第99回(2023年)箱根駅伝 8区振り返り ~区間賞:宗像(法政)、木本(東洋)~

総評

続いては8区における各選手の走りを振り返っていきます。8区結果はこのようになっております。7区に続いて8区も区間賞が2人出るという珍しい状況に。8区も64分台が7人も出るハイレベルなレースとなりました。8区は復路の中でも主力が起用されることの少ない区間なのですが、もう箱根においてつなぎ区間は無いのかもしれません。10区間全てに主力を揃えないと優勝出来ないほどになってきていますし、シード争いにおいても8区を中位で走れるというのは必要になってきます。

大学ごと

区間賞を獲得したのは法政の宗像と東洋の木本、宗像は前年度の全日本で6区6位ながらも粘りの走りを見せていましたし、MARCH対抗戦でも良い走りを見せていましたが、まさか区間賞まで獲得してしまうとは思いませんでした。ここで6→5位と再び目標とする5位以内に入ってきましたし、シード争いももう気にしないでよい状況になったのも大きかったです。木本は前回の箱根で4区18位と悔しすぎる走りでしたが、最後の箱根では会心の走りでしたね。この区間で一気に10位と33秒差まで縮めて、現実的にシードが狙える位置までチームを押し上げました。


優勝争いでは、駒澤の赤星がやや中央に迫られる状況だったものの、ラスト3kmだけで25秒も引き離したのが大きかったです。区間4位の走りでタイム差を1分5秒と初めて1分以上の差をつけることに成功。前回は8区予定も調整が上手くいかずに走れなかった悔しさを晴らしました。中央の中澤は区間7位、前回の3位よりもやや区間順位こそ下げてしまったものの、復路に中澤がいる安心感というのはやはり別格ですよね。安定した走りを3年連続で見せてくれました。


区間3位は順大の平、前回は1区18位と出遅れてしまいましたが、今回は見事な走りで最後の箱根を駆け抜けました。8区の上位陣は前回の悔しさを晴らす走りが多かったですね。1秒差で区間賞を逃したのは惜しかったですが、最後に結果を残すのがさすがです。区間5位に青学の田中、青学の8区と言えば非常にハイレベルな安定感を誇る区間ですが、田中が今回も64分台で走破、この走りで8年連続8区は64分台で走ることとなりました。田中も来年度は主力の1人として活躍してくれるでしょう。


区間6位に帝京の山中が入ってきたのはびっくりしました。今年度グッと力をつけてきている選手ですが、出雲では5区11位でハーフも走っていないはず…2年生が好走したのも来年度以降に繋がりそう。区間8位に明治の加藤、総合では10→9位と1つ順位を押し上げました。3大駅伝で苦戦することもありましたが、シード争いの難しい状況の中で良く走ってくれたと思います。


区間9位に創価の桑田、10位に早稲田の伊福が入ることに。桑田は前回3区17位と苦戦し、今年度はなかなか3大駅伝出場出来ない状況で一桁順位で走ってくれました。今後はまた往路で活躍してほしい選手です。伊福は箱根予選、全日本とあと一歩走れないところから、上尾ハーフの快走を経て箱根出場を勝ち取りました。一般組が復路を区間中位で走ってくれると、早稲田も選手層の厚みがグッと増しますね。


区間11位に山梨学院の伊東、12位に日体大の廣澤が入ることに。伊東は前回4区16位、箱根予選でも207位と苦労しましたが、最後の箱根に合わせてきて中位で走るのは素晴らしいです。今回の復路における4年生の好走を今後のチームの飛躍につなげてくれれば。廣澤は4年生になってから中距離から移籍してきた選手、それで箱根予選に続いて箱根でも結果を残すのですからその強さが良く分かります。


区間13位に國學院の高山、14位に城西の桜井と8区で2人しか走らなかったルーキーが並びました。ルーキーに任せることも多い区間ですが、最近は状況も変わってきているのかも…遊行寺の坂があるなど簡単ではないコースですからね。高山は上尾ハーフの快走もあって箱根出場を勝ち取りましたが、区間順位としてはもう一歩だったかなあ…一方の桜井は終盤まで明治に喰らいついたことが最終的にシード獲得に繋がりました。個人的に復路では最も不安視していた区間だったのですが、良く粘りました。


区間15位に立教の山本、16位に国士館の鈴木が入ることに。立教の復路は本当に安定していましたよね。山本もしっかりとまとめて、これで3区間連続で区間15位以内となりました。来年度はもっと区間中位で走る選手が増えてきそう。鈴木は箱根予選で200位だったことを考えてもよく走ってくれたのでは。タスキを受けたのも難しい位置でしたし。


区間17位に専修の野下、18位に大東大の木山ということに。野下は2年連続走った5区から8区となりましたが、箱根予選で安定した欠課を残している野下ならばもっと上位で走れる力もあるはず…箱根予選だけではなく箱根でも結果を残していって欲しい。木山は今回ちょっと苦しい走りとなってしまいましたね。1万で28分35秒のベストを持ち、走力もありますからね。


区間19位に東国大の宗像、20位に東海の神薗ということに。宗像は9,10区ではなく8区だったことからも万全では無かったか…ここで11→12位と順位を下げ、シード争いを考えても一気に苦しくなってしまいました。神薗も急遽の出場となったのかなあ。前回は3区を走っている実力者ですし、万全ならば8区を走るとも思えないですからね。万全で無い選手が起用されることもある8区ですが、結果としてはなかなか上手くいかない印象。関東学生連合の佐藤は区間最下位相当で20位からも1分18秒離されています。今回は全体的にかみ合わなかったです。

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