箱根終了後に考える全日本(2023年度)の展望その2 ~全日本シード校~

状況

続いては、全日本シード校(駒澤、國學院、青学、順天、創価、早稲田、中央、東洋) に対し、全日本における現段階での展望を述べていきます。予選会校からシードを獲得するのも困難であろう大学がシード校に揃うことを考えても、シード校の入れ替えは1,2校あるかもしれませんが、優勝争いに絡むのは難しいでしょうし、全日本の優勝争いはシード校というのが現実的でしょう。

駒澤大学

出雲は箱根は明確な優勝候補筆頭はいないと思っているのですが…全日本だけは駒澤が抜けていると思います。今年度は2位に3分21秒もの大差をつけて3連覇を達成、来年度も優勝メンバー5人が残り、さらに箱根4区3位の芽吹は走っていませんからね。順当ならば3区に篠原、7区に芽吹、8区に花尾ということで主要区間は埋まってしまいますし、2区圭汰、4区山川、6区安原もそのままで何も心配はいらないところ。


後は箱根優勝メンバーの伊藤、赤星、青柿や新入生の小山、安原、工藤らが争うということになれば、今年度ほど圧倒的な戦力とは言えないかもしれませんが、十分に4連覇が狙える布陣となるのでは。全日本を駒澤は勝率が5割を超えるほど得意としていますし、出雲や箱根で優勝出来なかったとしても、全日本だけは優勝しそうな気がします。

中央大学

出雲や箱根と比べると、全日本は中央がそこまで優勝候補としては挙がってこないかなあ。今年度は全日本よりも箱根を重視した練習を組んでいたようですし、同じように箱根優勝を最大の目標とする中で全日本に合わせられるかというと、難しそうな気がします。もちろん、選手はズラッと揃っていますし、3区駿恭、7区大和、8区中野のように主要区間はあっさりと埋まりますし、つなぎ区間も溜池、阿部、山平、湯浅に期待の新入生である柴田、鈴木、本間で揃ってしまいます。


全日本出場予定だった東海林や1年でも白川、佐藤、伊藤夢、吉中などどんどん台頭してきていますし、選手層はグッと厚くなってきましたよね。3位に入った出雲、2位に入った箱根と比べると、8位→7位ときている全日本で一気に優勝争いまで浮上出来るか…チームの選手層と全日本にどれだけ合わせられるかが鍵を握ってきそう。

青山学院大学

前回は3位、その経験者が6人抜けて白石、佐藤しか前回経験者は残りません。故障や不調がなければ太田、若林は確実に走りますし、田中、鶴川も含めた2年生は強力、3年の志貴、山内、小原、倉本や1年の黒田、塩出、荒巻と全日本の出場候補は8人を余裕で超えてくるのですが、やはり3大駅伝で好走経験のある選手が少ないのが気になります。3大駅伝初出場でも好走する選手が多いのが青学の強さでもありますが、さすがにこれだけ経験者が不足していると、揃って好走するのは難しいのでは。


3区佐藤、7区太田、8区若林というような主要区間になるのかなあ。近年は苦戦することの多い2区にも例えば鶴川のように主力を起用したいですよね。箱根後はハーフに都道府県対抗に結果を残し続けていて、来年度の青学も強いという印象を与えていますが、全日本は3大駅伝で最も苦手としていることを考えると、良くて3位くらい、また故障者が多ければ5位以下もあり得るのでは。

國學院大學

前回は2位、1区で17位と出遅れてからの見事な巻き返しでした、特に5区区間賞だった青木の快走が光りました。前回経験者は山本、青木、平林、伊地知と4人しかいませんが、7区平林、8区伊地知のコンビは健在で山本が2区ならば青木を3区とすることで主要区間は何も不安はありません。ここに箱根で快走した上原、佐藤の2人は加わってくるでしょうし、嘉数、鶴ら力のある選手も控えています。新入生も田中や後村ら実績のある選手がメンバー争いに加わってくるでしょう。


となると、気になるのはやはり3年生かなあ。この学年は伊地知が抜けていて、他の選手はまだ3大駅伝に出場できていないんですよね。瀬尾、鈴木、松下らが候補になってくると思いますが…来年度の3大駅伝では3年生がどれだけ戦力となるかが大事になります。主要区間が何も不安が無いというのはやはり大きいですし、2年連続で2位となっても正直おかしくは無いかと。

順天堂大学

前回は4位、4年生が5人出場していたことを考えると、来年度の全日本は今年度と比べて戦力的ダウンは否めません。三浦、石井、海老澤という前回メンバーに浅井はまず入ってきそう。三浦はやはり2区があっていそうですし、長距離区間は浅井が走って欲しいかなあ。スーパールーキーの吉岡は3区など前半の主要区間が良いと思っていますが…駒澤の田澤のように1年で長距離区間の7区へ抜擢されることもあり得るか。入学前ですが期待は高まるばかりです。


箱根に出場した村尾、藤原、出雲に出場経験のある服部、油谷らもメンバーに入ってきてほしい選手たちですし、ルーキーは吉岡以外にも楽しみな選手がズラッと揃っていますので、複数選手の起用もあり得るかなあ。楽しみも大きいのですが、新戦力の起用も多くなるであろうだけに、不安も大きいです。さすがにシードは大丈夫だとは思うのですが、崩れる区間があると立て直せずに崩れてしまう可能性も…

早稲田大学

前回は6位、来年度の早稲田はさらに順位を上げてきそうな期待感もあります。まず、4年生は2区井川、5区の小指の2人のみ。3区石塚、7区伊藤、8区佐藤と主要区間を担った3人は箱根でも好走していて盤石。さらに山口も万全であれば2区を含めた主要区間を任せられるでしょうし、苦戦した菖蒲も箱根の走りを見る限り、状態が上がれば心配いらなそう。


箱根を走った伊福、菅野もいますし、新入生も楽しみな選手が加入しますからね。全日本は比較的安定した強さを見せていますし、来年度も全日本に合わせられれば4年連続シードはもちろん、5位以内に入ってくる可能性もありそう。ただ、選手層の薄さはやはり変わらないでしょうし、上位を狙うにはエース級の更なる成長、中間層の底上げも必要になってきます。

創価大学

前回は5位、来年度の戦力ダウン、シード校は青学、順大らも大きいですが最も大きいのはこの創価かもしれません。横山、葛西、嶋津、新家、ムルワと1桁順位で走った5人が抜け、残る吉田凌、石丸、山森はいずれも区間11位以下でしたし…来年度はガラッと違うチームとなりますね。ただ、3区を走った吉田凌、8区の山森がいて7区にカミナを起用するとなれば主要区間は一旦埋まります。


桑田、野沢ら箱根出場者に長い距離に強い志村、小暮、山下ら楽しみな選手も揃っているんですよね。4年生が卒業したことによる戦力ダウンは確かに大きいですが、その分一気に新戦力が台頭してくる可能性もありますからね。ただ、シード争いとなると現時点ではさすがに厳しそうかな。

東洋大学

前回は8位と2年ぶりのシード獲得、児玉、前田、柏と3人が抜けることとなりますが、ともに区間5位で走った九嶋、村上に7区の梅崎らシードに貢献した選手たちは健在、ただ3大駅伝全てで今年度は出遅れてしまっているだけに、そこを改善しないことには苦しいレースが続いてします。スターターをどうするかは悩ましいですね。ずっと1区で出遅れていますし、主力の起用もあるかも。


3大駅伝で苦戦が続く石田、不出場だった松山がダブルエースとなってくれるかどうかがまず大事ですよね。チームとして足並みが揃わないことには戦力的に正直厳しいです。熊崎、緒方らの3大駅伝デビューも待たれますし、田中を筆頭に新入生もメンバーには入ってきそう。松山を欠いてもシードを獲得したことを考えても、来年度もシードは十分狙えると思いますが…そこから上位に上がってくるのは現状厳しそうですね。

まとめ

全日本だけは駒澤優位は動かないと思います。主力を複数欠くことなどが無ければ4連覇の可能性はかなり高そう。明確に対抗となる大学がいないんですよね…國學院、青学、中央らは強いと思うのですが、今年度以上と言えそうなのは7位だった中央くらいかなあと。2年連続3位以内の青学、4位以内の國學院と安定した強さを来年度の全日本でも発揮出来るか。シード争いとなると、創価がちょっと厳しそうで順大、東洋も巻き込まれる可能性がありそうか。


前回の展望では駒澤が優勝候補の筆頭で対抗が青学、続くのが東国、順大、その後にシード校が争うとしたので、ある程度はあっていますが…出雲に続いて國學院の評価が低かったですね、すみません。まさか出雲、全日本ともに2位になるとは思いませんでした。卒業生の穴をあっという間に埋めてしまいましたし、同じことを来年度も出来るのであれば再び優勝争いに絡んでくるでしょうし、再来年度は優勝候補の筆頭になっているかも…

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