第99回(2023年)箱根駅伝 7区振り返り ~区間賞:葛西(創価)、杉(明治)~

総評

続いては7区における各選手の走りを振り返っていきます。7区結果はこのようになっております。今回の箱根、優勝候補だけではなく復路のレベルアップが顕著でした。7区も62分台が2人、63分台が7人もおり、63分台でないともう区間1桁で走れないほどですからね。復路で大きく崩れる区間が出てしまうとあっという間にシード圏外に弾き飛ばされてしまいますし、7~10区はいずれも駒澤、中央と優勝を争った大学が区間賞を獲得していないというのも特徴的です。

大学ごと

区間賞を獲得したのは2人おり、創価の葛西、明治の杉が揃って62分43秒でした。葛西は前半区間記録を超えるハイペースで突っ込み、その後はややペースダウンしたもののこの走りはさすがです。故障もあったという話だったのですが、それでも区間賞を獲得してしまう強さ、チームにとって本当に頼りになる選手です。杉も前半から積極的な走りでしたが、そのまま押し切ってしまいましたからね。3大駅伝初出場でこの走りはびっくりしました。総合でも12→10位と2つ順位を上げてシード圏内に入ってくることに。箱根予選で174位と苦しんでからの快走でした。


優勝争いは7区でも激しい争い、中央の千守が区間4位、駒澤の安原は区間5位で3秒千守が先頭との差を縮めることとなりました。千守は前半はやや抑えて後半上げる走り、箱根は1,2年時にいずれも1区で16位、17位と苦しみましたが、最後の箱根で快走を見せました。安原は前回3区16位と非常に悔しい走り、今回は主力の体調不良で急遽の出場となりましたが、前半は積極的な走り、後半は差を縮められたものの最後は粘りの走りを見せました。


そこに割って入ったのが区間3位だった順大の浅井、上尾ハーフで快走を見せた期待の2年生、3大駅伝初出場で見事な走りを披露し、8→7位に順位を上げました。2年生が活躍したのも嬉しいですね。区間6位に國學院のルーキー上原、青木とともに期待される選手ですが3大駅伝デビュー戦でも結果を残してきました。4→3位と順位を押し上げる走りを見せています。順大、國學院と来年度以降を見据えても下級生の活躍は大きいです。


区間7位に青学の佐藤、8位に法政の宮岡が入ることに。佐藤は状態もそこまで万全では無かったか…さらに6区で大きく後退してしまった影響もあったでしょう。それでもしっかりとまとめてはくれましたが、6度の3大駅伝出場は全て区間4位以内だっただけに初めて区間5位以下となってしまいました。宮岡は上尾ハーフで快走を見せていた選手、3大駅伝初出場でこの走りは上出来といって良いでしょう。2年生も小泉、武田にこの宮岡と存在感を増しています。


区間9位は2人おり、山梨学院の石部、城西の林ということに。石部は前回の箱根で9区最下位となってしまいましたが、そこから1年で見事に1桁順位で走ることに。今回は前回の悔しさを晴らす選手が多かったですし、石部もその1人でした。林は中距離の選手だったはずなのですが…全日本予選に出場したと思ったら箱根でも1桁順位の好走、あっという間に長い距離にも対応してきましたね。スピードはもちろんありますし、まだまだ強くなりそう…シード獲得に向けてもここで10→9位と順位を上げられたのは良かったです。


区間11位に日体大の名村、12位に早稲田の鈴木が入りました。日体大は復路で下位に沈むことがここ数年多かっただけに、こうやって中位で走れる区間が増えてきたのは良かったですね。名村は箱根予選で結果を残し続けている選手ですし、箱根でも良い走りでした。鈴木は急遽の7区出場で状態もそこまで上がっていなかったということですし、過去3大会はいずれも区間5位以内だったとはいえ、今回の順位はある程度仕方なかったかなあ。


区間13位に東国大の山岸、14位に立教の服部が入ることに。山岸は期待の2年生世代の1人、持ちタイムを着実に伸ばしてきましたが、初の3大駅伝エントリーで出場を勝ち取りました。今回は2年生の足並みが揃わなかったもののさらなる活躍に期待。服部も箱根予選では苦労しましたが区間14位は上出来と言って良いでしょう。初の箱根でも結果を残してくるのは頼もしい限り。


区間15位タイに東洋の佐藤、大東の金田とこちらも並ぶことに。この区間だけでタイ記録は3つもあるんですよね。これもある意味全体のレベルが上がっていることの証明か。佐藤も急遽の7区だったはず。今年度は苦労していましたし、箱根でも15位という結果は本来の走りでは無かったです。この時点ではシードは厳しいかもと思ってしまいました。金田は1,2年時に箱根予選出場も3,4年時は出場出来ず。それでも12月に1万、ハーフと結果を残して箱根出場を勝ち取りました。こういう4年生が出てくるとチームにとっても大きいです。


区間17位に帝京の北野、18位に東海のルーキー竹割が入ることに。北野は実力者ですが今年度は故障に苦しみました。何とか箱根には合わせてくれましたが、力を発揮するまでには至らず…東海は松崎が直前にコロナということで竹割も急遽の出場だったはず。今回は本当に主力を欠く大学が多すぎましたが、東海も特に苦労していたか。さすがにルーキーには負担が大きかったかなあ。


関東学生連合の榎本は区間19位相当、総合でも最下位相当は変わらずということで今回は前回と違って下位となってしまう区間が多かったです。区間19位に国士館の西田、20位に専修の中山ということに。西田は箱根予選ではチーム6番手と良い走りを見せていて、個人的にも楽しみな選手だったのですが初の箱根はほろ苦い結果に…中山は前回の10区最下位に続いて2大会連続の最下位は苦しすぎますね…何とか浮上のきっかけを掴んで欲しいです。

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