし、前回5区を走った山内のように白石も復活の走りを見せてほしいなと思い、5区としました。
6区は宇田川、3番目に長い区間ながらもスピードのある選手も起用される区間、本来8番手が起用されることも多いだけにここに力のある選手をおけるとエースに良い形で繋げます。そうなると、スピードもラストもある宇田川が良さそう。
7区は太田、前回も同区間を走って区間5位、出雲でも6区3位と最長区間を走っていますし、前年度よりもさらに全日本に合わせてきてくれるのでは。箱根では驚異的な走りを何度も見せていますし、長距離区間かつエース区間を安心して任せられる実力者です。
8区は塩出、青学は8区にエース級を起用することはあまり無いんですよね。4年前に吉田圭太が走ったくらいかな。基本的にキャプテンであったり長い距離に強い選手を起用してきています。そうなると、箱根8区区間賞などハーフでの実績も豊富な塩出あたりが適任なのかなと。
出雲を走った選手では、野村は今回も外して予想しています。前回も全日本は回避して箱根6区に賭けていましたし、今回も同じような流れになるのでは。後は6人エントリーされた下級生で誰が走るかですが、今回は折田だけとしています。青学はあまり下級生を起用してこないですし、特にルーキーの起用は少ないですからね。よほどとびぬけた評価でない限りは走らないのでは。
最も気になるのは7,8区の長距離区間をどうするのか。先述のとおり、7,8区にダブルエースを起用をあまりしない戦略を青学はとっていますが…それでこの5年勝てていないのもまた事実なんですよね。7区黒田、8区太田を個人的には見たいのですが、それだと前半区間がやや不安になってしまうのかな。後は田中の状態も気になるところ。前回8区で2位争いを制した田中を2年連続8区で起用出来るようだと、さらに選手層が厚くなりますからね。
毎年そうですが、今回も青学が優勝候補なのは間違いないでしょう。ただ、出雲の時は優勝候補筆頭、それも抜け出ていると感じていたのですが、全日本となると圧倒的に得意としている駒澤や出雲を制した國學院がいることもあって優勝候補の一角という位置付けになりそう。箱根はもう絶対的な優勝候補だと思っていますが、その箱根にいい形で繋げていくためにもこの全日本は大事になってくるでしょうし、後一歩届かずにいる全日本優勝、6年ぶりに果たしてほしいです。