第54回(2022年)全日本大学駅伝 戦力分析&区間配置予想 ~青山学院大学~

続いては、前回の全日本では史上最少となる8秒差の2位、出雲では主力を欠いて4位だった青山学院大学の全日本大学駅伝における戦力分析と区間配置予想を行っていきます。エントリー一覧過去5年成績はこのようになっております。

4年生

出雲で1区3位の目片、2区4位の横田、3区3位の近藤、6区3位の中村、エントリーされた宮坂、関東インカレハーフで3位、1万で28分21秒のベストを持つ西久保、今年度5千で13分37秒、1万で28分23秒をマーク、関東インカレ1万mで2位とトラックで大活躍を見せた岸本、5千で14分5秒、1万で28分56秒のベストを持ち、2年連続でメンバー入りを果たした関口の8人。

3年生

出雲で4区6位の志貴、5千で今年度13分51秒をマーク、1万で28分45秒のベストを持ち、3大駅伝初エントリーを果たした倉本、全日本では2年連続5区で区間賞、ロードで圧倒的な強さを誇る一世の3人。

2年生

出雲で5区6位の田中、メンバー入りの野村、5千で13分51秒、1万で28分49秒のベストを持ち、3大駅伝初エントリーを果たした白石の3人。

1年生

3000m障害で活躍を見せ、関東インカレは3位、日本インカレで2位、5千でも13分56秒をマークしている黒田、高校ベストは13分57秒、高2では都大路で7区3位、優勝メンバーの1人でもある塩出の2人。

出雲ではエントリー漏れとなった岸本、一世という駅伝で抜群の強さを誇る2人がメンバー入りを果たしたのは大きいですね。ともに駅伝で全く外していない頼りになる選手です。その一方で2年生は鶴川が出雲から外れてしまい、若林、太田という箱根で好走した2人も外れてしまいました。4年生が最多の8人エントリーとなったのと対照的に2年生がグッと層が薄くなってしまいました。


出雲から比べればだいぶ戦力は整ってきましたよね。監督も岸本や一世は全日本で戻ってくるという話もしていましたし、多少の故障はあったもののもう問題は無いと判断して良いのでしょう。そんな青山学院大学の区間配置予想は以下のとおりです。

区間配置予想

目片④ー岸本④ー一世③ー横田④
野村②ー田中②ー近藤④ー中村④

1区は目片、出雲でも1区で3位と見事な走りを披露、出雲、全日本ともに同じ選手が1区というのは青学も起用してくることはありますし、主力の復帰で主要区間を任せられる選手は揃っています。最短区間で目片のスピードも活かせる1区で良いかなあと。


2区は岸本、過去2年の2区は13位、14位といずれも大苦戦している区間、2区終了時でシード圏外に下がっているというのが苦戦している要因の1つでもあります。2区は青学にとって重視すべき区間であることを考えると、3大駅伝で1度も外しておらずエースの1人である岸本を起用するのが良いのではないかと。2区で上位につければ3区以降がかなり楽になると思うんですよね…


3区は一世、2年連続区間賞を獲得している5区というのももちろん良いのですが、岸本を2区に起用するのであれば3区が手薄になってしまう可能性があるだけに、ここに岸本同様に駅伝で抜群の強さを誇る一世を起用するのが安心かなと。留学生を含めエース級が起用される区間でもありますし、主要区間も安心して任せられる選手です。


4区は横田、過去4大会はいずれも4年生が起用されているこの区間、今回も4年生の横田としました。つなぎ区間ながらも重要度の高い区間ですし、スピードがあり出雲でも2区4位でまとめている横田ならば不安は無さそう。

6区は野村、今年度伸びてきた選手としてチームでも評価の高い選手ですし、出雲でもメンバー入りを果たしています。全日本では3大駅伝デビューを果たして欲しいですし、3大駅伝未経験ということもあり、比較的負担の少ない5区あたりでどうかなあと。


6区は田中、出雲では5区6位と区間順位はもう一歩でしたがタイムはそこまで離されたわけでは無いですし、全日本でも起用される可能性は十分ありそう。距離が長くなるほどに強い選手ですし、7,8区の長距離区間を除いて最も距離の長い6区が良さそう。


7区は近藤、青学はエースを8区よりも7区に起用するのを好む傾向があります。前回も近藤の7区2位の快走が最後まで優勝争いを盛り上げてくれましたし、明確にチームのエースである近藤に2年連続で7区を託すのではないでしょうか。


8区は中村、前回の全日本は2区14位に沈みましたが、今年度は好調を維持、駅伝シーズンでも日本インカレで好走、出雲でも6区3位と結果を残しています。長い距離での強さはもう箱根9区区間新記録で嫌というほど証明していますし、最長区間の8区を任せるにふさわしい実力者ですね。

岸本、一世が万全であるという前提ではありますが…優勝候補の1校ということになるでしょう。二人が戻ってくれば主要区間に不安が無くなり、つなぎ区間はますます選手層が厚くなります。主要区間は3,7,8区と言われていますが、そこを任せられる選手が何人もいるわけですからね。今回は外して予想した選手も実力者がズラッと揃っています。


前回1区で好走した志貴、前回6区予定だった西久保、13分台のベストを持つ黒田、塩出といったルーキーの抜擢もあるかもしれませんし、16人誰が走ってもおかしくないほどです。16人中15人が13分台ランナーであり、残る1人である関本は1万で28分台、ハーフは62分26秒でエントリー選手中宮坂と並んでトップタイですからね。一部のエース級を除いては調子のよい選手を起用出来るというNo.1の選手層を存分に活かすことが出来ます。


不安要素としては、全日本はあまり得意としておらず、優勝回数は2回と3大駅伝で最も少なく、毎年優勝争いに絡みながらも2018年以来優勝はありません。後は出雲にエントリーされていない主力のコンディションですよね。決して得意ではない全日本で優勝を果たせば箱根はますます青学一強と言われることになるでしょうし、4位に終わった出雲から巻き返して全日本で優勝を果たすことが出来るのか、どんな区間配置となるかも含めて目が離せません。