第99回(2023年)箱根駅伝 ~個人的に気になった区間配置3選~

はじめに

今回も自分が書きたい記事を書く企画、箱根が終わった1か月半経ちますが、ずっと気になっていた区間配置を3つ話していきます。もちろん区間配置を否定するものでは無いですし、私が読んでいない記事や雑誌で理由が明確に記載されているかもしれませんが…あくまでも私が「個人的に気になった区間配置」について述べていきます。

東洋大学:2区

2区が石田だったことに対しては異論はありません。東洋はずっとエースを2区に起用してきましたし、松山が出場出来ないとなったら続くエースは石田ということになるでしょう。東洋が啓太を2区に起用して以降は勇馬⇒山本修⇒相澤⇒松山と東洋のエース・・・というよりは大学長距離界のエースが起用されてきて、結果を残し続けてきました。となると、東洋が松山が起用出来なかった2区に石田を起用するのは至極当然のように思えます。


では何が気になったのかというと、「万全ではない石田」が2区を走ったということです。レース前に不調者や故障者が続出してしまいましたし、石田もその1人だったはず。レース中にもアクシデントがあったという話もありましたが、最難関区間の2区に状態が上がっていなかったであろう石田を何故起用したのかというのが気になりです。


今年度は出雲・全日本ともに主要区間でなかなか結果を残せていなかったので、個人的には万全であっても2区より4区が良いと思っていました。1区の児玉は状態が良かったということなので、2区はある程度中位では来る想定でそれが狂ったのかもしれませんが、もっと好位置でタスキを受け取ったとしても苦戦は免れなかったでしょう。苦しすぎる経験が今後の糧となれば良いですが、トラウマとなってしまう可能性もあるのではと心配になってしまいました。


他に2区を任せられる選手がいなかったという意見があるかもしれませんが…9区を走った梅崎がいるんですよね。最初は梅崎が起用出来ないので2区石田しかいないのかと思っていましたが…9区4位で走れる状態の梅崎がいるのであれば、2区に起用しても良かったのではないかなあと。仮に2区と9区を逆に起用した場合、全体としてはもっと苦戦していた可能性もあるので何とも言えませんが…2区にリスクを負うのは東洋らしくないなあと気になりました。

青山学院大学:6区

若林が前日に5区に起用出来ないとなった時点で6区西川であることには何も異論は無いのですが…気になるのはそこまでの過程です。箱根直後に載っていた内容が最初は誤っているのでは?と思ったのですが、後日雑誌でも同じことが記載されていたので…6区候補の1番手(野村)が故障で外れたのは当然仕方ないです。「2番手(山内)は他の選手との兼ね合いで戦略的に外した」


これが第一の気になる点です。1番手が走れないのであれば2番手が走るのが基本で戦略的に外す立場では無いはず…強いて理由を挙げるとすれば2番手と3番手の走力差がほとんどなく、3番手の方が汎用性があるという場合です。実際に3番手(脇田)は5区の控えも兼ねていたので、山内が6区しか起用されない想定だったのであれば、脇田を優先するというのも選択肢としてはありでしょう。結果的に4番手の西川が走ることになったわけですが、ここがもう1つの気になる点です。


西川はこれまで3大駅伝のエントリーも無く、本人のコメントを見ても6区以外を走る想定は無かったはず。そうすると山内と西川は同じ6区のみの候補となって、他の選手との兼ね合いで外れるのは4番手の西川だったはず…にも関わらず山内が外れたのは何故だったのかなあと。結果としてこの6区は駒澤に5分差をつけられて優勝争いから脱落する区間となってしまったわけですし、山内だったらどうなっていたのかなあと…区間配置というよりはチームエントリーが気になりました。

順天堂大学:10区

順大の10区は西澤が走って区間賞を獲得、8⇒5位と3つ順位を上げて一矢報いた…これだけ見ると区間配置がハマったようにも見えるのですが…気になるのは9区に藤原、10区に西澤を起用したということです。3大駅伝未経験の藤原と3大駅伝の経験豊富で全日本でも6区2位で走っていた西澤では西澤の方が実力者でしょう。そして10区よりも9区を重視するのが箱根ではセオリーです。実際に今回の箱根で上位8校の区間配置を9区⇒10区で見てみると…


駒澤:山野⇒青柿
中央:湯浅⇒助川
青学:岸本⇒中倉
國學院:坂本⇒佐藤
早稲田:菖蒲⇒菅野
法政:中園⇒高須賀
創価:緒方⇒石丸


人によって意見が違うかもしれませんが…残る7校は全て9区の方が10区より実力者が起用されていると私は考えています。青学に至ってはダブルエースの1人である岸本を起用していますからね。チーム8~10番手であろう選手、最後まで出場争いが激しかった選手を10区に起用することも多いです。今年度に限らず、上位争いをする大学はずっと9区を重視する傾向があるのに、何故今回の順大は明確に9区よりも10区を重視したのが気になったんです。


箱根初出場や久しぶりの出場校が10区は実力に関係なく主将に任せたいという想いで起用されることはこれまでもありましたが…少なくとも優勝を狙っている大学がそんな起用はしてこないでしょうし、9区藤原で10区西澤の方が総合順位が上がると計算したのか…今回は9区が想定外の集団になってしまったこと、さらに早い段階で青学の岸本が追い抜いていって集団のペースが上がって置いていかれてしまったという展開の悪さもありましたが、結果として9区で大きく離されてしまいましたからね。


セオリー通り9区西澤、10区藤原もありだったのではないかなあと。ただ、9区緒方、10区石丸とした創価は9区終了時で4位に浮上も10区で8位まで順位を落としてしますし、同じような展開に順大がなっていた可能性もあるので一概には言えませんが…多くの大学が9区>10区ということは、それが有効だと考えている監督が多いからです。どんな理由で西澤を10区まで残したのかなというのが最後に気になった点でした。

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