第54回(2022年)全日本大学駅伝 ~区間別展望~

いよいよ明日、全日本大学駅伝が行われます。今日は優勝候補と個人的に見ている前回の全日本上位4校(駒澤、青学、順天、國學院)、有力選手を中心に1~8区の展望及び優勝・シード争いについて見ていきます。当日変更が3人もありますが、多少は当日変更も考慮に入れていきます。過去2大会は最後の最後まで優勝が分からない大混戦となりましたが、今年度はどんなレース展開となるでしょうか。

1区:9.5km

全日本の1区で好走経験があるとなると前回3位だった國學院の島崎くらいか。どれだけ状態が上がっているか気になるところ。直近の出雲だと青山学院の目片も区間上位で走っています。東国大は出雲に続いて1区冨永もあり得るか。最短区間ながら大事な1区に起用する選手と言うのは悩ましいですよね。勢いのある選手を起用している大学も多く、順大の油谷、中央の千守など出雲で好走した選手、駒澤は記録会で結果を残している円を抜擢、神大は箱根予選チームトップの有村を起用しました。ただ、順大は監督が平、石井、海老澤の3人起用予定ということから、1区は平か海老澤か。


期待のルーキーを起用するのもよくある区間であり、早稲田の間瀬田、明治の森下、東海の花岡らが起用されています。ともに高校時代から実績豊富な選手たちで3大駅伝デビュー戦が楽しみです。関東勢にそこまで主力級がいないだけに、第一工科大のサレーが集団から抜け出したり、日本学連の亀田が先頭を引っ張ったりする展開もあるかもしれません。全日本の1区は特に順位よりもタイムですが、早めに遅れるのだけはとにかく厳禁ですね。少なくとも関東勢の上位陣のタイム差はあまりつかなそう。

2区:11.1km

今回は3区よりも2区を重視する大学が多いように思えます。注目は順大の三浦vs駒澤の圭汰という洛南の先輩後輩対決でしょう。出雲に続いて2区での対決、さすがに三浦も2度負けるわけにはいかないでしょうし、全日本には合わせてくれるでしょう。さらに、東京国際は丹所、早稲田は井川、東洋は石田、中央学院は吉田と明確にエースを起用してきました。


長距離区間を走ってもおかしくないエースを起用するということは、それだけ2区が勝負区間と睨んでいるのでしょう。主力級を起用している大学も多く、國學院の山本、創価の葛西、大東大の菊地、日大の西村らが当てはまります。中央はエースの大和、明治もエースの児玉をこの2区に起用してくるかも。そうなるとますますハイレベルになりそうです。青山学院は調子が良いという白石を起用していますが個人的にはちょっと不安も…2区に主力が揃うということは1区の走りが余計に大事になってきますね。

3区:11.9km

前半の主要区間と言われる3区ですが、今回は2区ほど主力は集まらなかったですね。現時点でNo.1エースを起用しているのは東海の石原、日大のドゥングくらいです。どちらもここで大きく差をつけていきたいところ。主力の起用では、青学が佐藤、順大が野村と前回の5区で1,2位だった選手たちをそれぞれ起用、中央は期待のルーキー駿恭を起用しています。


さらに、当日変更の可能性が高いのが駒澤と國學院、駒澤は花尾か芽吹、國學院は中西大が起用されることでしょう。優勝候補と目される大学はどこも主力を起用してくるはず。神奈川もここは当日変更で宇津野ら主力が起用されそうかな。東洋は1区を担ってきた児玉を3区に起用し、これがどう影響するか気になります。2区にエースが揃った分、3区はタイム差が大きくつくかもしれません。

4区:11.8km

4区にエースを起用してきたのは大東大の久保田くらい。戦略なのかコンディションの問題なのか気になります。どこもさすがに4~6区全てに主力を起用する余裕はないはずで、選手層が問われるところです。駒澤は期待のルーキー山川がそのまま走るのか、山野あたりと当日変更か気になるところ。青学は主力の横田を起用しており、ここで有利に立ちたいところ。國學院は出雲で好走した藤本、中央は長い距離に強い中澤を4区とちょっと意外な起用で当日変更もあり得るか。


明治は足に違和感があったという小澤、早稲田はアクシデントがあったルーキーの山口ということで実力者ですがコンディションが気になるところ。順大はここに石井が当日変更となりそうで、そうなると2~4区まで非常に強力なオーダーです。優勝を狙うのでならば4区終了時にはトップにいたいところかな。東洋は甲木、創価は石丸と出雲に出場したスピードのある選手を起用しています。

5区:12.4km

青学は岸本を起用しており、万全であれば区間賞候補ですね。ここで抜け出しておきたいところか。創価は日本人エースの嶋津を起用しており、ビックリしました。戦略的起用ならば良いのですが…状態が気になります。大東大も日本人エースの大野を5区に起用、4,5区にここまで主力を起用しているのは大東大だけで、攻めた区間配置となりました。駒澤は前回好走している赤星をエントリーで4区山川が走る可能性が高い&3枚替えなのでここに山野が入る可能性も…


國學院も2枚替えということで、出雲1区で好走した青木が起用されるか。主力として監督も期待していますし。順大は浅井と3大駅伝未経験の選手で、平か海老澤と当日変更となりそうかな。早稲田は小指を起用していますが、走るのであれば2年前の箱根以来ということで個人的にも注目しています。記録会でもある程度走れていますからね。東洋もスピードのある九嶋を起用しており、各大学の戦略によって起用選手が分かれる区間です。

6区:12.8km

駒澤は前回区間2位の安原を起用しており、トップとの差をどれだけ抑えて6区を迎えられるかが優勝に向けて大事になってきます。今回は6区に主力を起用している大学が少なく、青学・順大ともに出雲5区を走った田中、西澤をそれぞれ起用、出雲以上の走りを見せるのが大事になってきそう。國學院も前回6区7位の坂本を起用しており不安はありません。


6区は8番手を起用することが多い区間ですが、優勝争いやシード争いにも大きく影響する重要区間ですから悩ましいところ。早稲田は箱根予選で苦戦した菖蒲、明治はルーキーの吉川、中央は3大駅伝三経験の東海林と期待も不安もありますね…いずれも当日変更の可能性もあり、読めません。日大は日本人エースの三山を起用、箱根予選からどれだけ状態が戻っているか心配です。

7区:17.6km

駒澤は前回同様にエースの田澤を起用、ここでトップに立っておきたいはずですが、出雲からどれだけコンディションが回復しているか。同じくエースを起用している大学では…創価がムルワを起用しており区間賞の有力候補です。創価はここでシードボーダーと差をつけておきたいところ。國學院は前回同様に平林を起用しており盤石、順大も7区にエースの1人である伊豫田を起用、出雲はやや苦戦しましたがこの走りは優勝争いに向けても非常に大事になってきます。


当日変更が予想される大学も多く、青山学院はここに2年連続でエースの近藤かな?早稲田は鈴木、明治は富田と箱根予選で好走したエース格が出場する可能性が高いです。シードを狙う大学はどこも7区にエースを起用してきそうですね。中央は湯浅がそのまま走るのか中野あたりと変更か…東海も入田がそのままか松崎あたりと変更か気になります。長い距離に強い選手かエース級を起用するか悩ましい区間です。


神大はエースの山崎がエントリーされていますが、箱根予選は回避しておりこのまま出場するならば状態が気になります。東洋は長い距離に強い梅崎ということでシードに向けてカギを握る選手となりそう。関東勢で唯一7区にルーキーを起用しそうなのが日大の中澤、箱根予選は上々の走りを見せていましたがエース区間でどれだけ走れるか楽しみです。7区終了時で過去3大会はいずれも優勝の行方が分からない接戦でしたが今年はどうか。

8区:19.7km

最長区間の8区、現状でエースがエントリーされているのは東国大のムセンビくらいかな。過去2回は区間賞、区間2位で走っており区間賞候補筆頭です。國學院は伊地知、順大は四釜と前回の8区1,2位だった選手をそれぞれ起用しており盤石。早稲田は箱根予選で好走した佐藤、東洋はマラソンで好走した清野、東海も関東インカレハーフで好走した竹村、日大も箱根予選好走の若山とエース級では無いものの長い距離に強い選手を起用しています。


当日変更で主力を起用してきそうなのは駒澤と青山学院、駒澤は芽吹か花尾、青学も中村が起用されそうかなあ。芽吹と中村が出場となればともに出雲6区に続いての最長区間ですね。大東大も最長区間に留学生のワンジルを起用しそうかな。他に主力が補員に残っていませんし、エースとしての走りが期待されます。創価は志村がそのまま走るのか新家や山森あたりと当日変更になるのか気になるところ。嶋津を5区に起用出来るほど計算出来る選手が8区に残せれば大きいです。


2年生を起用してきた大学はどこもちょっと意外で中央は阿部、明治は尾崎、中央学院は安藤となっています。阿部は前半区間かと思っていたので最長区間はびっくりで万全ではなく当日変更という可能性も…尾崎は本人も走る気だったようですし、チームとしては順当なのかもしれませんが前回は5区10位と苦戦しており、未知数な部分がありますね。安藤は箱根予選で上々の走りを見せており、全日本でも続けられるか。

優勝争い

前回の全日本、今年の出雲などを考慮し、区間配置を見ての印象は大きくは変わっておらず…前回の全日本でトップ4だった大学がそのまま優勝候補か。駒澤が本命、青山学院が対抗、國學院と順天堂が続くという印象です。特に國學院と順大は万全の区間配置のように見えますし、駒澤と青学はそれぞれ3枚替え、2枚替えというのは予想通りで、ともにエース区間もつなぎ区間も心配がない区間配置となりそう。


気になるのはここ2年、駒澤も青学も崩れる区間が出てきていることです。前回を見ても駒澤は2,3区、青学は2,6区がいずれも二桁順位となっています。今回も同じように崩れる区間が出てしまうと、國學院や順大が優勝の可能性も十分あるのでは…逆に大きく崩れることが無ければ駒澤か青学のどちらかが優勝する可能性が高そうで、エース力と全日本を得意としている駒澤の方が有利かなと。

シード争い

出雲で3位だった中央は出雲に比べると盤石の区間配置とは言えなそうでちょっと優勝争いに加わるのは難しそう。当日変更次第ではシード争いに巻き込まれてしまう可能性も。前回5位の東京国際はムセンビを8区起用、2区に丹所ということで3~7区をどれだけ耐えられるかですよね。シードを争う1校だとは思いますが、個人的にはちょっと評価は低めでシード落ちの可能性も結構あると思っています。


6位の早稲田は鈴木、伊藤、石塚が揃って出場するのであればシードは十分に狙えそうですが…故障明けの選手、箱根予選で奮わなかった選手が多く起用されそうで不安も大きいです。7位の明治は補員が非常に豪華…区間エントリーメンバーは下級生中心となりました。富田、児玉を含めて3人が当日変更前提としても、戦力的には前年度よりも厳しそう。1,2年生がどれだけ走ってくれるかですが、シード落ちの可能性もかなりあるかと…


全日本予選会校ですが、まず箱根予選落ちとなってしまった神奈川、中央学院、日大の3校はさすがにシード争いに絡むのは厳しいと思います。精神的ダメージも大きいでしょうし、そもそも3週間前に箱根予選を突破できるチーム状況で無かったところから、箱根シード校、全日本シード校相手に割って入るのは厳しすぎます。全日本予選の後は神大への期待値は非常に高かったのですが…


残る予選会校もシード有力と言えるところは無さそうなんですよね…最有力は東洋ですが、長距離区間にエースを起用出来ないのがどう響くか…つなぎ区間は大きな問題が無さそうですが、7,8区の走りに不安は残ります。創価も盤石のエントリーならばシード有力かと思いましたが、嶋津が5区はさすがに心配。。。全日本初出場で経験が全くないというのも不安要素です。8区を誰がどんな走りを見せるかが鍵を握りそう。


東海は比較的順当な区間配置となりそうなのは救いですが、箱根予選9位通過から吉田響を欠いて立て直せるのか?下位通過からの全日本シード獲得は近年だと2019年の早稲田くらいで難易度は高いです。大東大は箱根予選トップ通過で最も勢いのある大学ですが、こちらも区間配置が不思議で日本人エースが万全とは思えないんですよね。ベストな布陣でもシード争いに加われるかどうかという状況だっただけに厳しそう。


私のいつも全く当たらないシード予想は毎年1,2校はシード校が入れ替わることも考慮して…区間エントリー前と変わらずに東国大と明治がシード落ち、東洋と創価がシード獲得としてみます。正直、どこがシードを獲得するのかさっぱり分からない。。。いよいよ明日に迫った全日本大学駅伝、前回と比べると優勝候補と言われる大学がどこも順当なエントリーのようですし、また最後まで分からないハイレベルな優勝争い、シード争いを見せて欲しいです!!

「箱根駅伝増刊号2023」が「12/1」に発売になります。
私も毎年購入していますし、箱根駅伝に向けて欠かせない1冊かと思います~