MGC2023レース結果(2023/10/15)~HONDAの小山が優勝、九電工の赤崎が2位で五輪内定~
本日、パリ五輪代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が行われました。レース結果はこのようになっております。今日の午前中のみ大雨というピンポイントに悪いコンディション、この天気に対応出来た選手、出来なかった選手、そもそもコンディションを合わせられなかったなど一発勝負は難しい面がありますね。ただ、以前よりも五輪代表を選ぶ基準が明瞭で私も良いと思います。別の高いのタイムや順位での比較は困難ですからね。
順位 | タイム | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1位 | 2時間08分57秒 | 小山 直城 | Honda |
2位 | 2時間09分06秒 | 赤﨑 暁 | 九電工 |
3位 | 2時間09分11秒 | 大迫 傑 | Nike |
4位 | 2時間09分18秒 | 川内 優輝 | AD損保 |
5位 | 2時間09分42秒 | 作田 直也 | JR東日本 |
6位 | 2時間09分53秒 | 堀尾 謙介 | 九電工 |
7位 | 2時間09分55秒 | 井上 大仁 | 三菱重工 |
8位 | 2時間09分56秒 | 大塚 祥平 | 九電工 |
いきなりAD損保の川内が集団から抜け出したのにはびっくりしましたが、そのまま後続との差をどんどん広げていったこと、そして何よりも追いつかれてからの粘りは衝撃的でした。今回が130回目のフルマラソンという圧倒的な経験値が今回のような走りを支えているのか…コンディションが悪かったのも川内に合っていましたかね。トップと21秒差の4位ですからね、間違いなく今回のMGCの主役でしたし、存分に存在感を見せてくれました。
そんな中で素晴らしい走りを見せたのがHondaの小山、ずっと目立たない位置でレースを進め、集団のペースが上がってからも冷静に集団についていくと、終盤のロングスパートで後続を引き離しにかかると誰もついていくことは出来ませんでした。東農大時代はそこまで目立った存在ではありませんでしたが、後輩たちが10年ぶりの箱根出場を勝ち取った翌日に東農大出身の小山がパリ五輪代表を勝ち取りました。東農大ファンにとっては最高の2日間になったのでは。
2位に入ったのは九電工の赤崎、小山のスパートにはついていけませんでしたが、大迫、川内という実力者を終盤突き放す走りは見事でした。今年度はトラックで好タイムを連発していて一気に評価を高めた選手ですが、マラソンでもその強さを存分に見せましたね。最後まで大迫が追いすがりましたが、そのスピードも最後に活きました。東農大出身の小山、拓殖出身の赤崎という近年はなかなか箱根出場にも苦戦している2校のOBがパリ五輪代表を射止めました。
実業団では九電工の活躍が目立ち…堀尾は終盤積極的なレースで先頭集団を牽引していました。さすがにスパートにはついていけなかったものの、6位に入る粘りの走り、前回も中央大学時代にMGC出場を獲得しましたが、その際も今回のような雨の強いコンディションでした。そんな時こそ堀尾の強さが発揮されますね。前回4位だった大塚も早い段階出遅れたもののその後は粘って集団に戻り、最終的には8位に入ってきました。前回よりも順位こそ落としてしまいましたが、2大会連続での8位以内というのはその安定感が光ります。
3位にはMGC2大会連続で大迫、最後の最後、わずか5秒及びませんでしたが…さすがは大迫という走りを見せてくれました。他の多くの選手もマークしていましたし…前回五輪代表だった中村、勇馬らが今回はMGCに出場さえ出来なかったことを考えても、一度引退して復帰→MGCを1レースで獲得→MGC3位の凄さが際立ちます。2時間5分50秒を超える選手がいなければ大迫が五輪代表に決まりますが…前回のようにまた好タイムを狙ってくるのでは無いでしょうか。
5位にJR東日本の作田直也が入りました。先頭集団が4人に絞られた時にはついていけませんでしたが、6人になった段階では喰らいついていましたから素晴らしいですよね。高校時代からのスター選手が何人もいる中で、高校ベストは15分47秒と最低クラス、それでも順大では3年時に箱根10区2位、4年時に箱根10区区間賞と獲得すると、実業団ではマラソンで活躍を見せています。
7位に三菱重工の井上、前回は優勝候補の一角に挙げられながらも完走した選手中最下位という結果に終わりましたが…今回は苦しそうな表情になってからも粘りの走りを見せましたね。前回の悔しさはある程度晴らせたのではないでしょうか。
今回は有力選手も苦しい走りになることが多く…世界陸上に出場した選手ではTOYOTAの西山は故障でそもそも欠場、JR東日本の其田は早い段階で途中棄権、三菱重工の山下も早い段階で遅れてしまいました。1か月半しか準備期間が無くてマラソンを2戦するのはやはり難しいですね。日本記録保持者である富士通の鈴木健吾も早い段階で棄権、こうした選手たちは現実的にMGCファイナルのタイムある2時間5分50秒を狙えますし、ダメージを残さないという選択肢も当然ありですよね。
今回のMGCで上位に入ってきた選手を見てみると、13位までは全員出身大学が違ったんですよね。MGCを獲得したのは駒澤、青学、東洋のOBらが多かったですが、上位は見事に別れました。もちろんどの条件を満たしてMGC出場を果たしたとか正解陸上、アジア大会を優先した選手もいるなど様々な要素もありますが…色々な大学の選手が活躍してくれるのは良いですね🎵