区間歴代トップ５の遷移（2014→2022）　～箱根駅伝10区～

歴代１位は前回の箱根で青山学院の中倉がマークした１時間７分５０秒、一気に５０秒も区間記録を更新してきました。それだけ凄まじい走りだったのですが、最終１０区かつ総合記録を更新しての優勝だったこともあって、あまり区間タイムには触れられなかったのが残念でした。３大駅伝は２度１０区しか走っておらず、前年度は区間４位でしたが…２年時から２分２７秒タイムを縮め、驚異的な区間記録をマークしました。


９区で４６秒、１０区で５０秒区間記録を更新してしまうのですから、他大学からするとどうしようもないですよね。。。今年度も出雲、全日本はエントリーされていませんので出場するとしても箱根のみ、選手層の厚さが中倉を１０区に起用出来ますし、特に復路での強さにつながっています。

歴代２位は２０２０年に創価の嶋津がマークした１時間８分４０秒、従来の区間記録を１９秒更新してきました。１３年ぶりに区間記録を更新と９区同様になかなか破られない記録だったんですよね。いまでこそ嶋津の強さは知れ渡っていますが、２年時は箱根予選で９６位で走ったくらいで目立った実績は無かったんですよね。それがいきなりの箱根で区間新記録をマークし、総合でも１１⇒９位と２つ順位を上げてチームのシード獲得に貢献する走りを見せたのはびっくりしました。


３，４年時は４区を走って区間２位、１位と往路でもエースの走りを見せていますし、箱根でここまで安定した走りを見せられるのが素晴らしいです。５年目となった今年度もエースの１人として活躍していますし、正真正銘最後となる箱根でどんな走りを見せてくれるのか楽しみです。

歴代３位は２０２０年に帝京の吉野がマークした１時間８分４３秒、区間記録をマークした嶋津にはわずか３秒及ばなかったものの、従来の区間記録を１６秒更新しました。吉野もこれまで３大駅伝に出場経験が無かった４年生、２年の箱根予選で６３位、３年の全日本予選で３組３０位くらいで目立った実績は無かったのですが…創価といいて帝京といいその育成力はいつも驚かされます。


区間２位という素晴らしい走りだっただけではなく、総合でも６→４位と２つ順位を上げて帝京史上最高順位タイとなる４位でのフィニッシュとなりました。最高順位更新となる３位までわずか３秒差だったのが強いていえば惜しかったですが、最初で最後の箱根駅伝で会心の走りを見せました。

歴代４位は東洋の清野、前回の箱根でマークした１時間８分５０秒となっています。２年時は区間９位ながらも青山学院との３位争いを制して総合３位に返り咲き、３年時は総合７→４位と３つ順位を上げる快走でした。区間２位の素晴らしい走りでしたが、総合３位にわずか２秒届かなかったところは本人も残念だったかな。清野も３大駅伝は箱根１０区に２度出場したのみということで、中倉と全く同じ大会・区間のみ出場していることになります。


清野は今年度、北海道マラソンに出場して惜しくもMGCこそ逃しましたが素晴らしい走りを見せてくれました。長い距離の強さは抜群ですし、最後の箱根はもちろん今後もマラソンでの活躍が一気に楽しみになりました。

歴代５位は順天堂の松瀬が２００７年にマークした１時間８分５９秒、従来の区間記録を６秒更新し、初めて１時間８分台に突入しました。１２年間更新されることなく区間記録として残り続けることに。２００７年の順大と言えば今井が４年時で５区でトップに立つとそのまま首位を一度も譲ることなく優勝、２位の日大に６分もの大差をつける圧勝でしたが、その優勝のゴールテープを切ったのが松瀬ということに。トップ５のうち優勝のゴールテープを切ったのは中倉と松瀬だけですね。


松瀬は箱根に４年連続出場して２年時には同じ１０区を区間３位で走っており、４年連続で区間１桁と安定した走りを見せていましたが、最後の箱根でも素晴らしいを見せて有終の美を飾ることとなりました。